「鬼滅の刃」最終巻、沖縄での発売はまだ…遅い理由は【WEB限定】

2020年12月04日 20時56分09秒 | 日記・断片

12/4(金) 20:49配信

琉球新報

ジュンク堂書店那覇店の鬼滅の刃コーナーに貼り出された23巻に関するお知らせ

 単行本の累計発行部数1億冊を突破し、映画の興行収入も300億円に迫るなど、社会現象を巻き起こしている人気漫画「鬼滅の刃」。コミックスの最終巻である23巻と外伝が発売された4日は、全国各地の書店に行列ができた。しかしそれは沖縄を除いて、の話。実は沖縄での「鬼滅の刃」23巻と外伝の発売は7日で、全国よりも3日遅い。その理由は?(デジタル編集グループ・田吹遥子)

 

 「朝から探し回ったのに沖縄では何日か遅れる…」「他県がうらやましい」「沖縄も同じ発売日にしてほしい」 23巻の感想があふれるツイッター上。沖縄の鬼滅ファンからは落胆の声が上がっていた。

 なぜ沖縄だけ3日、遅いのか。ジュンク堂書店那覇店の森本浩平店長に聞いた。

■船で届くから


 全国的に遅い一番の理由は「船便だから」だ。船が関東から出て沖縄に着くまで4~5日を要する。航空便を利用すると入荷時期を早められる。しかし、ジュンク堂那覇店に入荷される本の冊数は1日約7000冊。本は重量もある。森本店長は「この量だと航空便での配達は物理的に難しいです。沖縄での入荷が全国に比べて遅いことは長年の課題になっています」と話した。


 さらに雑誌やコミックには「発売協定」があり、地域の書店間で発売日をそろえないといけない。そのような事情で、県内の書店で販売する雑誌やコミックは基本的に同じ船で届くため、ある書店だけ早く発売し始めるなど「抜け駆け」はできない状況だという。

 

■通常の単行本よりは早い


 全国と比べて3日遅れではあるが、今回の「鬼滅の刃」23巻と外伝の沖縄への到着は通常より早い方だという。通常の単行本だと4~5日遅れるが、流通業者が発売日の地域差を減らすために出荷を少し早めるなどの調整をしたこともあり、2日ほど早められているとのこと。

 それでも、全国で発売が始まっている状況だと、いつから購入できるのか気になった県民が多かったようだ。4日のジュンク堂那覇店には「入荷日はいつか」との問い合わせの電話がひっきりなしにかかってきたという。書店内にある鬼滅コーナーにも絶え間なく人が訪れていた。

 森本店長によると、「鬼滅の刃」の売れ行きはジュンク堂那覇店でも好調で、現在は在庫が不足している状況にあるという。1巻は約3000部を売り上げた。森本店長は「鬼滅をきっかけに書店を訪れる人も増えて、結果として書店全体の売り上げ増につながっている」と話す。23巻は予約済みの特装版100冊を合わせて1400冊の入荷を予定している。

 全国よりも到着が遅いのはちょっと残念だけど、その方が物語が終わる前のドキドキ感を長く楽しめる?沖縄の鬼滅ファンは7日の発売日を心待ちにしている。

 

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コロナ 人工呼吸器の配分を如何に判断するかの問題

2020年12月04日 11時24分13秒 | 医科・歯科・介護

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、社会が抱えている構造的問題を顕在化させた。
医療崩壊の危機に見舞われた国もある。

人工呼吸器の配分を如何に判断するかの問題が浮上した。

COVID-19の感染爆発時における人工呼吸器の配分を判断するプロセスについての提言
2020年3月30日
生命・医療倫理研究会

この提言の趣旨

この提言は、医療資源の調達について最大限の努力を行政や病院に対して求めています。それにもかかわらずCOVID-19の急性期医療を担う病院の集中治療領域おいて人工呼吸器等の救命医療に必須の医療資源が不足、払底した場合の対応を提案したものです。

そのさい、あくまでも患者さんの意向を中心に考えるとともに、どうしても医療資源の配分を行うことが不可避な状況においては、救急医療・集中医療の分野で広く共有された重症度の指標を用いて恣意的にならないように検討することを求め、記録を適切に行うこと、適宜倫理支援を受けること等、差別のない、公正で透明性のあるプロセスの重要性を訴えています。

