包摂は正義と密接に関わっています

2018年08月29日 15時00分29秒 | 社会・文化・政治・経済
良い文明全てに見られる特徴には、「誠実」「感謝」「長期的視点」「つましさ(質素、倹約)」「自然への敬意」「社会正義」などが挙げられます。
一言で表すならば、「調和」の概念に関連づけられるのではないでしょうか。
包摂は正義と密接に関わっています。
世界で最も裕福な8人が所有する資産は、最も経済的に恵まれない約36億人、つまり世界の人口の半分が保有する資産とほぼ同じでした。
これは、恥ずべき不正義の象徴と言っていいでしょう。
特定のアイデンティティーを重視するあまり、多様な人々を包摂していくという視点がゼロに等しい人々がいます。
それは、大きな間違いです。
現代の混乱は、宗教への新たな挑戦でもあります。
不寛容に対しては鋭く反対しなくてはなりません。
環境学者である私自身の経験からいえば、他者への好奇心が包摂につながり、また、科学的事実への好奇心が文明間の尊敬につながるといことが指摘できます。
エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー:ローマクラブ共同会長
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包摂(ほうせつ、subsumption)とは、社会的に孤立や困難を抱えている人々に対して社会参加の機会を開き、社会的課題の緩和を図ること。
多様な人を社会や組織に取り込む。
性別、国籍、宗教、障がいの有無といった個々の違いを尊重することは、企業や組織の競争力を高める。
「孤立化」、「無縁社会」、「孤族」などと称されるように、地域や職場、家庭での「つながり」が薄れ、社会的に孤立し生活困難に陥る問題が、新たな社会的リスクとなっ ている。
こうした日本社会の構造的変化への対応に必要な「社会的包摂」を築く必要がある。

思想的・哲学的危機がある

2018年08月29日 13時15分47秒 | 社会・文化・政治・経済
世界は今、深刻な社会の分断に直面しています。
中間層が衰退し、貧富の格差が深刻なアメリカや、一昨年にイギリスが離脱を決定したEU(欧州連合)などは、その代表例です。
これらの根底にあるのは、世界における急速な人口増加に伴い、経済成長に必要な資源を巡る競争が激しくなっていることが挙げられると思います。
現代は、人間の本来的な経済から離れた、道徳に反する、功利的な現象としての金融資本を野放しにすることで、地域紛争の頻発など、さまざまな問題が噴出しています。
私たちは、今日の地球的問題群の根底に、思想的・哲学的危機があると捉なくてはなりません。
エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー共同会長
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ローマクラブ(Club of Rome)は、スイスのヴィンタートゥールに本部を置く民間のシンクタンク。
イタリア・オリベッティ社の会長であったアウレリオ・ペッチェイ(Aurelio Peccei)[† 1]とイギリスの科学者で政策アドバイザーでもあったアレクサンダー・キングが、資源・人口・軍備拡張・経済・環境破壊などの全地球的な問題に対処するために設立した。世界各国の科学者・経済人・教育者・各種分野の学識経験者など100人からなり、1968年4月に立ち上げのための会合をローマで開いたことからこの名称になった。
1970年3月に正式発足。
1979年にFEMAを設立。
「環境保護主義者」を動かしているのはローマクラブの代表機関であるアスペン研究所であり、彼らがアトランティック・リッチフィールドやその他の大手石油会社から莫大な資金援助を受けていたとされるが、現共同会長のE.U.v.ヴァイツゼッカーの自伝(2014年Springer)によると、2012年10月に共同会長を受諾した時点では同クラブは破たん直前であったとしている。
本部は2008年にドイツのハンブルクからスイスのヴィンタートゥールへ移転した。

2012年10月に総会が開かれ、スエーデンの元欧州議会議員であったアンダース・ウィクマン(Anders Wijkman)博士と元ドイツ、ヴッパータール研究所長、元ドイツ連邦下院議員のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー(Ernst Ulrich von Weizsaecker)教授の二人が共同会長に選出された。



