「心の不調、誰かに伝えて」 コロナ禍・熊本豪雨・芸能人の自殺…、専門家呼び掛け

2020年10月10日 11時22分20秒 | 社会・文化・政治・経済

10/10(土) 12:05配信

熊本日日新聞

相談を受け付ける「熊本いのちの電話」の相談員

 新型コロナウイルスの流行や7月の豪雨により、熊本県内で不安を募らせる人が増える中、このところ、著名な芸能人の自殺が相次いだ。専門家は「県内でも自ら命を絶つ人が増える可能性もあり、ケアが必要」と指摘。相談機関は「不安になったら、いつでも電話してほしい」と呼び掛けている。

 自殺防止に取り組む社会福祉法人「熊本いのちの電話」によると、新型コロナ関連の相談は4月に急増し、同月の受付件数の4分の1を占めた。当時は感染や解雇に関連する内容が多かった。

 ところが、6月ごろからは孤独を訴える内容が増加。「ここに電話しないと人と話すことがなくて寂しい」「大学に入学したが、オンライン授業のみで友達ができず、大学をやめたい」といった声が寄せられた。

 4年半前の熊本地震、ことし7月の豪雨と甚大な被害を受け、加えてコロナ禍に見舞われている県内。「熊本こころのケアセンター」のセンター長で、精神科医の矢田部裕介さん(45)は、災害から一定期間が経過した段階で、気持ちが落ち込みやすい「幻滅期」に入ることに注意を促している。


「幻滅期」に注意を促す「熊本こころのケアセンター」の矢田部裕介さん=熊本市東区

 幻滅期に入るのは生活再建などの見通しが立つようになる頃で、矢田部さんは「熊本地震は今が幻滅期。7月の豪雨も入りかけている」と説明。心が不健康になったサインとして、食欲不振や不眠を挙げる。

 またことし7月以降は、著名な俳優らの自殺が相次いだ。熊本いのちの電話が受け付けた相談の中にも、これらの訃報に触れる内容があった。

 矢田部さんによると、過去には、命を絶った芸能人の後を追うように自殺者が増えることもあった。身近な人が亡くなってしまったような感覚になり、大きなショックを受けるからだという。

 「心が不健康になるのは決して悪いことではなく、誰にでも起こり得ること。身近に相談できる人や場所があるといい」と矢田部さん。熊本いのちの電話は年中無休、24時間体制で相談を受け付けている。相談電話TEL096(353)4343。(緒方李咲)

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コロナの時代の僕ら

2020年10月10日 11時22分20秒 | 社会・文化・政治・経済

コロナの時代の僕ら

パオロ ジョルダーノ(著) 飯田 亮介 (翻訳) 
 
2020年2月から3月のイタリア、ローマ。200万部のベストセラーと物理学博士号をもつ小説家、パオロ・ジョルダーノにもたらされた空白は、1冊の傑作を生みだした。生まれもった科学的な姿勢と、全世界的な抑圧の中の静かな情熱が綾をなす、私たちがこれから生きなくてはならない、コロナウイルス時代の文学。
 

内容(「BOOK」データベースより)

感染症とは僕らのさまざまな関係を侵す病だ。この災いに立ち向かうために、僕らは何をするべきだったのだろう。何をしてはいけなかったのだろう。そしてこれから、何をしたらよいのだろう。コロナの時代を生きる人々へイタリアを代表する小説家が贈る、痛切で、誠実なエッセイ集。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。

出版社からのコメント

「今まさに読まれるべき本」「コロナ後を考えるうえでも有意義」「感染症の科学についてわかりやすく解説されている」など、感想を続々頂戴しています。私たちは今を、そしてこれからをどう生きるべきか。考える助けとなる一冊です。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。

著者について

パオロ・ジョルダーノ
小説家。1982年、トリノ生まれ。トリノ大学大学院博士課程修了。専攻は素粒子物理学。2008年、デビュー長篇となる『素数たちの孤独』は、人口六千万人のイタリアでは異例の200万部超のセールスを記録。同国最高峰のストレーガ賞、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の文学賞を受賞した。

飯田亮介
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリア・ペルージャ外国人大学イタリア語コース履修。訳書にフェッランテ『リラとわたし』『新しい名字』など「ナポリの物語」シリーズ、ジョルダーノ『素数たちの孤独』『兵士たちの肉体』など(以上早川書房刊)。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
 
 
 
 2020/4/24時点、世界のの感染者数が260万人を超え、死者が180,064人。目を背けたくなる数だと思います。
 「コロナの時代の僕ら "Nel contagio"」(パオロ・ジョルダーノ 早川書房)を読みました。
 「素数たちの孤独」を書いた作者が、2020/2月末から書き下ろした感染症に纏わる27のエッセイが収録されています。作者が書き始めた時期、感染症による世界の死者は3,000人に迫っていると書かれています。「過去にもあり、これからも起きるだろう」と薄々思いながらも、現時点での死者の数字は想像していた数を遥かに超えてしまっていますね。
 作者は、「感染症の数学」の中、SIR(感受性人口)が75億人近くもいて、アールノートの重要性に触れ、私たちが生きる地球という「自然」が非線形であることを述べ、そのことが至極当たり前であることを知らしめてくれます。また、にわか仕立ての「知識」、拡散する情報、歪められたメタ・データの中から真理を見出そうとする愚かさ、助け合いの精神が持てないことは、想像力の欠如を示していると嘆きます。本の要約は無意味でしたね。改めます。私たちには、この行政と専門家と私たちの間に相互に横たわる不信感を少しでも拭う努力が必要なのかもしれません。

 そして、特筆すべきはこの透明感のあるエッセイの最後に書かれた「日々を数える」という一篇と「僕が忘れたくないこと」と名付けられたあとがきには、これからも「コロナ以前の時代」に決して戻ることができない私たちへの一つの提案と覚書が静かに示されているように思えます。
 込められた旧約聖書の祈り、忘れたくないことを忘れてしまったら、ふたたび「闇夜のような忘却」に不意を突かれてしまうことすら忘れてしまう。もし、このの最中、自分の行動を変える自信がない私のような怠惰な人間にとって、(いつか忘れてしまうことの予防のためにも)作者が「僕は忘れたくない」と言って与えてくれた提言をひとつの潤いとして受け止められたらと思います。
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2020年4月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毎日新聞で紹介されたこの本が届いた。イタリアの新聞で2月25日に紹介されて大きな反響を呼んだという筆者の記事、『混乱の中で僕らを助けてくれる感染症の数学』

その後著された、2月29日から3月4日までのわずかな日にちに書かれた27編の短いエッセイ。それを、訳者の飯田亮介氏が翻訳し、3月25日の日本発売となったという話題作だ。
届いたその日に数時間で読み終えた。とても読みやすい文章(翻訳)であった。しかし、心が震えていることを感じつつ読んだ。めったにないことだ。たくさんのことを感じた。

イタリアのこの期間のコロナ禍は、今4月末の日本が直面している状態より少し先を行っているが、国の違いこそあれ、政府、専門家、マスコミ、人々の反応はよく似ている。体験したことのない災いを大きく見積もったり小さく見積もったり。

しかし、感染症の専門家の説明より、筆者の数学の方から説明の方がずっと分かりやすいのはなぜだろう。

簡潔だが、人間や人類の本質に言及している。マスコミやSNSで世界と瞬時に繋がっている今、先の見えない大きな災いの入り口に立ち、このような思考ができる若い人がいることに感激。また、この短時間に日本語で読めるようにしてくれた訳者、出版社に感謝。
パンデミックのパニックという言葉は、ギリシャ神話のパン神のことをいい、この神がときどき凄い叫び声を上げる癖があり、その凄まじさに自分まで驚き逃げ出してしまう、そこからの由来だということも初めて知ったが興味深く感じた。

日本版に付け加えられた著者のあとがき(2020.3.20付のイタリアの新聞に掲載された)『コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと』は、エッセイが書かれた時期から約2週間経ったときのものだ。

