今年は立川競輪場で争われる輪界最大のイベント「KEIRINグランプリ2019(GP)」の号砲が、12月30日に鳴らされる。競輪選手なら誰もが憧れる夢の舞台にふさわしい9選手が立川に集結する。優勝賞金1億円超をかけた一発勝負の栄冠に輝くのは…。また、シリーズ初日の28日には「ガールズグランプリ2019」、2日目の29日には「ヤンググランプリ2019」が行われる。
2019年12月30日 レース詳細
豪脚対決 グランプリ
- 発走予定 16:30
- 投票締切 16:25
- 予想担当記者:赤競 小山 裕哉
- 並び提供:3-9 5-2 1(単騎) 7-4 6(単騎) 8(単騎)
予 想 | 好 気 合 | 総 評 | 枠 番 | 車 番 | 選手名 府県/年齢/期別 | 級 班 | 脚 質 | ギヤ 倍数 | 直近4ヶ月の成績 | |||||||||||||
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競走得点 | S | B | 逃 | 捲 | 差 | マ | 1 着 | 2 着 | 3 着 | 着 外 | 勝 率 | 2連 対率 | 3連 対率 | |||||||||
4 | 1 | 1 | 中川 誠一郎 熊 本/40/85 |
SS | 両 | 3.92 | 114.94 | 0 | 2 | 1 | 6 | 2 | 1 | 8 | 2 | 0 | 7 | 47.0 | 58.8 | 58.8 | ||
△ | 6 | 2 | 2 | 松浦 悠士 広 島/29/98 |
SS | 両 | 3.92 | 118.87 | 4 | 7 | 3 | 9 | 5 | 0 | 12 | 5 | 2 | 5 | 50.0 | 70.8 | 79.1 | |
◎ | 2 | 3 | 3 | 脇本 雄太 福 井/30/94 |
SS | 逃 | 3.92 | 0.00 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | |
注 | 9 | 4 | 4 | 佐藤 慎太郎 福 島/43/78 |
SS | 追 | 3.92 | 115.63 | 6 | 0 | 0 | 0 | 5 | 3 | 3 | 5 | 5 | 9 | 13.6 | 36.3 | 59.0 | |
× | 5 | 5 | 清水 裕友 山 口/25/105 |
SS | 逃 | 3.92 | 120.17 | 1 | 6 | 1 | 9 | 1 | 0 | 5 | 6 | 2 | 4 | 29.4 | 64.7 | 76.4 | ||
6 | 5 | 6 | 郡司 浩平 神奈川/29/99 |
SS | 逃 | 3.92 | 117.04 | 0 | 6 | 2 | 6 | 3 | 0 | 5 | 6 | 4 | 8 | 21.7 | 47.8 | 65.2 | ||
○ | 3 | 7 | 新田 祐大 福 島/33/90 |
SS | 逃 | 3.92 | 0.00 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | ||
6 | 6 | 8 | 平原 康多 埼 玉/37/87 |
SS | 両 | 3.92 | 117.52 | 2 | 5 | 0 | 5 | 3 | 0 | 7 | 1 | 9 | 7 | 29.1 | 33.3 | 70.8 | ||
▲ | 9 | 9 | 村上 博幸 京 都/40/86 |
SS | 追 | 3.92 | 113.23 | 4 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 3 | 2 | 5 | 11 | 14.2 | 23.8 | 47.6 | ||
【誘導員】内田 英介 S1 |
並び予想
レース評
中川 誠一郎【熊本/85期/SS】
G1V2はダテじゃない
今年は2月全日本選抜、6月高松宮記念杯とG1戦2冠の偉業を達成。40歳にして、全盛期を迎えている。
「ちょっとデキすぎですね。全日本を獲って気持ちに余裕がありすぎて、逆に難しいところもありました」
グランプリは16年以来、3年ぶり2度目の挑戦になるが、気負いはまったくない。
「地元の熊本記念に向けて仕上げた反動で競輪祭はダメだったけど、1カ月あるので、展開が向いた時にしっかりモノにできる状態には仕上げたいと思ってます」
松浦 悠士【広島/98期/SS】
強力タッグでV狙う
競輪祭で決勝進出した時点で完走すればグランプリは確定だったが、平原康多を飛ばしてまくった清水裕友をかわしてG1初優勝。「タイトルを獲って出られるのが本当にうれしい」。最高の形でグランプリ初出場を決めた。
昨年暮れに地元で記念初優勝を飾ってから、次の目標はグランプリだった。「1年間頑張ってきて良かった」と喜んだのもつかの間、「獲るって強い思いを持って」と暮れの大一番に頭を切り替えた。本番も清水との中国タッグでビッグ連覇を狙う。
脇本 雄太【福井/94期/SS】
進化した姿を披露