私たちは、各病院で指針を作成するときに参照していただくことを期待していますが、この提言が妥当なのかは、それぞれの病院の倫理委員会等で必ず検討をしてください。また、個々の病院としての決定には限界があると思われるため、公的なガイドラインの作成につながってほしいと願っています。

はじめに

現在、日本において懸念されているCOVID-19の感染爆発が現実となった場合、人工呼吸器をはじめとする医療資源が不足することが懸念される。このような非常時は、災害時医療におけるトリアージの概念が適用されうる事態であり、これまで私たちが経験したことのない大きな規模で、厳しい倫理的判断を求められることとなる。これは、一人ひとりの患者に最善をつくす医療から、できるだけ多くの生命を助ける医療への転換が迫られるということである。

すでに海外からこのような状況における医療資源の配分を判断する考え方についての論考が公表されているが、日本での議論は十分ではない。そこで、私たちは、今般の非常時に、日本の病院において人工呼吸器の配分をどのようなプロセスで判断をするべきかのひな形を提示したいと考えた。この提言を叩き台や契機として、COVID19 の診療にあたる病院、関連学会、行政での検討が行われることを期待するものである。特に政府には、人工呼吸器を含む医療資源が不足しないよう全力で取り組むとともに、非常時にこの提言にあるようなプロセスで診療が行われることを支持する姿勢を明示するよう要望する。

COVID-19の感染爆発で人工呼吸器が不足した危機的状況においても、平時と同様に、医学的な適応と患者本人の意向を中心に人工呼吸器の装着を判断するのが原則である。しかし、数の限られた人工呼吸器をどの患者に装着するか、人工呼吸器で生命が維持されている患者の人工呼吸器を救命可能性のより高い患者のために取り外すことが許容されるか、取り外すことが許容されるのであれば、それはどのようなプロセスで判断されるべきか、という未曾有の臨床倫理上の問題に直面することとなる。また、このような状況下においては、治療のかいなく救命の可能性がきわめて低い状態になった患者に対する人工呼吸器の使用の中止を考えざるをえない。これらの問題は、病院として明確に示されたポリシーのもと、実際にCOVID-19の診療にあたっている多職種からなる医療・ケアチーム(以下、医療・ケアチーム)が判断するとともに、倫理コンサルテーション等のチーム外からの支援を適宜受けることが必要である。

なお、ここで提言をする人工呼吸器の配分の判断プロセスは、COVID-19による呼吸不全だけでなく、すべての原因による呼吸不全が対象となる。また、この提言では人工呼吸器を取り上げるが、ECMO(体外式膜型人工肺)等の人工呼吸器以外の医療機器・資材、集中治療室や陰圧室を含む病床、医療スタッフ等の人的資源についても、同様のプロセスで判断されるべきであると考える。

この非常時におけるプロトコールを実際に発動するかどうかは、医療・ケアチームの状況認識を踏まえ、病院長の責任で決定するべきである。また、非常事態から脱し次第、平時の対応に復する判断をすることも病院長に求められる。
1:判断の基本原則