いわゆるフェーズが変わって、イタリアで死者の数が4000人を越える事態を迎えて書かれたものである。

どれか引用しようと、もう1度読み返すと全てを書きたい気持ちになる。最初の部分だけ引用すると、

…僕らは公衆衛生上の緊急事態のまっただ中にいる。…今度の緊急事態は戦争と同じくらい劇的だが、戦争とは本質的に異なっており、あくまで別物として対処すべき危機だ。危機に対しては、言葉選びがとても大事になる。
…感染症の流行時は、もっと慎重で、厳しいくらいの言葉選びが必要不可欠だ。なぜなら言葉は人々の行動を条件付け、不正確な言葉は行動を歪めてしまう危険があるかだ。…

いつかこの人類の危機の全体像が掴めるようになったとき、論理的で簡潔で文学的な感性に溢れた、この作者の書くものを是非読みたい。

※  自分が付けたタイトルですが、日本語としておかしいかと思い4月28日付けのレヴュータイトルを書き換えました。

イタリアで毎日数百人のコロナ感染の死者数が報じられていたときでしたから、その先何が起きるのかわからない状態の中で、届いた本にどのようなことが書かれているか、私自身バクバクする気持ちで届いた本の活字を追っていました。

読むほどに、筆者が冷静に事態をとらえ、感染症の広がりを数学的に説明し、パニックに陥ることを警戒する静かな描写に、イタリアよりはまだ安全な場にいる私の気持ちが鎮められました。

本を読むことが好きで、気になる書評を目にすると、本をアマゾンレヴューをチェックしてから購入することが多いので、今後も自分が気に入った本のレヴューの言葉、タイトルにも誠実な態度で書きたいと思います。
 
 
 
2020年5月4日に日本でレビュー済み
 
3月2日までミラノにいた。2日前にクリーニング店や一部の中華系のバールが政府令により閉鎖。同週末、ロンバルディア州が閉鎖になるとうわさが流れ多くのミラネーゼがミラノ中央駅から南に脱出した。幸い3月3日に日本に感染することなく帰国。その後自発的に二週間自宅待機を行った。コロナには運よく感染しなかったが この本に対する免疫は低かったようだ。あちらにまだいたなら朝のバールに置かれている掲載されたという日刊紙コリエレテラセラで読んで終わっていたのだろう。要は慌てて買うほどの内容の本ではなかったのだ。本は悪いわけでは無い、皆さんの右向け右の評価を鵜呑みにした自責である。そこに絶賛するほどの深い内容は無い。この手のものはタイムリーであることと読み易さが話題に乗るコツだ。「今でしょ!」つまりそれこそが国境を越えても結構な勢いで売れるベストセラー本の感染力である。アマゾンのタグの「ベストセラー1位」というのもなかなかの濃密感染源だ。作者も言うように感染者の飛沫感染に巻き込まれないようにするには まず感染経路をしっかりとみずから確認すべきだ。ここでの幾人かのレビューの誇張された評価の書き方によって結構なクラスターが生じている。残念ながら私はそれにあたって感染したわけだ。考えてみてくれ、事態が収束してるわけでも無く、わからないことが多いこの状況にあって中身の濃いものを書けるわけもない。
また昨今のニュースに出てくる指数関数的という言葉の意味をちゃんと知っている人ならここに書かれていることは驚くに当たらない内容である。よって評価は☆5ではない。多分2~3、そこに客観的な警鐘を鳴らす意味合いで今回☆は1つとした。最後にイタリアの名誉のために一言 恐らく時間を置けばこれより遥かに深い内容で今回の事象に触れられるであろう有能な作家はたくさんいる。
 
 
人は忘却の生き物。喉元を過ぎれば熱さも忘れてしまうのだから、歴史は何度でも繰り返される。新型コロナウィルスによって生活を一変させられてしまった私たちは、もう元の世界には戻れないことに気が付き始めている。リモートワークが当たり前になった3年後、果たして、通勤電車に鮨詰めだった頃を思い出すことができるだろうか。

物理学を専攻した作家、パオロ・ジョルダーノ氏はこの危機を「忘れたくない」と繰り返す。だから2月29日からの数日間の記録である本書には、氏のリアルな思考と感情が刻まれている。日本と同じように、イタリアでも政府に対する憤りは大きい。この先、平時を取り戻すことができたとしても、今の無策を忘れてはいけない。

そして、「何に元どおりになってほしくないのか」を考えよう、という。もう満員電車に乗りたくないだけではなくて、いくつかの国では政権が入れ替わるに違いない。私たちは100年前のスペイン風邪から何を学んだのだろうか。今を見失わないために、定期的に読み返したい一冊である。
 
 
 
コロナウィルスの不安が切実に続く間に読むことをお勧めします。
文章自体は短くやさしく、すぐに読めます。世界は繋がっていて、ウィルスの広がりかたをクリアに理解できるだけでなく、繋がりに気付けていなかったことにも気付かせてくれます。

特に印象的だったのは、森林火災に代表される環境破壊で居場所が減るウィルスは、宿主を探して変異や拡大を続けるが、絶滅する種がいる一方で未だ増加している人間は格好の棲家になるという主張。

もうひとつは、あとがきとして収録されている「コロナウィルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」という素晴らしい文章です。
ウィルスの不安や驚きに満ちた緊急事態のいまだからヒリヒリと感じられることを、落ち着いたら私たちは、たちまち忘れてぼんやりしてしまうと著者は予測し警告します。
力強い言葉で語りかけてきます。私も忘れたくないことリストを作ろうと思います。
 
 
 
 
 
 
 

「韓国人はなぜ日本を嫌うのか」についてのある一つの答え

2020年10月10日 11時20分17秒 | 社会・文化・政治・経済

偏見はなくならない
佐藤 優作家


「韓国よりも格下」という価値観

本書で11冊目となる『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズは、池上彰氏による世界年鑑だ。新型コロナウイルスによる感染症がパンデミックに発展したことでグローバル化に歯止めがかかりつつある。この状況をわかりやすく説明している。


池上氏は、〈相手を理解するには、その国の人の宗教観や世界観に立たない限り「なぜそう考えるのか」が理解できません。これが「内在的論理」を理解するということです。世界のさまざまなニュースの裏にはさまざまな国の歴史や文化、哲学があります。違いを知ろうとしてほしいと思います〉と述べる。

評者も相手の内在的論理を知るというアプローチが世界を理解するために不可欠と考える。もっとも相手の内在的論理を知ることは、その論理を受け入れることを意味するものではない。例えば、韓国の対日感情についてだ。

〈韓国で使われている中学校の歴史教科書の日本語訳を見ると「日帝(日本帝国主義)の蛮行は世界史に前例のないことだった」と書いてあります。世界史を見れば、ヨーロッパの植民地政策は、多数の蛮行を伴っていました。日本の植民地政策を擁護するわけではありませんが、「世界史に前例のないこと」ではなかったのです。

考えてみると、朝鮮戦争のときには中国軍が北朝鮮軍を支援して韓国に攻め込みました。韓国人が大勢殺されたにもかかわらず、中国に対しては何も言いません。謝罪を要求することなど一切ありませんでした。

つまり根底にあるのは「中華思想」から抜けられないということでしょう。「中華」とは「中国が世界の真ん中」という意味です。中華こそが文明国であり、ほかは野蛮な国だという考え方で、中華から離れた土地へ行けば行くほど野蛮度が高くなります。

朝鮮は中華の傍で一生懸命に漢字を学び、漢文を読み、儒教の教えを継承してきました。中国の隣に位置する自分たちの国を「小中華」と考えていたのです。自分たちは中国よりはワンランク下だけど、さらにその先の島国の日本は自分たちより格下です〉。

池上氏が指摘するように韓国の中国観は甘い。さらに朝鮮戦争中、米軍は朝鮮半島各地で共産勢力一掃との口実で虐殺を行ったが、その事実についても韓国ではあまり強調されない。

これに対して北朝鮮は米軍の残虐行為を強調する。もっとも中国軍の非人道的行為について北朝鮮は一切口をつぐんでいる。同じ出来事でも現在の政治的立場で評価は大きく異なるのだ。「小中華」を切り口にすると韓国の対日観の特徴が見えてくる。