昨年のオールスターで初タイトルを獲得。その後は寬仁親王牌を制し、今年はゴールデンウイークのダービーで4連勝。86年の滝沢正光氏以来となるダービー完全Vを飾り、“脇本一強時代”を印象づけた。
「(東京五輪まで)突き進むことを決めているので、止まることはないと思います」
東京五輪を来年に控え、出場枠確保のため、ナショナルチームの活動が優先。オールスター以来となる競輪でも、GP制覇でさらなる進化をファンの前で証明してみせる。
佐藤 慎太郎【福島/78期/SS】
夢をあきらめず13年
優勝は3月平の一度だけ。それでも今年は2月全日本選抜、8月オールスターで決勝2着に入るなどビッグレースで活躍し、13年ぶりのグランプリ出場を決めた。
「今年はG1で決勝に進みたい。その気持ちで来た感じ。最後のグランプリかなっていう思いがあったし、それもモチベーションになった」
メンバー最年長だが、「北では完全にエース」と評価する新田祐大の番手がある。「どんなレースをされても納得。好きに走っていい」。後輩を信じてゴール勝負にかける。
清水 裕友【山口/105期/SS】
大胆不敵な走りが魅力
今年はタイトルにあと1歩届かなかったが、G1優出は4回。S班として1年間を全力で戦い抜いた。
「前半戦は怪我もあったんですけど、(5月)ダービーで(決勝)2着に入れたりして良かったですね。中盤は調子を落としてキツかったですが、状態は上がってきてます」
昨年のグランプリは単騎だったが、今年は松浦悠士とタッグを組める。
「グランプリは1年間、頑張ってきたご褒美だと思ってます。その時、その時の状況判断をしっかりして、1着を狙っていきます」
郡司 浩平【神奈川/99期/SS】
万全の調整で初の大舞台へ
グランプリ出場争いのボーダーで迎えた11月の競輪祭は二次予選Bで落車。無念の途中欠場となったが、9番目のシートに滑り込んだ。
「競輪祭は落車してしまい、自分が思っていた形では終われなかったんですが、グランプリ出場が決まってホッとしています」
初出場のグランプリ。万全の状態に仕上げて挑む。
「怪我のほうは擦過傷くらいです。1カ月、計画的に練習します。失うものは何もないので、しっかり力を出し切るレースをします」
新田 祐大【福島/90期/SS】
世界の脚で今年こそ決める
出走機会が限られるナショナルチームの新田にとっては、今年最後のG1となったオールスター。獲るしかない状況でモノにした。
「(ワールドカップを終えて)日本に帰ってからは、普段通りにナショナルチームでトレーニングをして、グランプリに挑む流れ。その日までとにかく自分の準備をしっかりするだけですね」
オールスター以来、4カ月以上ぶりの競輪も戸惑いはない。世界と互角に渡り合う爆発的なパワーで、競輪ファンの度肝を抜く。
平原 康多【埼玉/87期/SS】
楽しみな単騎戦
今回は関東ただ一人のグランプリ出場。「関東勢と走れないのはレアですね」。初出場した08年大会以来の関東が一人。しかも今回は単騎になりそうだ。
「ある意味、楽しみです。責任は自分にしかない。いい意味で好き勝手に走れるので」
スピード競輪に対応するために、「かなりフレームを試した」1年だった。思うような結果は残せなかったが、まだ最後に大一番が残っている。
「今年は失敗のほうが割と多かったけど、最後に集大成として頑張りたい」
村上 博幸【京都/86期/SS】
2年連続で頂上決戦へ
4年ぶりのS班に返り咲いた19年。10月寬仁親王牌を制して2年連続のグランプリ出場を決めたが、「寬仁親王牌は優勝したけど、同時に力の差を痛感した開催。今年はG1で苦しい戦いが多かった」と、この1年を振り返る。
S班としての重責を担いながらも、出げいこを増やすなど練習面でも挑戦し続けた1年だった。これが自身4度目のグランプリ。「調整はうまくできると思うので、燃え尽きられるように頑張ります」と静かに意気込みを語った
ナショナルチーム2人のスピード勝負
来年、東京五輪の出場枠獲得のため、出走機会が限られたナショナルチームの脇本雄太と新田祐大が、G1制覇でGP出場権を獲得。世界の強豪を相手に自国開催の五輪でメダルの期待がかかる2人は、競輪でも国内に敵なしをアピールしたい。両者の力勝負が濃厚とみる。
脇本はダービーを4連勝でV。平成では誰も成し遂げられなかった完全優勝を令和初の初のG1で飾った。“先行日本一”を掲げている脇本だけに、積極策に迷いはないだろう。長い直線にも臆することなく風を切って、真っ先にゴールを駆け抜ける。
新田はラインの結束力を生かしてオールスターV。5年連続のGP出場を決めた。まくりでの破壊力なら脇本をしのぐものがあり、立川バンクも新田に味方しそうだ。
清水裕友、松浦悠士の中国コンビには勢いがある。脇本、新田が不在だったとはいえ、競輪祭決勝でワンツーの力は怖い。
混戦になれば、今年2度のG1Vの中川誠一郎に出番が巡ってくる。単騎の可能性が高いが、全日本選抜では単騎でV奪取とマイナス材料にはならない。
平原康多は、どんな展開にも対応できる強みがある。地元地区だけに軽視はできない。