人工呼吸器の装着を含む医療行為を実施するべきか否かの判断は、医学的な適応と患者本人の意思にもとづいて行うことが基本原則である。この原則は非常時においても尊重される。
非常時においては、人工呼吸器等の不足している医療資源を使用して、効果が期待できない医療を行うことは控えざるをえない。それには以下のような行為が含まれる。
① 救命の可能性がきわめて低い状態の患者に対して、心停止時に心肺蘇生を行うこと。
② 救命の可能性がきわめて低い状態の患者に、人工呼吸器を装着すること。
③ 人工呼吸器を装着後、救命の可能性がきわめて低い状態になった場合に、人工呼吸器の装着を継続すること。
急性期医療における救命の可能性がきわめて低い状態の判断については、「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン〜3学会からの提言〜」の「終末期の判断」に例示されている類型(下記、①〜④)を参照する。
① 不可逆的な全脳機能不全(脳死診断後や脳血流停止の確認後などを含む)であると十分な時間をかけて診断された場合。
② 生命が人工的な装置に依存し、生命維持に必須な複数の臓器が不可逆的機能不全となり、移植などの代替手段もない場合。
③ その時点で行われている治療に加えて、さらに行うべき治療方法がなく、現状の治療を継続しても近いうちに死亡することが予測される場合。
④ 回復不可能な疾病の末期、例えば悪性腫瘍の末期であることが積極的治療の開始後に判明した場合。
患者の生命の短縮につながりうる判断は、医療・ケアチームとして行い、検討内容を診療録に適切に記録するとともに、可能な限り患者やその家族等と共有する。また、医療・ケアチームとして判断を行うことが困難な場合には、倫理コンサルテーション等を活用するなど、医療・ケアチームの外部に支援を求める。
病院長は、上記のプロセスに加えて、どのような場合に病院倫理委員会や病院長の判断を事前に仰ぐ必要があるのか、病院としての方針をあらかじめ決定し、医療現場に周知することが望まれる。また、定められたプロセスに従って導き出された判断および行為について、病院長は最終責任を負う。
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2:人工呼吸器の払底と不足

この提言で人工呼吸器の払底とは、たんにその病院内で使用できる人工呼吸器がないという意味ではなく、人工呼吸器の装着が可能な他院への転院も不可能で、人工呼吸器の販売会社、近隣の病院、行政等に依頼しても人工呼吸器の手配がつかない状況であって、救命の可能性がきわめて低い患者に対する人工呼吸器の使用を控えていても人工呼吸器が足りない状況を指す。
この提言で人工呼吸器の不足とは、人工呼吸器の払底が現実的な問題となっている状況を指す。
動物用、研究用、あるいは研修用に保有されている人工呼吸器の使用も考慮するべきである。また、1台の人工呼吸器で複数の患者の呼吸管理を行うことの可否は、関連学会等の最新情報を参照し、各病院で施設として判断する。
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3:人工呼吸器装着についての本人の意向の確認

COVID-19による肺炎を発症しているすべての患者に対して、容体が悪化して人工呼吸器の装着が必要になった場合に備えて、次項の内容に準じた説明を行い、人工呼吸器の装着に対する意向と本人の意思決定する力が低下したさいに自らの意思を推定する人について、あらかじめ確認しておくことが望ましい。その内容は、家族等とも共有し、適切に記録する。これらはアドバンス・ケア・プランニングのプロセスの一環として行われることが望ましい。
実際に人工呼吸器が必要な状態になった場合には、可能な限り、平時の診療と同様に、現在の病状、人工呼吸器の必要性、他に取りうる手段等について十分に説明した上で、本人の意思を確認する。そのさい、以下についても説明する。
① 人工呼吸器による治療を継続しても救命の可能性がきわめて低い状態になった場合には人工呼吸器を取り外すこと。
② より救命の可能性が高い患者に使用するため、人工呼吸器を取り外すことがありえること。
③ いかなる場合でも、苦痛の緩和のためのケアは最大限行われること。
④ 今後意思決定をする力が低下した場合に備えて、人工呼吸器を装着後に検討される可能性のある治療の変更(新たな治療の開始・不開始、既に開始された治療の中止を含む)について、自らの意思を推定する人は誰か決めた方がよいこと。
意思決定能力のある患者本人が人工呼吸器の装着に同意しない場合には人工呼吸器の装着を行わないのが原則である。意向が変わった場合には人工呼吸器の装着を希望できること、ただし、その時点で人工呼吸器が手配できない可能性があることも丁寧に説明する。
本人が人工呼吸器の装着に同意しない場合であっても、人工呼吸器の装着によって救命される可能性が高い場合には、人工呼吸器装着の必要性について本人へ説明し、同意を得る努力を行う。
本人の意思決定能力が十分でない場合、アドバンス・ケア・プランニングを含む事前の意思表示や家族等による本人の意思の推定を尊重する。もし、事前の意思表示や家族等による推定意思が人工呼吸器の装着に同意を与えないものである場合には、本人はどのような理解で意思表明をしていたのか、家族等はどのようなことを根拠に意思を推定しているのかを確認した上で、人工呼吸器の装着を行わないのが原則である。特に、事前の意思表示が入院前に作成されたものである場合には、現在の状況に適用できるか、慎重な検討を要する。
本人の意向を確認することも推定することもできない場合には、人工呼吸器の装着を行うことが基本である。ただし、あらためて評価を行い人工呼吸器の装着を行っても救命の可能性がきわめて低い場合や人工呼吸器を装着しない治療が本人にとって最善であると考えられる場合には、人工呼吸器の装着を差し控えることも許容される。人工呼吸器の装着を差し控える判断は、医療・ケアチームとして行い、検討の内容を診療録に適切に記録する。医療・ケアチームとして検討しても判断を行うことが困難な場合には、倫理コンサルテーション等を活用するなど、医療・ケアチームの外部に支援を求める。
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4:人工呼吸器が不足した状況下における患者の選択

