行き過ぎた指導で退学 元生徒が提訴 広島・呉港高校

2020年10月29日 12時57分19秒 | 事件・事故

10/29(木) 12:12配信

行き過ぎた指導により退学を余儀なくされたとして、元生徒が高校を運営する学校法人などに損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴状によりますと呉港高校に通っていた元生徒(17)は、1年生だった去年5月、タバコを吸っていたとして丸刈りにすることを強制され、約20日間にわたり別室での自習や反省文を大声で読み上げさせられるなどの指導を受けました。

また去年7月にはノートの提出を忘れたことを理由に教師から胸を4回殴られる体罰を受け、その後学校に行けなくなり通信制高校に編入学したということです。

元生徒側は体罰や裁量の範囲を超えた指導は不法行為だとして、高校を運営する学校法人などに約180万円の損害賠償を求めています。

原告の元生徒は「体罰だとか大声を出したり丸刈りにしたりそういうことはやめて、他の高校と同じように生活(できる学校に)してほしい」と話します。

学校側は「連絡がないので詳細は不明だが真摯に対応していきたい」とコメントしています。

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伊藤健太郎容疑者 目撃者が追いかけ、現場に戻ったか

2020年10月29日 12時46分01秒 | 事件・事故

10/29(木) 11:13配信

ABEMA TIMES

事故現場の様子

 俳優の伊藤健太郎容疑者が東京・渋谷区で車を運転して事故を起こし、そのまま逃げたなどとして、逮捕された。

【映像】現場の様子

 伊藤健太郎容疑者(23)はきのう午後6時前、渋谷区千駄ヶ谷で乗用車で2人乗りのバイクに衝突し、その場から立ち去った疑いなどがもたれている。

 警視庁によると、バイクには26歳の男性と27歳の女性が乗っていて、女性は足を骨折する重傷だ。伊藤容疑者は一旦、現場から立ち去ったが、目撃者が追いかけ、現場に戻ってきたということだ。

 目撃者によると「ぶつかった車は現場を立ち去って、その後ろを走っていた車がクラクションを鳴らしながら追いかけていった」と話しており、「止まる様子はなかった?」の質問に「止まる様子はなかった」と答えているということだ。警視庁が当時の状況を調べている。(ANNニュース)

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俳優・伊藤健太郎容疑者を逮捕 ひき逃げの疑い 女性が足の骨を折る重傷

2020年10月29日 12時44分17秒 | 事件・事故

俳優・伊藤健太郎容疑者を逮捕 ひき逃げの疑い 女性が足の骨を折る重傷
10/29(木) 10:50配信

スポニチアネックス

俳優の伊藤健太郎

 俳優の伊藤健太郎容疑者(23)が29日、道交法違反(ひき逃げ)の疑いで警視庁に逮捕されたことが分かった。28日夜、東京都渋谷区千駄ケ谷1丁目の路上で交通事故を起こしていた。伊藤は乗用車を運転中、バイクと衝突。この事故で、衝突されたバイクの男女2人がけがをした。

【写真】伊藤健太郎容疑者の近影 23日には主演舞台のPRに登場していた

 バイクの男性は軽傷だが、女性は足の骨を折る重傷を負った。伊藤にけがはなかった。

 伊藤容疑者は29日放送のフジテレビ「アウトデラックス」(木曜後11・00)に出演予定。同局はスポニチの取材に対し「事実関係を確認中で、対応についても検討しています」とした。また、今月30日には出演映画「とんかつDJ アゲ太郎」の公開を控えおり、同映画の宣伝会社も「対応を検討中」とし、11月6日に公開予定の主演映画「十二単衣を着た悪魔」の制作会社は「所属事務所に事実関係を確認中」と応じた。

 伊藤容疑者は日本テレビのドラマ「今日から俺は!!」などで知られる人気若手俳優。NHK連続テレビ小説「スカーレット」で朝ドラ初出演を果たした。今年9月には所属事務所を移籍し、過去に在籍していた事務所「イマージュエンターテインメント」に再び所属している。

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いじめ最多61万件、小学校で大幅増 積極認知、6年で3倍―文科省・問題行動調査

2020年10月29日 12時36分36秒 | 事件・事故


  2020年10月22日17時08分 時事ドットコム

いじめの認知件数

 全国の小中高校などが2019年度に認知したいじめの件数は、前年度より約6万件増の61万2496件で、過去最多を更新したことが22日、文部科学省が公表した「問題行動・不登校調査」で分かった。6年連続で増えた結果、件数は3倍となり、特に小学校の増加が著しい。
仕事で心の病、過去最多 ハラスメントが原因