〈その格下の国に侵略され、占領されたという過去の歴史は屈辱的であり、とても受け入れ難いのです。韓国の朴槿恵前大統領は「加害者と被害者という立場は、1000年経っても変わらない」と言いました。この「恨」の思想が朝鮮文化にはあるのです〉。

日本人が韓国人の「恨」の文化を理解することは重要だ。しかし、「恨」の歴史観を共有することはできないし、またその必要もない。

朴槿恵前大統領(Photo by Getty Images)
コロナパニックで黄禍論が復活した

コロナ禍との関係で、日本人を含むアジア人に対する人種的偏見が高まっていることに池上氏は警鐘を鳴らす。

〈新型コロナウイルスの感染者は最初に中国で発生したことから、アメリカではアジア系女性が相次いで襲われる事件が発生しました。ニューヨークでは、マスク姿の韓国人女性が「病気の女め!」などと暴言を浴びせられ頭を殴られたり、逆にマスクをしていないという理由で、20代の韓国人女性が暴行されたりという被害に遭いました〉。

酷い話だ。アメリカ人の行き場のない苛立ちと怒りが人種差別という下劣な形になって現れるのだ。日本人も攻撃の対象になっている。

ナ」とからかわれ、その様子をスマートフォンで撮影するふりをしたらいきなり髪の毛を引っ張られるなどの嫌がらせを受けたのです。

フランスでは、パリ郊外にある日本料理店が「コロナウイルス、出て行け」という差別的な落書きをされました。ドイツにおいても、サッカー・ブンデスリーガの試合を観戦に訪れていた日本人グループが、試合開始15分の段階で警備スタッフから強制退場を求められたという事件がありました〉。

池上氏自身もこのような偏見を体験した。

〈実は私も、まだ感染者が拡大する前にキューバにテレビのロケで訪れたのですが、我々テレビクルーを見たキューバの女性たちが、私たちを指して「コロナ、コロナ」と囃し立てました。悲しい経験でした。横浜港に入港し、集団感染が確認されたクルーズ船のイメージが世界に広まり、新型コロナウイルスのイメージが刷り込まれたのでしょうか〉。

池上氏は、このようなアジア人に対する差別を過去、欧米で深刻だった「黄禍論」とのアナロジー(類比)で解釈する。

〈ここで私が思い出したのが、「黄禍論」という黄色人種に対する人種差別です。19世紀から20世紀にかけて、欧米で中国人や日本人などの黄色人種に対する差別が燃え盛りました。日清戦争や日露戦争での日本の勝利を見た白人たちが、「黄色人種の脅威」を訴え、差別が広がったのです。新型ウイルスパニックでまた黄禍論が復活したような格好です〉。

日露戦争(1904~'05年)のときにロシアが日本の脅威を訴えるために「黄禍論」を宣伝した。その影響は北米大陸にも及んだ。第一次世界大戦後、日本が急速に国力をつけるとアメリカで急速に「黄禍論」が拡大し、日系アメリカ人が不当な差別を受けた。コロナ禍との文脈でトランプ米大統領の白人至上主義が「黄禍論」を甦らせたのだ。

『週刊現代』2020年6月27日号より

 

 


給付金の不正受給、自主返金したら「詐欺罪」には問われない?

2020年10月10日 10時37分56秒 | 事件・事故

10/7(水) 19:05配信

弁護士ドットコム

新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた個人事業主などを支援する「持続化給付金」をめぐり、不正受給が相次いでいることを受けて、経済産業省・中小企業庁がこのほど、自主的な返還を呼びかけた。

中小企業庁が不正受給の疑惑について調査をはじめる前に、自主的に返還すれば、加算金などのペナルティは課さないという。これによって、刑法の「詐欺罪」に問われることもなくなるのだろうか。

●7月下旬、大学生が逮捕された事件があった

「持続化給付金を返還したい」。こんな申し出が殺到しているようだ。中小企業庁によると、実は当初から返還に関する相談はあったという。

「申請できていないと思って、二重で申請してしまったケースや、13万円とするところを130万円と入力するなど、桁を間違えてしまったケースなどがありました」(同担当者)

要するに、間違えて金額が多くなってしまったので返還したい、というものだった。

ところが7月下旬、給付金を不正受給した疑いで大学生が逮捕された事件をきっかけに流れが変わった。以降は「自分も不正受給してしまったかもしれない」という内容が増えていったという。

こうした返還の申し出が増えているため、受付はしているものの、返金手続きの一部が停止されている。申し出の件数は公表されていないが、担当者は「少ないなら混乱しない」と話す。

●「捜査がすすめられる可能性はある」

こうした状況の中で、経済産業省・中小企業庁は自主的な返還を呼びかけた。

そもそも、不正受給の疑惑があった場合、中小企業庁が調査したうえで、不正があったかどうかを判断する。

もし不正受給だと判断した場合、給付金と延滞金、さらにその合計の2割に相当する額(加算金)を加えて返還請求する。不正の内容が悪質だった場合には刑事告発する。

今回、中小企業庁は、まだ調査がはじまる前に、自主的に返還を申し出た場合、加算金などは課さないという方針だ。刑事上の責任もなくなるのだろうか。

「これまで持続化給付金の不正受給で逮捕されているのは『詐欺罪』です。不正の意図をもって受給された人は、形式的には詐欺罪が成立しています。返還のいかんを問わず、警察の捜査がすすめられる可能性はあります」(担当者)

自主的に返還した人を刑事告発するようなことはあるのか。

「『この人から自主的な返還があったので捜査してください』と能動的に働きかけることはありません。返還を希望される人にもいろいろな事情があります。(今回の措置も)"不正な意図があった"というのを前提にしているものではありません」(同)

●「持続化給付金の不正受給は犯罪です!!」

今回の措置に先立って、経済産業省は「持続化給付金の不正受給は犯罪です!!」と注意喚起している。不正受給として、次のような例が示されている。

・事業を実施していないのにもかかわらず申請する

・各月の売上を偽って申請する

・売上減少の理由が新型コロナウイルスの影響によらないのに申請する

持続化給付金を不正受給した人から相談を受けている上原幹男弁護士は、弁護士ドットコムニュースの取材に「まず、自分がやったことが、不正受給かどうかを確認すべきです。役所に聞いても、弁護士の無料相談会で聞いてもいいです。その結果、不正受給だとわかったら、返還してください。警察に自首する場合は弁護士に相談してください」と話している。

弁護士ドットコムニュース編集部


なぜ、持続化給付金詐欺はここまで広がったのか!? 後悔する受給者たち。ノーブレーキな給付開始も一因。

2020年10月10日 10時34分37秒 | 事件・事故

多田文明 | 詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
10/2(金) 20:30

今、新型コロナの影響で収入が減った個人事業主へ支給される100万円を騙し取る、持続化給付金詐欺の実態が、次々に明らかになっています。

兵庫県警により、男3人が詐欺容疑で逮捕された事件では、持続化給付金の手続きサイトで新型コロナの影響で前年度より売り上げが減ったとの嘘の申請を170件以上行い、被害額は1億7千万円にも上っています。

愛知県警に逮捕された男3人による不正な給付金の申請数は、当初400人でしたが、捜査の進展とともに他人名義での申請が約800人に上る可能性も出てきており、こうなると被害は8億円です。

京都府警が逮捕した男らは、新型コロナの影響で空き部屋になっている京都の民泊をアジトにして、不正申請がバレないよう場所を変えながら、数千万円もの不正受給を行っていました。また、警視庁が詐欺の疑いで逮捕した男ら3人が虚偽申請した数は100人以上で、被害は1億円を超えています。

もっとも数が多いのは沖縄県で、虚偽申請に税理士も関わり、なんと不正受給の数は1800人。18億円もの不正受給が行われたわけですが、この背後には反社会勢力の関与も疑われています。

