完成はいつ?開発に成功した場合の供給ルートは?各国で新型コロナウイルスのワクチン開発が急ピッチで進められているなか、ワクチンの確保に向けた競争も激しくなっています。NHK
新型コロナワクチン接種 国が全額負担 健康被害確認なら救済も(10/2)
2020年10月2日
新型コロナウイルスのワクチンの接種について、厚生労働省は、費用を全額、国で負担したうえで、健康被害が確認された場合は医療費の支給などを行うことを決めました。
厚生労働省は10月2日、都内で開いた専門家会議で、接種の進め方などを明らかにしました。新型コロナウイルスのワクチンについて、国は来年前半までに国民全員の分を確保する方針で、開発に取り組んでいる欧米の製薬会社と交渉を進めています。
それによりますと、費用は全額、国で負担したうえで、健康被害が確認された場合は予防接種法に基づく救済制度を適用し、結核などの定期接種と同じ水準で医療費の支給などを行います。
健康被害を受けた人に製薬企業が賠償した場合は、国が損失を補償するということです。
また、接種を行う主体は市町村とし、国民には接種を受けることを「努力義務」として課します。
ただし、接種が始まったあとにワクチンの安全性や有効性が十分でないことが判明した場合などは、努力義務としないということです。
厚生労働省は、必要な予防接種法の改正案を臨時国会に提出することにしています。
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アメリカ 「ワクチン接種しない」 2人に1人(9/30)
2020年9月30日
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欧米などを中心に新型コロナウイルスのワクチンの開発が急ピッチで進められていますが、アメリカでは、もしワクチンがすぐに接種できるとしたらどうするか、成人1万人余りに聞いたところ、安全性への懸念などから2人に1人が「接種しない」と回答していて、専門家は、正しい情報を伝えることで信頼を得ることが重要だと指摘しています。
アメリカの調査機関「ピュー・リサーチセンター」は、ことし4月から5月にかけてと9月上旬に、それぞれ成人1万人余りを対象に、新型コロナウイルスのワクチンがすぐに接種できるとした場合どうするか、インターネットを使って調査しました。
その結果、4月から5月の調査では、「おそらく接種しない」と「絶対接種しない」が合わせて27%だったのに対し、9月の調査ではこれが49%に増えたということです。
最も多い理由は「副作用の懸念」で、次に多かったのは「どの程度効果があるのかもっと知りたいから」でした。
アメリカでは以前から、ワクチンそのものの安全性や効果に否定的なグループが学校でのワクチンの義務化に反対したり、接種を拒否したりする活動を行っています。
社会心理学が専門で、アメリカの反ワクチン運動に詳しいイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のドロレス・アルバラシン教授は「ワクチン対する不信感の広がりはパンデミックに立ち向かう上で大きな問題だ。ワクチンをめぐる混乱が原因で副作用を懸念したり、情報がなかったりする人たちに対して、キャンペーンなどを通じて科学的に正しい情報を広く知ってもらう必要がある」と話しています。さらに11月の大統領選挙を前に、トランプ大統領がワクチンの実用化を急ぐ姿勢を見せる一方、野党・民主党のバイデン候補らは政権が規制当局に圧力をかける可能性があるとして、安全性や効果を慎重に検証すべきだと主張していて、こうした動きは政治的な対立にとどまらず、ワクチンの安全性や効果に対する不信感につながっているという指摘が出ています。
接種義務化に反対する人たちは
アメリカでは、新型コロナウイルスのワクチンが使えるようになった場合、会社や学校などで接種を事実上、義務づけるべきか検討が始まっていますが、接種の義務化は個人の自由の侵害だとして保守層を中心に反対する人たちもいます。
東部マサチューセッツ州ボストン近郊の町では、9月26日、店舗の営業制限やマスクの義務化に反対する集会が開かれ、ワクチンの接種の義務化に反発する人も多く参加しました。
この冬、アメリカでは、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行するおそれがあると言われていて、この州では新たに、子どもたちにインフルエンザワクチンの接種を事実上、義務づけることにしたのです。
新型コロナウイルスのワクチンについて聞いたところ、参加していた40代の女性は「接種は個人の選択であるべきで、義務化すべきではない。新型コロナウイルスのワクチンは安全性の確認が不十分だ」と話していました。
また、家族で参加した50代の女性は「個人的には新型コロナウイルスのワクチンは接種したくないし、子どもにも受けさせない」と話していました。
さらに別の女性は「インフルエンザで義務化を認めれば、次は新型コロナウイルスのワクチンが義務化される。政府には自分の体のことを決める権限はない」と話していました。
集会を主催した保守系の政治団体の代表を務めるジョン・ヒューゴさんは「新型コロナウイルスの脅威は誇張されている」などと話し、新型コロナウイルスのワクチンの義務化には反対するとしています。
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米政府 コロナワクチン 来年1月までに供給の指針 慎重な声も(9/17)