 大津市の中2男子いじめ自殺事件を受け、いじめ防止対策推進法が13年に施行。けんかやふざけ合いなどもいじめと見なすようになり、文科省は「積極的に認知し、解消につなげている」と肯定的に評価している。
 件数の内訳は、小学校が約5万件増え48万4545件。中学校は10万6524件、高校は1万8352件、特別支援学校は3075件だった。認知した学校の割合は1.8ポイント上昇し82.6%。
 いじめの態様では「冷やかし、からかい、悪口」が小中高校ともに最も多く、「パソコンや携帯電話で誹謗(ひぼう)中傷される」は特に高校で目立つ。認知されたいじめのうち、83.2%は年度末時点で解消されたという。
 児童生徒1000人当たりの認知件数では、都道府県別の最多は宮崎県の122.4件、最少は佐賀県の13.8件。政令市では、新潟市が最多の259.3件で、最少は岡山市の11.3件と大きな開きがある。
 いじめ対策推進法は、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある場合などに「重大事態」として調査するよう義務付けている。19年度の重大事態は、前年度より121件増え723件で、過去最多だった。
 小中高生の自殺は317人で、前年度よりも15人減ったが、高止まりしている。いじめ問題を抱えていたのは10人で、原因不明が188人と最も多かった。 

 

 


「一人ひとりを包摂する社会」

2020年10月29日 12時08分00秒 | 社会・文化・政治・経済

中国が発展途上なら、当然アメリカも発展途上と思われる。
特にアメリカは、未だに銃を規制できないでいる。
さらに、人種間対立など深刻な<分断>が伝えられている。
戦後の民主主義を主導してきたはずのアメリカで、共和党、民主党支持者が互いに敵視し、社会の連帯感を失わせている。
不寛容な社会では、必然的に他者との差異が作り出され、結果として対立と分断に覆われてしまう。
そして「怒りと憎悪」が満ち、社会秩序までが不安定になっている。

「個人を社会に包摂する原理」

「成長と分配の好循環」を生み出していく新たな「成長と分配の好循環」を生み出していく新たな経済社会システ期待される。

社会的排除/包摂という概念の広がり

「一人ひとりを包摂する社会」
「弱い個人を包み込めるような社会でこそ、実は強い個人が育つのだ」
この理念を「社会的包摂」と言う。


訓練とは、体で、生命で習得していくこと

2020年10月29日 09時53分17秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽社会のテーマに、真っ向から挑み、活路を開き、人々を勇気づける。
▽頭で理解し、わかっていることと、実際にできることは違う。
災害の時なども、知識はあっても、いざとなると、体がすくんで動けなるケースが少ない。
訓練を繰り返し、習熟してこそ、教えられたことが、実際に行えるようになるのだ。
訓練とは、体で、生命で習得していくことである。
▽大地はよく耕され、肥沃になってこそ、木々も生い茂り、花も咲き、果実も実るのだ。
▽あきらめと無気力の闇に包まれた時代の閉塞を破るのは、人間の英知と信念の光彩だ。
▽自分を磨き高め、真の生き方と、社会建設の道を教える人間教育の場が期待される。


守備交代に疑問これでは責任感生まれない/真弓明信

2020年10月29日 07時32分58秒 | 野球

10/28(水) 22:54配信

日刊スポーツ

阪神対中日 6回表阪神1死一、二塁、高橋周平の二ゴロをさばきビシエドを二塁で封殺する糸原健斗(撮影・上田博志)

<阪神9-1中日>◇28日◇甲子園

8回表に二塁植田、三塁糸原、一塁大山という守備交代があった。

【写真】試合を締めた藤川は矢野監督と笑顔でエアタッチ

今季よく見られる用兵だが、私は常に疑問を感じている。マルテの守備固めなら、陽川を使えばいいだけだ。そこに不安があるなら、一塁の守備要員を作っておくべきだ。シーズン通して、こういう起用をすれば、1つのポジションに対する責任感が生まれない。本塁打王を争うほどの大山には、サードを任せた、という方針でいい。