これからも続々、不正受給の実態は暴かれていくことでしょう。

2020年の上半期の振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害総額は、詐欺対策が徹底されることにより、前年度より約23億5千万円減りましたが、上記の不正受給の数字を単純に足しただけでも2900人以上が犯罪に手を染めて、被害額は29億円を超えています。
特殊詐欺の犯人らを警察が逮捕して被害が引っ込んできたと思えば、今度は持続化給付金詐欺がひょっこり顔を出てくるような、モグラ叩きの状態に虚しさを覚えます。

なぜ、持続化給付金詐欺はここまで広がったのでしょうか。
詐欺が広がった理由のひとつに、騙しの組織化があります。

不正受給の絵図を描いて、申請方法を教える指南役、SNSや口コミで広める勧誘役、不正申請に応じる人たちの三位一体の構図が被害を大きくしました。これは悪徳なマルチ商法の勧誘でも使われる手法ですが、それぞれが役割を分担して効率的に行うことで、契約などの成功率をあげられるようになっています。

今回の場合、詐欺の手足として、身分証や銀行口座等の名義を貸した人たちの存在が、大きいと考えます。

もし誰も名義を貸さなければ、被害はここまで広がらなかったはずだからです。後にも述べますが、ここには、給付開始段階の行政側の対策不足が存在します。

勧誘役はSNS上で「簡単な申請で、お金が受け取れるよ」「みんなもやっているし、捕まらないから大丈夫」といった甘い言葉を囁き、申請者を募ります。特に、その言葉を鵜呑みにして悪事に手を染めた若い世代の不正受給が目立ちます。
これまでも、フェイクニュースを確かめずに、SNSに拡散するなどの問題がありましたが、情報の確認、精査をせずに、安易に飛びついてしまうような人たちが真っ先に狙われたわけです。

被害が広がったもう一つの要因に、行政側の注意喚起の仕方にも問題がありました。

持続化給付金は、コロナ禍で資金繰りに困っている事業者への素早い支給のために、必要書類をそろえて申請すれば、すぐに給付金が支給される仕組みです。非常時では致し方ないことかもしれません。しかし厳格な審査がなく、手続きを簡単にするのであれば、
悪意ある者たちをいかに排除するかという「ブレーキ」をかけなければなりません。
そのひとつが「不正受給は犯罪である」という注意です。

こんなこと言わなくてもわかるだろうという人もいるかもしれませんが、今の時代は性善説が通じる時代ではなく、「犯罪者がくる」という想定で物事を進めなければなりません。

指南役や勧誘役は積極的に悪事を働こうするものですから、止めようがありませんが、その甘い言葉にのってしまう人をいかになくすのかが、被害防止の観点では重要になります。

今回、犯罪意識が希薄なまま、手を染めてしまった若者らは、スマートフォンから情報を集る傾向があります。とすれば、支給開始と同時にネットで大々的に「事業者でもない受給資格がない人が偽って申請をすることは詐欺」との注意を徹底させる必要がありましたが、その形跡はみられません。

給付というアクセルだけを踏むことに重きを置き、「不正受給は犯罪である」という防犯のブレーキがかからない状況では、不正受給の暴走が起こってしまうのは自明です。

そして、今、不正受給をした若者の多くが、犯罪をしたことに後悔の念を抱いています。

確かに、持続化給付金申請サイトの宣誓・同意事項には「入力必須事項及び証拠書類等の内容が虚偽でないこと」にチェックを入れることになっており、調査によって不正受給と判断された場合には「申請者の法人名等を公表。不正の内容が悪質な場合には刑事告発」の記述もみられます。しかし、これだけでは手足となって不正を行う者たちの行動を止めるには不十分です。お役所的な文言での訴えでは、インパクトがないからです。

一方、詐欺を行った首謀者の一人は、LINEを通じて数百人の申請者を募っていました。
その手口は巧みで、まず「得する情報」との言葉で人々の興味を引かせ、さらに「今週は〇〇人がお金を受け取りました」「残り〇〇人になったら、申し込みは終了します」という煽るような文面を送り、人々を集めていたのです。
お役所的な注意と、この募集アピールのどちらに、若者たちがなびいてしまうか、よくわかるかと思います。

7月に国民生活センターから、注意喚起がなされる。
不正受給の実態は、ようやく7月に入って国民生活センターから、公表されました。同センターでは、被害の情報集約をしてから、注意喚起するので、これが精いっぱいです。

本来はもっと早く、5月の給付手続き開始と同時に、行政の側から、不正受給への強い警告を打ち出す必要がありました。

特殊詐欺については、「犯罪者がくる」という視点で、国をあげて特殊詐欺への警戒が呼び掛けられているのに、不正受給については「受け取った後は、厳格なチェックがなされて、不正は必ず暴かれる」といった強いメッセージが訴えられてこなかったことは、極めて残念なことです。

弱々しい注意喚起はダメ
注意喚起といっても、弱々しい、インパクトのないものでは、若い世代には響きません。
たとえば、「不正受給は、詐欺にあたる可能性があります」というもの見られますが、これでは効果はほとんどないでしょう。

逆に、これを聞いた詐欺師は、次のように触れ回るに違いありません。

「詐欺の可能性があるだけだから、大丈夫だよ。みんなやっていることだしね。」
現実的に、不正申請を行っても詐欺に問われないこともあるのかもしれませんが、注意をする上では「可能性」をつけてしまうと、詐欺師に揚げ足を取られてしまいます。

注意喚起する時には、ガツン!と告知する。

「不正受給は、詐欺行為です!」「詐欺に問われます!」とはっきりいわなければ、犯罪の抑止効果にはなりません。

その点、特殊詐欺の対策は徹底しています。
高齢者への注意に「キャッシュカードを渡してといわれたら、詐欺です!」こうした言いきりでの文句が目立ちます。
ぼかしたようなもの言いは、あまり役にたたないのです。

今の時代は、詐欺犯との情報戦です。いかに犯罪者が提供する以上の防犯情報を伝えられるかが問われています。
今回は、完全に詐欺犯との情報戦において、国が負けてしまっています。

8月に入り、ようやく経済産業省から「持続化給付金の不正受給は犯罪です!!」というインパクトある警告が出されました。

出典 経済産業省HPより
出典 経済産業省HPより
私の思いは「やっと、今ですか」です。それに、今回、この告知を初めて見たという人が多いのではないでしょうか?

これを5月の支給開始時期に、犯罪防止のブレーキとして、大々的にネットで出してくれていたら、ここまでの不正受給の広がりにはならなかったと思うのです。


ゲリラ化する組織犯罪の手口!多発する高齢者を狙う点検強盗事件、なぜ逮捕リスクのある在宅時を狙うのか?

2020年10月10日 10時31分48秒 | 事件・事故

多田文明 | 詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
10/10(土) 9:00

ガス点検を装って家に押し入る事件が頻発していいます。

9月23日、東京都足立区の集合住宅に住む70代男性宅に「ガスの検針です」と業者を装った2人の男がやってきました。室内に通すと、男らは高齢男性の手足を粘着テープで縛り、財布から31万円を抜き取り、さらにキャッシュカードを奪い逃走しました。

前日にも世田谷区で、ガス点検業者を装った男2人が80代高齢夫婦宅へ押し入り、手足を粘着テープで縛り、6万5000円を奪っています。

8月から、ガス等の点検を装って家を訪れての強盗事件が東京、神奈川など首都圏近郊で起こっています。

共通しているのは、高齢者宅を狙い、点検業者を装った2人組がやってきて、家人に扉を開けさせる。室内へ入り込むと、相手の手足などを粘着テープで縛り、金品を強奪するところです。ここから、ある存在がみえてきます。

特殊詐欺では、高齢者の名簿をもとに電話をかける「架け子」や、自宅にお金やキャッシュカードを取りに行く「受け子」に対して、犯行マニュアル(手順書)を準備して、詐欺の成功率を高めようとしますが、今回の強盗においても、判で押したような手口から、犯行マニュアルの存在が伺われます。