2020年9月17日
アメリカ政府は、新型コロナウイルスのワクチンを全米に速やかに供給する態勢を来年1月までに整備するとした指針を議会に通知しました。ワクチンの供給をめぐって慎重な対応を求める声も上がる中、大統領選挙に向けウイルス対策の成果を示したいトランプ大統領の考えに沿ったものとなっています。
この指針は9月16日、アメリカ厚生省が連邦議会に通知しました。
この中では、「接種を希望するすべてのアメリカ国民に、安全で効果のあるワクチンを供給できる態勢を来年1月までに整備する」としていて、素早い供給を実現するために軍を動員し、国防総省と緊密に連携するとしています。
新型コロナウイルスのワクチンをめぐって、トランプ大統領は許可や承認を急ぐことで早期に供給できるという見通しを示すなど、11月の大統領選挙に向けて成果を示したいねらいもあると見られます。
今回の指針は、こうした大統領の意向に沿うものとなっていますが、専門家などからは安全性や有効性の確認を優先し、臨床試験に基づいた慎重な対応をするよう求める声も上がっていて、議論を呼びそうです。
米CDC 多くの人が接種できるのは来年春以降の見通し
ワクチンの供給時期をめぐって、アメリカCDC=疾病対策センターのレッドフィールド所長は16日、議会上院で証言し、ワクチンを多くの人が接種できるようになるのは、来年の春以降になるという見通しを示しました。
この中で、レッドフィールド所長は、「ワクチンはことし11月から12月には使えるようになるかもしれない」とした一方で、多くの人が接種できるようになるのは、FDA=食品医薬品局が使用を許可した6か月から9か月後となるため、来年の春以降、第2四半期から第3四半期になるという見通しを示しました。
また、政権の主張に沿うよう、CDCの報告書がゆがめられているのではないかという指摘に対し、レッドフィールド所長は、「報告書の内容は科学的な原則を貫いている」と強調し政治的な圧力を否定しました。
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アストラゼネカ 新型コロナワクチン 日本での臨床試験も再開へ(9/14)
2020年9月14日
製薬大手「アストラゼネカ」が、中断していた新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験をイギリスに続いて日本でも近く再開する方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
イギリスの製薬大手アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で新型コロナウイルスのワクチンの開発を進めていて、イギリスやブラジルなどでは臨床試験の最終段階を迎えています。
ところが、イギリス国内でワクチンを接種した1人に原因不明の重い症状が確認されたことなどから、アストラゼネカは先週、世界各地で行っていた臨床試験を一時的に中断しました。
このうちイギリスでの臨床試験について、アストラゼネカは、9月12日に出した声明で、独立した委員会が安全だと判断したなどとして再開したことを明らかにしましたが、関係者によりますと、日本での臨床試験も再開する方針を固めたということです。
日本での臨床試験は、18歳以上のおよそ250人を対象に複数の施設で行われる計画で、施設などと協議したうえで、早ければ今週から段階的に再開される見通しです。
日本政府は8月、アストラゼネカと少なくとも6000万人分の供給を受けることで基本合意し、このうち1500万人分については来年3月までの供給を目指しています。
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アストラゼネカ 一時中断のワクチン臨床試験 イギリスで再開(9/13)
2020年9月13日
イギリスの製薬大手のアストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、イギリスの規制当局が安全を確認したとして、イギリス国内での臨床試験を再開したことを明らかにしました。
アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で新型コロナウイルスのワクチンの開発を進めていますが、安全性に関するデータを検証するためだとして臨床試験を一時的に中断していました。
これについてアストラゼネカは9月12日、声明を発表し、イギリス国内での臨床試験を再開したことを明らかにしました。
声明によりますと、世界各地で行われている臨床試験を9月6日から自主的に中断し、独立した委員会や規制当局が安全性のデータを検証していましたが、独立した委員会は、再開しても安全だと判断し、イギリスの規制当局もそれを確認したということです。
アストラゼネカは、これ以上の詳しい情報は公開できないとしたうえで、ほかの国でも臨床試験が再開できるよう、各国の保健当局と協力していくとしています。
このワクチンについて日本政府は、アストラゼネカと8月、少なくとも6000万人分の供給を受けることで基本合意し、このうち1500万人分については来年3月までの供給を目指すことになっています。
日本法人 国内での臨床試験再開の検討開始
アストラゼネカの日本法人によりますと、イギリスでの臨床試験の再開を受けて、現在、中断している日本国内での臨床試験についても再開するか検討を始めたということです。
今後、再開の時期などについて、関係機関と協議を進めるとしています。