大きな勘違い

2018年08月19日 12時10分43秒 | 社会・文化・政治・経済
権力の頂点に立って、自分を見失う。
リーダーの陥りやすい罠の一つだ。
普通の人でも、すごい好調の時、逆に、うまういかなくて苦しい時は、自分を見失うこともある。
周りに、きちんと諫言してくれる側近がリーダーには不可欠。
人生の師匠を持つことだ。
もう一つは、自分を映し出してくれるような鏡のような良き友を持つことだ。
人生の座標軸を持つ人は、自分を見失うことはない。
見失いそうになっても、自分の位置を確かめられる。
人は多くの恩によって支えられてきた。
その恩を恩と感じない。
全部、自分の力だと思っている。
大きな勘違いだ。
政治家も然り。

戦死者の実像 直視を

2018年08月19日 11時42分37秒 | 社会・文化・政治・経済
なぜ対米英オランダ戦争にいたったか、日本の軍事指導者たちの戦略はいかなるものだったか、果てはこの戦争の性格はどのようなものか、など諸説を交えながら語られてきた。
しかし、このような論議それ自体は「戦争を語る」ことになっても、戦争のもう一面を語ったことにはならない。
ここでいう「もう一面」とは、兵士たちが戦場でどのように戦いを余議なくされたか、そしてどのように戦死していったか、を事実として見つめることを指している。
この事実を見ずして戦争を論じるのは、兵士たちをいかに侮辱していると私は思う。
私はこれまで40年近く昭和のあの戦争に関わりを持った人たちの証言を聞いてきた。
兵士たちの体験も詳細に確かめてきた。
「これからの戦争は中央の安全地帯で作戦を練る参謀と、それにもとづいて戦い続ける兵士との残酷な二面性を持つ」第一次世界で英国の海軍大臣だったチャーチルの言葉。

一口に戦死といっても、戦闘死、飢餓死、事故死、戦病死などがある。
太平洋戦争で240万人の軍人、軍属、兵士などの戦死者の7割近くが飢餓死だったとの説もあるほど。
人肉を食べる話などは、より具体的で、そして悲惨である。
ガダルカナル戦
米軍の戦死者1000人、日本は2万4600人。
私たちはこの戦死者の実像を見つめることが問われていると自覚すべきであろう。
8月15日は戦死者を悼み、戦時指導者の責任を考える日なのである。
ノンフィクション作家 保坂正康さん

人間のなかに「神」を見いだしていた

2018年08月19日 11時10分10秒 | 社会・文化・政治・経済
トルストイは、真実の宗教とは何か、真の信仰とは何かを見すえ続け、探求していた。
彼は、人間のなかに「神」を見いだしていたのである。
それは、教会で説く「神」ではなく、人間精神の最高峰であり、良心の結晶としての「神」であった
そして、世界の平和と人びとの幸福のために、人間の道徳的回生と暴力の否定、「無抵抗」をもってする悪への抵抗を説いた。

「罵詈(ばり)の声は後世から光栄の響きとして受けとられます」
これはトルストイに大きな影響を及ぼしたビクトル・ユゴーの言葉である。

宗教の価値は、人間に何をもたらすかにある。
勇気を、希望を、智慧をもたらし、心を強くし、あらゆる苦悩の鉄鎖からの解放を可能にしてこそ、人間のための宗教なのだ。
「なすべきことをなせ、何があろうとも・・・」トルストイ

重度障害者の「生産性」とは

2018年08月19日 10時50分11秒 | 社会・文化・政治・経済
創作活動に行き詰まっていたころ生まれた障害児(息子)が作家としての自分に新たな息吹をもたらしてくれた。作家・大江健三郎さん
自分自身で何かを生み出すことができない障害者も近親者を通して間接的に、高度の生産活動をしていると言えないだろうか。
重度の障害者は不思議な世界観を持っており、ユニークな表現することがある。
ゆったりとした時間の流れ、独特のユーモア、寛容に心を揺り動かされた経験は私自身にもたくさんある。
多くの仕事がそうだが、特に創造性に富んだ仕事はさまざまな価値観や感性が複雑に影響し合って生み出される。
重度の障害者にはやはり固有の価値とも呼ぶべきものがあり、作家などの創作活動における着想や表現方法に大きな影響を与えるにちがいない。
毎日新聞 解説委員 野沢和弘さん

  共感し合うことで「心友」となる

2018年08月19日 05時58分01秒 | 社会・文化・政治・経済
今日の日本の重大な問題点は、本来、時代変革の旗手であり、主役である青年が、無気力になり、あきらめや現実逃避に陥っていることだ。
そこには、文学の責任もある。
青少年に確固たる信念と大いなる希望、そして、人生の永遠の目標を与える哲学性、思想に富んだ作家や作品がなくなってきている。

時代の誤った出来事を看過してはんらない。
その要因と本質とを深く洞察し、未来のために戦いを開始するのだ。

人は、出会いによって「知人」となり、語らいを重ねることで「友人」となり、真心を尽くし、共感し合うことで「心友」となる。