今月8日には、点検窃盗事件も起きています。

80代男性宅に電気の点検を装った2人組がやってきて、まず家に上がりこむと、家人を付き添わせながら、1人がブレーカーを点検するふりをします。その間に、もう1人が家に置いてある200万円の入った金庫を盗みました。おそらく、この家に現金入りの金庫があることを知った上の犯行でしょう。
この点検を口実にした窃盗は、今年初めにも都内で多発しており、”訪問盗”とも呼ばれます。
その時と違うのは、手持ちの金を狙うのではなく、用意周到に金庫を狙っているところです。より進化した点検窃盗には注意が必要です。

在宅確認の電話をしてからの犯行も
8月27日、川崎市の60代女性の家に、「ガスの点検にきました」と業者を装った男がきて、室内に招きいれると女性の手足を粘着テープで縛り、刃物を突き付け、14万円と複数枚のキャッシュカードを奪っています。
実は、この家には、当日に「ガス点検に行きますが、いらっしゃいますか?」という電話がかかってきています。

金品を奪うだけなら、本来、逮捕されるリスクを減らすために、電話をかけて家に誰もいないことを確認してから、空き巣に入る方がよいはずです。ところが、わざわざ電話をかけて、在宅時を狙ってやってきています。これこそが今回の犯行の特徴です。

振り込め詐欺では、本人の在宅時に息子を騙った人物が電話をかけて、言葉巧みに騙し、家を訪れて現金を騙し取ります。まさに先の点検強盗はその応用編であり、これまで特殊詐欺を行っていた犯罪グループの手口の延長線上にあるものといってよいでしょう。

なぜ、あえて在宅時を狙うのでしょうか?
その理由は、大きく二つあると考えます。

一つ目は、キャッシュカードを奪うことで、家にある現金以上のものを取ろうとするためです。

昨年の特殊詐欺の被害では、家に来て現金を取るよりも、キャッシュカードを詐取する方が多く発生しました。当然ですが、カードを取っただけではお金を引き出せませんので、「暗証番号」を知る必要があります。
これまでは言葉巧みに電話や訪問時に「暗証番号」を聞き出していましたが、最近は「暗証番号は教えない」という特殊詐欺の対策が徹底されて、それが難しくなっている事情もあり、強盗という手段で相手に暴力を加え、暗証番号を聞き出すという荒っぽい手口に出てきていると思われます。

二つ目の理由は、犯罪組織の上から指示されているから行っているという単純な理由です。

すでに強盗犯の一人が捕まっていますが、この人物はテレビドラマにも出演経験のある、元タレントの男でした。多額の借金を背負い、お金に困っていたということです。得てして、こうした強盗に手を染める人たちは、コロナ不況もあって仕事を失い、金銭的に窮しています。そうした事情につけこんで、組織的犯罪グループは実行犯を誘います。

これまで闇バイトの募集をしているリクルーターらの話を聞いてきたのでわかりますが、彼らは「うちのメンバーで逮捕されている人はいない。捕まらない対策をしているから大丈夫」と電話をかけてきた人たちを安心させてきます。しかし、嘘です。確かに、強盗直後には逮捕されませんが、今回のように捜査が進めば、間違いなく逮捕されます。

ただし、実行犯の逮捕は組織の側は織り込み済みです。というのも、奪い取ったお金さえ足がつかないように回収できればよいのですから。結局、強盗犯らは、犯罪の手足として利用され、逮捕という形で使い捨てられて終わりなのです。

強盗被害に遭わないために知っておいてほしいことがあります。

まず、突然の訪問で「点検させてほしい」と言われても、絶対に家に入れてはいけません。

点検をする業者のほとんどは、事前にポストに「お知らせの用紙」を入れて、告知してから訪問します。それでも、突然に点検業者がやってくることもあるかもしれません。その時には、まず相手の身元を確認して、自分の使用するガス会社に電話をして確かめるようにしてください。

点検業者を追い払ったと思っても安心してないでください。

ガス会社を装って東村山市の高齢夫婦宅を訪れた事件では、男らがインターフォンを押して「点検に来ました」と説明しましたが、家人は不審に思い断りました。ここまではよかったのですが、犯人は無施錠の玄関から室内に押し入ったのです。この時は、幸いにも同居する息子がやってきて事なきを得ました。

町田市の80代女性宅には、自治体職員を装った男2人組が「新型コロナウイルスの調査」を装って訪問してきました。女性はインターフォン越しに断ったのですが、鍵のかかっていない窓から侵入され、通帳などが奪われています。

このように、断っても隙があれば、押し入られてしまいます。
追い払ったと安心せずに、不審人物が訪れた直後には、必ずすべての窓、玄関に鍵をかけ、戸締りをするようにしてください。

それに、やってくるのはガス点検とは限らない、ということも心得ておいてください。先の事例のように新型コロナアンケートや、消防署、電気会社を装うこともあります。

以前は、詐欺の事前電話(アポ電)をかけてからやってくるのが、一般的でした。相手の資産状況を把握してから押し入られるために、アポ電強盗による被害は数百万円、数千万円と高額でした。しかし今は、電話なしの突然の訪問強盗も多く発生しています。

今、神出鬼没のゲリラ戦略に出て、高齢者の手持ちのお金とキャッシュカートを奪おうとしてきています。

不審な訪問が来た、あるいは見かけたら、110番に通報するのはもちろんのこと、近所にも連絡を取り、防犯態勢を取ってください。
なぜなら、高齢者の名簿をもとに地域を回っている可能性があるからです。

今、Go Toトラベルキャンペーンなどで出かける人たちが増えてきているとはいえ、新型コロナに感染した場合に死亡率が高くなる高齢者はやはり外出を控える傾向にあります。高齢者の在宅率が高まるなかで、詐欺の電話や強盗などの犯罪を受けやすくなっているのです。

狙われているのは高齢者ですが、息子が同居している家も襲われており、いつ私たちの身にやってくるのかわからない状況なのです。

2001年~02年まで、悪質商法に誘われたらついていく雑誌連載を担当。これまでのキャッチセールスなど勧誘先への潜入数は100ヶ所以上。

20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通している。連載をまとめた「ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化し、2011年までゴールデン枠の特番で第8弾まで放送。その他、情報・バラエティー、報道など多数の番組に出演し、被害防止の為のた講演、講座も数多く行う。

2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に「だまされた!だましのプロの心理戦術を見抜く本」(方丈社)がある。


「上級国民」大批判のウラで、池袋暴走事故の「加害者家族」に起きていたこと

2020年10月10日 10時27分38秒 | 事件・事故

10/9(金) 7:02配信

現代ビジネス
加害者家族の人生も激変

10月8日、東京地裁。2019年4月19日、東京・東池袋で当時87歳の被告人が運転していた車が暴走し、2名が死亡、9名が負傷する大惨事となった「池袋暴走事故」の初公判が開かれた。

 「はじめに、今回の事故により奥様とお嬢様をなくされた松永様とご親族の皆様に心からお詫び申し上げます。最愛のお二人を突然失った悲しみとご心痛を思うと言葉もございません。また、お怪我をされ苦しまれた方々とご親族の皆様にも深くお詫び申し上げます。起訴状の内容については、アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶しており、暴走したのは車に何らかの異常が生じたため暴走したと思っております。ただ暴走を止められなかったことは悔やまれ、大変申し訳なく思っております」

 被告人は罪状認否でこのように述べ、過失を否定した。

 「なぜこんなことになったのか、これからどうしたら良いのか……」

 2019年4月下旬、筆者が代表を務めるNPO法人WorldOpenHeartの「加害者家族ホットライン」に、父親が運転していた車が事故を起こし、多数の被害者を出してしまったという家族から電話が入る。

 被害者の方々の容態が心配で、車に同乗していた母親も生死にかかわる重傷だという。何日も食事が喉を通らず全く眠れていない。言葉は少なく、憔悴しきっている様子が伝わってきた。

 精神的に相当追い詰められている相談者に対し、筆者は精神科に行くよう促し、無事を確認するため何度か電話を入れていた。相談は匿名で、事件の詳細をあれこれ聞くことはしない。相談者が、「池袋暴走事故」の加害者家族だと判明したのはだいぶ後のことだった。