ドラフト1位で近大・佐藤輝を指名した。内外野を守れるということで、プロでどこを守るかというのが注目点になる。外野の選択肢もあるだろうが、若いうちは内野を守ったほうがいい。後になってから内野へのコンバートはプロの世界では困難な作業だ。阪神の外野陣ではドラフト1位で獲得した高山を何としても育てないといけないし、高卒新人の井上もいる。長打力に魅力のある佐藤輝は一塁で起用するのもいいだろう。一塁に守備力のある選手を置くと、内野全体が締まる。フットワークがあれば、ベースから離れて守れるので、一、二塁間を狭められる。後方の飛球やバント処理も対応できる。守りでも戦力になる。

冒頭で言った大山の話ではないが、佐藤輝を育成するためには、守りをどうするかが重要になる。間違っても内外野両にらみなどではなく、1つのポジションでじっくりと鍛えるべきだ。(日刊スポーツ評論家)

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阪神・上本が退団へ 生え抜き34歳タテジマに別れ…来季構想外、現役続行へ意欲

2020年10月29日 07時21分34秒 | 野球

10/29(木) 6:00配信

デイリースポーツ

 今季限りでの退団が決定的となった上本

 阪神の上本博紀内野手(34)が、球団から来季の戦力構想外を伝えられたことが28日までに球界関係者の話で分かった。球団はポストを提示しているもようだが、現役続行へ強い意欲を示しているもようだ。今後は他球団でのチャンスを模索していく見込みで、退団は決定的となった。

【写真】上本の運命を変えたシーン 二盗で負傷、起き上がれず担架で…

 阪神を支えてきた男がまた一人、タテジマを脱ぐ。上本が福留、能見に続き、来季は戦力構想外であることが伝えられたもよう。上本自身は強く現役続行を希望しているとみられ、12年間在籍した阪神を去ることは避けられない状況となった。

 上本は広陵高、早大とアマ球界の名門で活躍し、2008年度ドラフト3位で入団。阪神一筋でチームを支えてきた。

 6年目の14年に才能が開花し、キャリアハイとなる131試合に出場。自身初の規定打席に到達して打率・276、7本塁打、38打点で、20盗塁も記録した。

 15年も負傷離脱で108試合の出場にとどまったが、正二塁手としてプレー。小柄ながらパンチ力を秘めた打撃と、アグレッシブなプレーで多くのファンを魅了した。

 しかし、大ケガで野球人生が狂った。18年5月5日・中日戦(甲子園)。二盗を試みた際に左膝の前十字じん帯を損傷。同年6月にじん帯再建術を受けた。

 同年には故障者特例措置で国内FA権を取得したが、権利を行使せずにチームに残留。矢野監督就任1年目の19年に勝負をかけた。手術の影響が残る中、春季キャンプから1軍に帯同。懸命なアピールを続けた。

 19年は秋季キャンプも3年ぶりに参加。「結果が出る、出ないは言い訳。年のせいとか、ケガのせいとかにしないように、自分を追い込んでみたかった」と振り返っている。30歳を超えてもレベルアップに貪欲だったが、糸原らの台頭もあって出番が減少。今季は25試合で打率・171にとどまっており、来季の戦力構想から外れたようだ。

 選手としてだけではなく、14年からは3年間、選手会長も務めてチームを支えた。球団はこれまでの功労を評価し、引退後のポストを提示しているとみられる。上本は現役引退か、他球団への移籍の2択となる。

 ただ、体に衰えはなく、現役続行への意欲は衰えていないようだ。記録以上に記憶に残る活躍を見せた上本が、慣れ親しんだタテジマに別れを告げる。

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新聞は購読すべきだ

2020年10月29日 06時29分26秒 | 日記・断片

友人の友人が亡くなったのはショックだった。
井野団地からわが家から3軒隣のアパートの1階に移住して、1年余で孤独死したのだ。
偶然だが、その部屋には以前、当方の知人であった母親と娘さんが住んでいた。
娘さんが高校生になるのを機に、通学の便を配慮して移転する。
母子家庭で、前に住んでいたマンションの家賃が高かったので、家賃の安いアパートを求めて移住したことから、近隣に住む当方の知人の一人となったのだ。
これも、縁であるのでアパートの新しい住民に接触したいと思っていたいたが、その機会を失う。
その人は何時も留守がちのであったのだ。
今にして思うのであるが、友人が勧めていたとおりに新聞を購読すべきだった。
もし、部屋で倒れていたら新聞がポストに入らないくらい溜まっていただろう。実は新聞は当方が配達する役割だった。
友人が何時も、玄関のブザーを押しても、出て来ない。
そこで、友人は念のために裏側へ回って部屋の窓を覗いてみた。
すると友人が部屋の真ん中で倒れているのが確認できた。
慌てて救急車を呼ぶことになった。
だが「まさか」と思っていたのに、その場で死亡が確認され、パトカーもやってきた。
そして検死の結果、死後1か月だったそうだ。
今、そのアパートは取り壊され、駐車場になっている。