富山型地域共生福祉の全国展開

2018年08月29日 13時09分53秒 | 医科・歯科・介護
富山県から全国へ!
特区制度を活用した地域共生型福祉の推進
民間の柔軟な発想に基づき誕生した富山型デイサービスは、平成12年度の介護保険制度の創設を機に、高齢者の介護に対する報酬が得られる一方、県からの補助金が廃止されるなど大きな転機を迎えました。
しかし、富山型デイサービス事業所においては、高齢者、障害児(者)等を一緒にケアするサービスは変わることなく続けられ、県では、このような富山型デイサービスをさらに支援するため、特区制度を活用して、国に規制緩和等を働きかけ、富山型デイサービスの普及を推進してきました。

高齢者と障害児(者)の垣根を低く!
『富山型デイサービス推進特区』
平成15年11月、「富山型デイサービス推進特区」の認定を受け、①介護保険法による指定通所介護事業所における知的障害者及び障害児の受け入れ、②身体障害者福祉法による指定デイサービス事業所及び知的障害者福祉法による指定デイサービス事業所での障害児の受入れが可能になりました。

この取組み(特例措置)は、高齢者と障害児(者)の垣根を低くし、高齢者と同じ空間で家庭的なサービスを受ける障害児(者)にも国の公的な制度が適用されることとなり、身近な地域で区別なく福祉サービスを提供する「富山型デイサービス」の普及に弾みがつきました。

この「富山型デイサービス推進特区」において適用された特例措置は、平成18年10月から全国において実施できるようになり、さらに富山型デイサービスが広がることとなりました。

また、平成16年4月には、県と富山市が共同で提案した「基準該当短期入所生活介護事業所における身体障害者、知的障害者、障害児の受入れ」が、特区による特例措置を経ることなく全国展開されました。

孤立は健康に直接的に影響する

2018年08月29日 13時02分23秒 | 医科・歯科・介護
他者との接触がほとんどなく、周囲に頼れる人がいないなどの「社会的孤立」。
単身世帯の増加などに伴って顕在化し、健康への悪影響や困窮などを引き起こす要因となっている。

非正規雇用が増えていく中で社縁(会社の縁)も次第に衰退し、社会的孤立が広がっている。
低所得のために結婚できない若者も多い。
一方、男性高齢者では、現役時代に社縁の外に出る機会が少なく、地域とのつながりが弱かったために、定年後に一人暮らしになる孤立状態に陥りやすい。
単身高齢男性の15%が、人と会話する頻度が「2週間に1回以下」という調査結果もある。
高齢者に関して言えば、孤立は健康に直接的に影響する。
孤立の解消は個人の健康問題や社会的コストの削減など、多面的な効果を期待できる政策といえるのではないか。
また、高齢者や子育て家庭、若者の孤立をバラバラに考えるのではなく、それぞれがつながり支え合う「共生型」の福祉も重要だ。
中央大学法学部 宮本太郎教授



月6万円では生きていけない

2018年08月29日 09時47分18秒 | 社会・文化・政治・経済
所得の低い人は昔からいました。
たとえば国民年金は満額でも月6万円余りです。
しかし元々は、国民年金をもらう人の多くは農業や自営業だから、定年なしで働けるし、持ち家があって後継ぎの長男が同居して養ってくれるし、地域社会も助けてくれるんだから、月6万で大丈夫という前提だった。
しかし近隣のネットワークが切れ、子どもが同居しなくなったら、月6万円では生きていけない。
慶応大学教授 小熊英二さん慶応大学

日本人どうする、日本どうするんだ

2018年08月29日 09時13分25秒 | 社会・文化・政治・経済
学生運動を私は高校生として見ていたのですが、民主主義の恩恵を受けながら反体制を叫ぶなと思いました。
そうした学生運動の底の浅さに違和感をもちながら、大人になっていったわけです。
社会に出て働きながら発見したことの一つがありました。
日本の企業には働かない社員がいるということです。
言い換えれば、日本の企業の生産性がものすごく低いということですが、それでも経済は回っていた。
バブルの時代に私の違和感はさらに増大した。
資本が生産せずに、土地を転がして利益を出す。
マネー経済ですね。
それに日本は狂奔するわけです。
何かがおかしいと思っていたら、バブルが崩壊した。
今、「安部1強」の下、私たち完全に思考停止し、政治も無策です。
日本人どうする、日本どうするんだと自問自答しなければならない本当に厳しい時代に入ったと思います。
作家 高村薫さん