バッシングに苦しむ日々
 「正直、逮捕してもらいたかったです……」

 家族はそう話す。

 被告人が逮捕されなかったのは、旧通産省の官僚だったからだという「上級国民」バッシングが始まった。ネット上では、「死刑にすべき」といった厳しい批判や被告人への罵詈雑言で溢れ、被告人の自宅には嫌がらせの電話や手紙が届くようになった。バッシングは被告人だけにとどまらず、「家族も同罪」「家族も死刑」といった書き込みもあった。

 危険なのは塀の中より社会である。家族にとっては、被告人が警察署内に拘束されている方がよほど安全で気が楽なのだ。

 ところが、ネット上では加害者の不逮捕に家族も関係した可能性があるという憶測が飛び交っていた。被告人は事故発生直後、「救急車が到着する前」に息子に携帯電話をかけていたと報道された。

 しかし、実際、息子が電話を受けたのは事故から55分後だった。この報道によって、被告人が息子に揉み消しや不逮捕を依頼したのではないかという疑惑が生じたようである。

 本件を報じるテレビ番組では、「フレンチに遅れる」といった「上級国民」を強調するテロップが使われバッシングは過熱したが、被告人が向かっていたのは、遅れても構わない馴染みのごく普通の小レストランであり、「フレンチ」という表現には違和感があるという。

 「医師から運転を止めるように言われていたにもかかわらず運転していた」など、悪質性を裏付ける報道が続いたが、そのような事実はなく、車を擦ったりぶつけたりといった家族が不安になるような問題も起きてはいなかった。

 それでも加害者家族は、罪を犯しても逮捕されない卑怯な「上級国民」として形成されつつある世論に抗う術はなかった。報道陣は家族のところも来たが、加害者家族の立場で発言しても揚げ足を取られ、さらにバッシングが酷くなるとしか考えられず沈黙を貫くほかなかったのである。

「なぜこんなことになったのか、これからどうしたら良いのか……」

2019年4月下旬、筆者が代表を務めるNPO法人WorldOpenHeartの「加害者家族ホットライン」に、父親が運転していた車が事故を起こし、多数の被害者を出してしまったという家族から電話が入る。

被害者の方々の容態が心配で、車に同乗していた母親も生死にかかわる重傷だという。何日も食事が喉を通らず全く眠れていない。言葉は少なく、憔悴しきっている様子が伝わってきた。

精神的に相当追い詰められている相談者に対し、筆者は精神科に行くよう促し、無事を確認するため何度か電話を入れていた。相談は匿名で、事件の詳細をあれこれ聞くことはしない。相談者が、「池袋暴走事故」の加害者家族だと判明したのはだいぶ後のことだった。

「上級国民」大批判のウラで、池袋暴走事故の「加害者家族」に起きていたこと

家族は「逮捕してもらいたかった」と話す

バッシングに苦しむ日々

「正直、逮捕してもらいたかったです……」

家族はそう話す。

被告人が逮捕されなかったのは、旧通産省の官僚だったからだという「上級国民」バッシングが始まった。

ネット上では、「死刑にすべき」といった厳しい批判や被告人への罵詈雑言で溢れ、被告人の自宅には嫌がらせの電話や手紙が届くようになった。バッシングは被告人だけにとどまらず、「家族も同罪」「家族も死刑」といった書き込みもあった。

危険なのは塀の中より社会である。家族にとっては、被告人が警察署内に拘束されている方がよほど安全で気が楽なのだ。

ところが、ネット上では加害者の不逮捕に家族も関係した可能性があるという憶測が飛び交っていた。被告人は事故発生直後、「救急車が到着する前」に息子に携帯電話をかけていたと報道された。

しかし、実際、息子が電話を受けたのは事故から55分後だった。この報道によって、被告人が息子に揉み消しや不逮捕を依頼したのではないかという疑惑が生じたようである。

本件を報じるテレビ番組では、「フレンチに遅れる」といった「上級国民」を強調するテロップが使われバッシングは過熱したが、被告人が向かっていたのは、遅れても構わない馴染みのごく普通の小レストランであり、「フレンチ」という表現には違和感があるという。

「医師から運転を止めるように言われていたにもかかわらず運転していた」など、悪質性を裏付ける報道が続いたが、そのような事実はなく、車を擦ったりぶつけたりといった家族が不安になるような問題も起きてはいなかった。

それでも加害者家族は、罪を犯しても逮捕されない卑怯な「上級国民」として形成されつつある世論に抗う術はなかった。報道陣は家族のところも来たが、加害者家族の立場で発言しても揚げ足を取られ、さらにバッシングが酷くなるとしか考えられず沈黙を貫くほかなかったのである。

家族が犠牲になる

行き場のない処罰感情の犠牲になる家族

「被害者やそのご家族の気持ちを思うと居たたまれない」

本件の加害者家族と話をするにあたって、被害者を気遣う言葉が出なかったことはない。親子を見るたび事故のことが思い出され、胸が詰まる思いだという。

車に同乗していた母親は、ICUに20日間入る大怪我を負った。命はとりとめたものの自らを責め続け、悲嘆にくれる毎日を過ごしている。

母の様子を見るたびに、事故で怪我をされた被害者とその家族も、相当に辛い思いをされていると思い心が苦しくなるという。

「あの事故を忘れた日はありませんし、これからも永遠に忘れることはありません」

加害者家族もまた人生を狂わされ、重い十字架を背負うことになってしまった。家族として、事故を起こした父親に対して怒りが抑えられなくなる瞬間もあるという。

加害者家族が命を絶つケースも…

2018年1月9日、車の暴走によって高校生一人が死亡、一人が重傷を負った事故の一審・前橋地裁で無罪判決を受けた当時85歳の男性が、家族の意向により、控訴審で有罪を主張するという異例のケースも報道されている。

この背景には、加害者家族に向けられる終わりなき社会的制裁が少なからず影響している。

加害者が高齢者で被害者が若年者であった場合は特に、世間の処罰感情は強く、加害者が厳罰を逃れるならば、代わりに家族が制裁を受けるべきというようにその矛先は家族へと向けられる。

甚大な被害に対して、誰かが相応の責任を取らなければ収まらない世間の処罰感情に応えるように、加害者家族が自ら命を絶つケースもあり、世の中は事件の幕引きを図ってきたのだ。

しかし、加害者家族が代わりに罪を引き受け犠牲になることは、一時的な世間の処罰感情を満たすだけであって事件の本質的な解決にはならない。

本件において、被告人の子どもたちは被告人に対して、影響力を有する関係にはなかった。被告人は一般的には高齢であるものの自立した生活を送っており、子どもたちがコントロールできるような親ではない。したがって、被告人の言動に対して子どもたちにまで責任があるというには無理がある。

「上級国民」バッシングは、近年、加速しているように見える格差社会の間で無力感に苛まれている人々の復讐であり、不満の捌け口にもなっている。

しかし、家族も含む加害者側への行き過ぎた制裁は、「被告人はすでに社会的制裁を受けている」という減刑の材料にもなり、厳罰化の主張に対して逆効果を招くことさえあるのだ。

社会に求められる役割とは?