「一冊の本に人を変える力がある?」

2020年10月29日 06時07分16秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

by ガエル ファイユ (著), 加藤 かおり (翻訳)

残酷な内戦を目の当たりにした主人公の少年は、本と出合うことで新しい地平が開かれる。
アフリカ・ブルンジ出身の作家ガエル・ファイユの自伝小説「小さな国」

奪っても奪っても足りないのは、消しても消しても消えないから。そんな確かな暮らしが、悲惨な争いの中でやっぱり輝いてる。」――尾崎世界観さん (クリープハイプ)推薦

アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。フランスで活躍するミュージシャンが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作。高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。解説/くぼたのぞみ

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ファイユ,ガエル
1982年、ブルンジ共和国でフランス人の父とルワンダ難民の母とのあいだに生まれる。1995年にフランスへ移住。2009年に音楽グループ“Milk Coffee and Sugar”を結成しデビュー。2016年、作家デビューとなる『ちいさな国で』で“高校生が選ぶゴンクール賞”、FNAC小説賞を受賞。ゴンクール賞でも最終候補作となり、エリック・バルビエ監督により映画化された。ルワンダに妻子と在住

加藤/かおり
国際基督教大学教養学部社会科学科卒、フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
ブルンジ/ルワンダやツチ/フツの過去の問題を描いているのはもちろんだが、それよりギャビーの
人間としての人生の悲哀を描いている。「得る」ということは「失う」ことでもある。ギャビーの現在の
平和(もっともそれは表面的なことだが)は過去の悲劇の上に成り立っている。いや、それどころではない。
彼が心の平和を得ることは決してないだろう。あまりに多くのことを失うという過去があるからだ。
少年としての無垢さ、そして祖国、仲間などあまりにも多くのことを失ったのだ。最後に彼は発狂して
生き残っていた母にブルンジで会うことになった。その母を面倒を見て行くのだ。その後は...??
  文章が洒落ていて軽快で素晴らしい。最も加藤かおり氏の訳も素晴らしいのだと思う。
 
 
内戦は他人事だった。
難民として避難している親戚のことも。
大統領選後、状況が一変する。
子供から少年になり、選択を迫られる。
私たちがつい、アフリカと一括りにしてしまう地域の物語。
高校生向けと言われているが、大人も読んで欲しい。
そして世界に目を向けて欲しいと思う一冊。
 
アフリカの日常生活のことは我々はほとんどしらないわけだが、瑞々しく描かれており、夢中になってよみました。
その後、フランスに移住してからの続編も期待してます。
 
 
書名になっている「ちいさな国」とは、アフリカ大陸のブルンジ共和国。

巻頭のアフリカ大陸の地図を見れば、どのあたりに位置するのかが分かります。
国の「拡大図」に付いている「縮尺」によれば、
南北約200キロメートル、東西約150キロメートルのちいさな国です。

主人公の「ぼく」の名前は、ガブリエル(ギャビー)。
著者の名前は、ガエル。なんとなく似ています。

本書は、自伝的小説。
この「ちいさな国」で何が起こったのか、自分の生い立ちに並行して綴られた
歴史小説にもなっています。

「ぼく」はある夫人に出くわし、夫人の家の本棚に誘われます。(194頁)
「これ、ぜんぶ読んだんですか?」と驚く「ぼく」に、夫人は答えます。

「ええ、そうですよ。何度も読み返したものもありますわ。本はわたしの生涯の恋人なの。
笑いや涙や疑いや、考えるきっかけを授けてくれる存在なんです。いまいる場所とはべつの
ところに旅立たせてもくれますし。本はわたしを変えました。べつの人間にしてくれたんです」

「一冊の本には、あなたを変える力がある。あなたの人生さえも。そう、ひと目惚れのように。
運命の出会いはいつ起こるかわかりません。本をあなどってはだめ。本は眠れる精霊ですよ」

そして、内戦の戦闘が激しさを増したため、「ぼく」と妹は急遽フランスへ逃れることになり、
夫人は別れのとき、「ぼく」の背中に
「ぼく」を気遣い「ぼく」をみちびく言葉をかけつづけます。

「本を読み、人と出会い、恋をして豊かになるんですよ。
自分が生まれ育った場所を、忘れてはなりませんよ……」

大人になったある日、夫人が遺してくれた本の詰まったトランクを引きとるために
二十年ぶりに故郷を訪れます。
そして、酒場の奥のすみの暗がりの地べたにうずくまる老女、
「母さん」と再会します。

著者の母親も、隣国ルワンダからの難民だったのです。
ノンフィクション作品よりも、こころにしみる物語でした。
本は、笑いも涙も疑いも、考えるきっかけも読者に授けてくれます。
二作目の小説がたのしみです。
 
 
先ず、文章が独特で美しい。歌の歌詞の如き言葉が織り重なり、そのおかげで、行ったこともないアフリカの国の美しい風景が鮮明に浮かび上がる。少年達の無邪気な青春群像と相まって、読者はある種の旅に出た気分になると思います。その美しい表現ゆえに、旅の結末は、否が応でも強烈に心に響くことになります。帯に書かれているように、多くのフランスの高校生がこれを読んでいると思うと、驚きです。日本でも、ぜひ、多くの人に読んで欲しいと思う一冊です。
 
 
 
今、読まれるべき素晴らしい小説。

主人公の少年は、フランス人を父に、ルワンダ難民を母に持ち、アフリカの小国ブルンジで生まれ育つ。
ブルンジは旧ドイツ領、ベルギー領を経て独立した国で、主人公の周囲の人々は民族的にも文化的にも実に多様だ。
袋道の同級生たちと川遊び、マンゴー採りなど、主人公はアフリカの極彩色の大自然の下、おおらかにのびのびと育っていく。
だが、内戦が勃発。虐殺が始まり、主人公の多数の親戚が犠牲になってしまう。
突然の圧倒的暴力で、主人公の少年時代は強制的に終了となるのである。
友人が敵と味方を単純化し、仕返しを是とするのに対し、主人公が読書により、袋道の窮屈さから自由になり、広い世界観を得るのが印象的だった。「本は人生を変える力がある」というのは著者の実感だろう。(だが、心身とも極限状態で厳しい選択を迫られることになるのだが。)

「幸せはバックミラーにしか映らない」という言葉が出てくるが、穏やかな子どもらしい幸せな時代が二度と戻ってこないという哀しみがそこにある。
本書は、著者の体験を基にした一部フィクションだが、著者は、ブルンジでは白人、フランスでは黒人と感じさせられたそうだ。が、本書を著すことは、みずからのアイデンティティの確率に有益だったことだろう。その点、西加奈子の作品に通じるものがあると感じた。

フランスや英国の場合、旧植民地と言葉が同じでもあり、従来から人の行き来があり、社会に多様性がある。本書はその多様性を垣間見ることができる書でもある。(島国)日本で育つ(若)者に是非、読んでもらいたい書だ。星5に十分値する本だと思う。
 
 
 
作家がもつバッグラウンド(中央アフリカのブルンジ出身、ミュージシャン、フランス人の父)が存分に生かされた物語であり、かつ、今後いつの時代に読んでも感銘を受けると感じる名作。
民族対立を親の教育もあり遠景に感じながらも青春期特有の成長過程を順調に経ていた主人公が、やがて、暴力的に大事に思っていた人や生活をはぎとられる過程、さらに、そのような対立が人間をも変容させていくところが生々しく描かれている。一方、主人公がどうにか現実からの浮揚感や中立を保つための武器として、暴力や銃ではなく、本や知性を選択しているところが唯一の救いであり、それがゆえに本の終盤で起こる出来事のむなしさや絶望感をより強調している。
テーマが重いが、物語そのものは青春物語としての汎用性もあり、さらに作家の言葉がみずみずしくリズム感があることから最後まで一気に読み通せる。特に現在の世界の動きに興味が薄れてしまっているといわれている日本の青少年に、このような知性のフィルターがかかった青少年文学をぜひ読んでもらいたいと感じた。
ところどころに歌が民族を一体化させるというシーンや言葉があり、アフリカ民族土着の感性を感じる。この稀有な新人作家は、音楽や、映像や、においが生々しく感じられる映画的な表現法を1作目にしてすでに体得しているため、訳者あとがきに記載の通り、著者が今後どんな作品を届けてくれるのか、これからの活躍に期待したい。