再発防止に向けて何ができるか

近年、高齢者ドライバーによる死亡事故が社会問題化し、メディアも大きく取り上げる機会が増えたことから、高齢者と暮らす家族の緊張感も高まっている。事故が起こると必ず、「家族はなぜ止めなかったのか」という議論になり、家族に社会的制裁が及ぶからである。

しかし、家族連帯責任によって事故抑止を図ろうとするならば、家族関係は悪くなり家族間の暴力や虐待といった別の問題が生じるリスクを伴う。現実として、家族が日常生活のすべてを管理することは不可能に近いのである。

「何度言っても親は運転をやめない」

という悩みを抱える家族は少なくないが、子どもの言うことを素直に聞く親など稀である。医師から助言してもらうか、一定の年齢以上運転免許を停止する法律を制定するほかない。公共交通機関が未発達で、タクシーもほとんど通らないような地域もあることから、全国一律ではなく地域の実情に即した政策が求められる。

事件を風化させることなく、再発防止に向けた教訓を導くこと――それが今、社会に求められている役割である。

 

 

 


 

 

 


《8人を失神させ強制性交》座間9人殺害・白石被告が購入した「ニンニク」と猟奇的ネット履歴

2020年10月10日 06時59分53秒 | 事件・事故

西川 義経 2020/10/06 文春オンライン

 3年前、世間を震撼させた、神奈川県座間市のアパートで若い女性8人と男性1人の計9人の頭部遺体が見つかった事件。9月30日、強盗強制性交殺人や死体遺棄・損壊などの罪に問われた白石隆浩被告(29)の初公判が東京地裁立川支部で開かれた。

 法廷に現れた白石被告は、事件後に報道された“好青年風”の姿から様変わりしていた。髪は肩まで伸び、黒縁メガネ、白いマスクをつけていた。明るい緑色の作業服のような服装が奇妙だった。

まず、裁判長が公判での注意事項を述べた。今回は「被害者特定事項秘匿制度」が適用され、被害者の氏名などを伏せて審理される。そのため白石にも被害者の特定につながるような発言には注意するように、とのことだった。

今回、被害者を指すアルファベットはAからIに及ぶ。時系列順に被害者9人を3グループに分けて審理し、公判日程は計24回、77日間にわたって行われる予定だ。

被害者の多さゆえ、初公判では1人1人の被害詳細はまだ明らかにされていない。しかし、事件発覚時の白石被告の自宅の様子や、犯行が行われた8月から10月にかけて白石被告が購入した物品などから、この事件の凄まじい猟奇性が立ち上ってくるのだ——。

「私が殺しました」「あの子はここです」

 検察の冒頭陳述によると、2017年10月30日、行方不明となっていた女性Iさん(当時23)を捜す警視庁の捜査員が、失踪直前にSNSでやり取りしていた白石被告のアパートを訪れる。白石被告は捜査員とインターホン越しに話した際には、Iさんの居場所を知らないとはぐらかしたという。しかし捜査員が室内へと踏み込むと、そこには異様な光景が広がっていたのだ。

「床にはペット用のトイレシートが敷かれていて、付近にはノコギリや粘着テープ、婦人靴。ロフトに続くはしごには、上から2段目のところに、ロープがかけられていた」(検察の冒頭陳述より)

 その後、キッチンの包丁、まな板、鍋、保冷庫の内部などからは、血液の陽性反応が出た。

 室内に女性もののバッグがあったことから捜査員は厳しく追及。白石被告は観念して「私が殺しました」「あの子はここです」と玄関に置かれたクーラーボックスを示した。ボックスを開けると猫用のトイレ砂でいっぱいだったが、捜査員が掘り起こしたところ、人の頭部のようなものが見つかったのだ。頭部は褐色に変色しており、口に粘着テープが貼られたままの遺体もあったという。


自殺願望のある女性をだましてアパートに

 白石被告が初めて殺人を犯したのは2017年8月23日だ。SNSを利用して知り合ったAさん(当時21)を誘い出し、自宅に入った途端、殺そうといきなり首を締めたという。そして失神したAさんに欲情し、性交している。その後、失神したままのAさんをロフトから首を吊り殺害した。以降、短期間に同様の犯行を繰り返していく。

8月28日ごろにはBさん(女性、当時15)、同月30日ごろにはAさんの知人男性Cさん(当時20)。9月にはDさん(女性、当時19)、Eさん(女性、当時26)、Fさん(女性、当時17)、Gさん(女性、当時17)、10月にHさん(女性、当時25)、Iさん(女性、当時23)が被害者となった。

 Cさんを除き、手口はまったく同様で、自殺願望のある女性をだましてアパートに誘い入れ、金づるになるか見極め、自殺する気がないと判断すると、首を締めるなどして失神させた上で殺害。公判では、8人の女性は全員、失神させた上で強制性交していたことも明らかになった。

事件が発覚しないよう、遺体を細かくノコギリなどで解体し、肉片は一般ごみとして廃棄。捨てると発覚の恐れが高いと考えた頭部は、消臭のための猫砂とともにボックスにいれ、アパートで保管していた。

閲覧履歴には「殺し方」「不意打ち」「人間を食べるときの注意事項」

 初公判では、8月から10月にかけて白石被告が購入した物品なども示された。

 首吊り用ナイロンテープ、作業用なのか防じんマスク、レインコート、ゴーグル、ノコギリ、ミキサー、消臭用には猫のトイレ用砂、消臭ペットシート……。消耗品の購入頻度はすさまじく、連日、休むまもなく解体作業を行っていたことが窺える。

そして、検察から提出された請求証拠の購入リストには気になるものもあった。“ニンニク”だ。請求証拠は事件に関わるものだけが示される。ニンニクは一体、何に使われたものなのだろうか。

公判では、白石被告のスマートフォンの閲覧履歴についての言及もあった。

 白石被告は、2017年5月中旬から動画投稿サイト「YouTube」で「殺人」「包丁」「研ぎ方」「不意打ち」などの単語を調べ、8月20日には牛の解体動画や、何人殺せば死刑になるかについても検索していたという。そして、そのなか閲覧履歴には「困ったときの死体解体法」「人間を食べるときの注意事項」といったブログやウェブサイトもあったのだ。

 証拠物品とウェブサイトの閲覧履歴は、事件とどう関係しているのか——。

公判中、白石被告はじっと目をつむりながら、動じることもなく、たまに体を揺らしたり、姿勢を変えたりしながら、まるで退屈な授業を聞いているかのように検察側の冒頭陳述や証拠品の説明について耳を傾けていた。

 今後、12月までかけて20回以上行われる予定の公判で、ひとりひとりの被害者の事件の詳細が明かされていく。10月7日には被告人質問が行われるが、白石被告は何を語るのだろうか。

 

 


「人を食べるときの注意事項」…座間9人殺害・白石被告が犯行前に見た“猟奇サイト”

2020年10月10日 06時40分08秒 | 事件・事故

10/10(土) 6:01配信

文春オンライン

初公判が開かれた東京地裁立川支部101号法廷 ©共同通信社

「起訴状の通り、間違いありません」

 証言台でボサボサの黒髪を背中に垂らし、堂々と声を張った男。17年8月から10月にかけて、神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害したとして強盗・強制性交殺人罪などに問われた白石隆浩被告(29)に対する裁判員裁判の初公判が9月30日、東京地裁立川支部で開かれた。

【画像】逮捕前、白石被告の素顔

「しわしわの作業着と後頭部に張りついた髪は、寝起きで出廷したかのようでした。罪状認否を終えた後は目を伏せ、時折伸びをしていた。『被害者は殺されることに同意していた』という弁護人の主張が退けられれば死刑はほぼ避けられない状況ですが、裁判の進行には既に関心がなさそうでした」(社会部記者)

 取り調べに対しては「カネと性欲目的で9人を殺害した」と自白していた白石。法廷で説明されるその行為はおぞましいものだった。

 風俗スカウトマン時代の経験から「自殺願望のある女性は言いなりになりやすい」と考えた白石は、ツイッターで「首吊り士」と名乗り、自殺願望を持つ女性に接触を始めたという。金づるにならなそうなら首を絞めて失神させ、女性8人については姦淫。その後、首を吊って殺害し、証拠隠滅のために遺体をバラバラに解体していった。

 解体のために白石はノコギリやミキサー、鍋を購入している。内臓などは一般ごみとして廃棄し、大きな部位は鍋で煮て、頭部と一緒に自宅のクーラーボックスに保存。発覚しないよう後日、捨てに行く予定だったようだ。だが、このボックスから被害者の頭部が発見され、逮捕につながった。

白石被告が拘置所で行っている“面会ビジネス”
 また、一連の犯行に先立ってはユーチューブで「殺し方」などと検索。牛の解体動画や「人を食べるときの注意事項」といった猟奇的なサイトをあさっていた形跡もあった。一方で、日本で死刑を適用する際の判断基準である「永山基準」や、事件が発覚しないよう被害者の捜索を防ぐ方法なども検索していたことも判明。これら証拠の説明を裁判員らは厳しい表情で聞いていたという。

 閉廷まで気怠そうな表情だった白石。生きることに関心を失ったのだろうか。

「カネには興味があるようです。警察署や拘置所に面会に行くと、事件について答える条件として現金を要求してくる。一部メディアが差し入れをしたことに味を占め、今では悪びれもせず、一度に差し入れできる上限の3万円や食料などを求めてきます。外の食事が恋しいんだとか。9人もの命を奪っておきながら、拘置所でやっていることは反省ではなく“面会ビジネス”です」(司法記者)

「死刑の覚悟はできている」と漏らしている白石。絞首台を前にした時、「首吊り士」は何を思うのか。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月15日号

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ベルリンの少女像、撤去指示 日韓対立、独で展開「不適切」

2020年10月10日 06時38分50秒 | 社会・文化・政治・経済

10/9(金) 6:07配信

時事通信
 【ベルリン時事】在ドイツの韓国系市民団体「韓国協会」がベルリン市中心部ミッテ区に設置した従軍慰安婦を象徴する少女像について、同区は8日、設置許可を取り消し、14日までに撤去するよう同協会に指示したと発表した。

 フォンダッセル区長は「政治的、歴史的に複雑な2国間対立をドイツで扱うのは不適切だ」としている。

 区は声明で、像は設置承認の過程では「戦時中の性暴力に反対の意思を示すもの」と捉えられていたと説明。しかし実際は「第2次大戦中の日本軍のみを対象」にしており、日本やベルリンで「いら立ちを招いた」と指摘した。 

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ベルリンの少女像、撤去指示 日韓対立、独で展開「不適切」

2020年10月10日 04時25分48秒 | 社会・文化・政治・経済

10/9(金) 6:07配信

時事通信
 【ベルリン時事】在ドイツの韓国系市民団体「韓国協会」がベルリン市中心部ミッテ区に設置した従軍慰安婦を象徴する少女像について、同区は8日、設置許可を取り消し、14日までに撤去するよう同協会に指示したと発表した。

 フォンダッセル区長は「政治的、歴史的に複雑な2国間対立をドイツで扱うのは不適切だ」としている。

 区は声明で、像は設置承認の過程では「戦時中の性暴力に反対の意思を示すもの」と捉えられていたと説明。しかし実際は「第2次大戦中の日本軍のみを対象」にしており、日本やベルリンで「いら立ちを招いた」と指摘した。 

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米、コロナ抗体医薬100万回分を年内提供可能=厚生省幹部

2020年10月10日 04時23分13秒 | 医科・歯科・介護

10/10(土) 4:16配信

ロイター

10月9日、米厚生省幹部のポール・マンゴー氏は、新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬品について、100万回を超える投与分を無料で年内に提供できるとの見方を示した。写真は5月22日、米カリフォルニア州で開発中の抗体医薬(2020年 ロイター/Bing Guan)

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米厚生省幹部のポール・マンゴー氏は9日、新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬品について、100万回を超える投与分を無料で年内に提供できるとの見方を示した。

新型ウイルスに感染したトランプ大統領は抗体医薬の投与も受けており、7日にツイッターに投稿したビデオで、米リジェネロン・ファーマシューティカルズ<REGN.O>と米イーライリリー<LLY.N>の治療薬の効果を絶賛し、これらの薬の緊急使用を認める考えを示した。

マンゴー氏は、新型ウイルス感染症のワクチンと治療薬の開発加速に向けた「ワープ・スピード作戦」の下、リジェネロンとイーライリリーの抗体医薬の製造が進められているとし、年末までに投与100万回分以上が確保できると述べた。

リジェネロンとイーライリリーはともに臨床試験(治験)で効果が確認されたとし、米食品医薬局(FDA)に緊急使用許可を申請したことを明らかにしている。    

現時点ではFDAの承認にどの程度時間がかかるのかは分からないが、マンゴー氏はFDAの承認を得られ次第、米製薬会社ギリアド・サイエンシズ<GILD.O>の抗ウイルス薬レムデシビルと同様の対応で、必要に応じて州ごとに配分すると述べた。

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郷ひろみ 山口百恵さんへの思い告白…中居「フラれたんですよね」

2020年10月10日 04時16分09秒 | 社会・文化・政治・経済

2020/10/9 20:48 (JST)

歌手の郷ひろみ(64)が9日放送のTBS系「中居正広のキンスマスペシャル」に出演し、元歌手の山口百恵さん(引退)への思いを打ち明けた。

 司会のタレント・中居正広(48)に「芸能生活の中で、実はあの人好きだったんだよなって人」、「マジの方でお願いします」と聞かれた郷は「山口百恵って人は好きでしたよね」と衝撃告白。

「僕が好きだってことは分かってたんじゃないですか。でも(百恵さんの方が)はるかに精神的に上でした。だから、すごく精神的に全然上だったっていうのは、たぶん、僕みたいな者を相手にしてもロクなことはないわって思ってたんじゃないですかね」と振り返った。

中居に「フラれたんですよね」とシビアにまとめられると、郷は「早い話がそうです」と苦笑していた。


ヤマト殺傷の男、母親から解雇知らされ凶器購入 移送時、マスク拒否しピースサイン

2020年10月10日 04時12分11秒 | 事件・事故

10/9(金) 12:48配信

神戸新聞NEXT

神戸地検に移送される筧真一容疑者(後部座席中央)=9日午前8時35分、神戸市北区、神戸北署

 神戸市北区のヤマト運輸配送センターで6日、従業員の男女2人が刃物で刺されるなどして死傷した事件で、男性従業員(60)への殺人未遂容疑で再逮捕された元パート筧真一容疑者(46)が事件前日の5日に母親を通じて解雇を知らされた後、事件に使われたとみられる包丁を購入していたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警は解雇がきっかけとなり、同容疑者が恨みを募らせた可能性があるとみて調べる。

【動画】ヤマト運輸死傷 防犯カメラに逮捕の男運転の車か

 捜査関係者によると、事件前日の5日未明、同容疑者と死亡した女性(47)、男性の3人は配送センターで荷物の仕分け作業を担当。同容疑者の荷物の扱い方を男性が注意して口論になり、仲裁に入った女性に同容疑者の手が当たった。会社はこれを受けて同容疑者を解雇し、同容疑者の母親に通知したという。

 捜査関係者によると、筧容疑者は母親から解雇を伝えられ、5日夕方に同区のホームセンターで包丁2本と木製バットを購入。翌6日未明、配送センター駐車場で女性を待ち伏せ、男性も襲ったとみられる。同容疑者は調べに「2人を狙った」とも供述している。

 県警は9日午前、男性に対する殺人未遂容疑で筧容疑者を神戸地検に送検。同容疑者は移送時に県警に促されたマスクやフードの着用を拒否し、神戸北署から出る捜査車両の後部座席で笑みを浮かべ、報道陣にピースサインをしていた。

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近大一気飲み急死、両親が学生・大学を提訴

2020年10月10日 04時06分06秒 | 事件・事故

10/8(木) 14:51配信

朝日新聞デジタル
 近畿大(大阪府東大阪市)の学生が2017年、サークルの飲み会で飲酒後に急死した事故で、両親が参加していた当時の学生ら18人と近大に計約1億500万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

7日に第1回口頭弁論があり、両親が意見陳述した。近大や学生側はそれぞれ請求棄却を求めて争う姿勢を示した。

 亡くなったのは、近大経済学部2年生だった登森勇斗(ともりはやと)さん(当時20)。17年12月、所属するテニスサークルの飲み会でウォッカを一気飲みするなどして意識を失い、翌日亡くなった。

 両親は、学生らが高いアルコール度数の酒を短時間に多量に飲ませて急性アルコール中毒の状態に陥らせたと主張。登森さんの生命が危険な状態にあると認識していたのに、救急隊の出動を要請しなかったなどと訴えている。近大については、学生への指導が不十分だったとしている。

 府警は昨年5月、学生ら12人を保護責任者遺棄致死の疑いで書類送検。うち9人が過失致死罪で大阪簡裁から罰金30万~50万円の略式命令を受け、確定した。

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