人工呼吸器が不足しており、人工呼吸器を装着する患者の選択を行わなければならない場合には、災害時におけるトリアージの理念と同様に、救命の可能性の高い患者を優先する。誰を優先するのかは、医療・ケアチームで検討し、その内容を適切に記録する。医療・ケアチームとして検討しても判断を行うことが困難な場合には、倫理コンサルテーション等を活用するなど、医療・ケアチームの外部に支援を求める。
救命可能性の判断は、医療・ケアチームが、個別の患者の容体に応じて、救急医療・集中医療の分野で広く共有された重症度の指標等を用いて恣意的にならないように慎重に行うとともに、判断のプロセスを適切に記録しなければならない。性別、人種、社会的地位、公的医療保険の有無、病院の利益の多寡(例:自由診療で多額の費用を支払う患者を優先する)等による順位づけは差別であり、絶対に行ってはならない。患者が医療従事者であるか否かは考慮しない。
 医療資源を医療従事者に優先して配分するのは、そうすることによって人的医療資源が維持され国民全体の利益を最大化することが期待できる場合に限定される。感染防止のための衛生材料、ワクチンや軽症段階から使用できる治療薬が開発された場合等については、医療従事者が優先配分を受ける合理性があると考える。
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5:救命の可能性がきわめて低い状況における人工呼吸器の取り外し

人工呼吸器を用いた集中治療をつくしても救命の可能性がきわめて低い状況になった場合には、人工呼吸器を取り外すことを基本とする。医療・ケアチームとして判断を行うことが困難な場合には、倫理コンサルテーション等を活用するなど、医療・ケアチームの外部に支援を求める。
人工呼吸器を取り外す場合には、本人の同意(本人の事前の意思表示や家族等による意思の推定を含む)があることが望ましい。非常時に、明らかに救命の可能性がきわめて低い治療を、本人や家族等の拒否を唯一の理由に継続することを許容するか否かは、それぞれの病院において事前にポリシーを策定し、一貫した判断を行うべきである。
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6:人工呼吸器が払底した状況下における、人工呼吸器を装着している患者からの人工呼吸器の取り外しと新たな患者への装着(人工呼吸器の再配分)

人工呼吸器が払底した状況下においては、人工呼吸器の再配分は許容されうる。しかし、実際に許容するかどうかについては、各病院であらかじめポリシーを定めておくことが望まれる。
人工呼吸器の再配分を検討する場合には、取り外す患者と装着する患者の選択について、病院倫理委員会等で検討し、承認を得ることを原則とする。病院長や病院倫理委員会があらかじめ設定した条件(倫理コンサルテーションチームの構成要件、病院長等との連絡体制など)のもとに、倫理コンサルテーション等の、より機動性のある会議体が倫理委員会の代替をしてもよい。
取り外す患者と装着する患者の選択は、救急医療・集中医療の分野で広く共有された重症度の指標等を用いて、医学的に判断を行う(4-2参照)。人工呼吸器を装着してからの日数を考慮に入れてもよい。
① 人工呼吸器の再配分が許容されるには、取り外される患者と新たに装着される患者の救命可能性の差が明らかである必要がある。救命可能性の差が明らかではない場合には、既に人工呼吸器が装着されている患者を優先する。
② 人工呼吸器の再配分のための取り外しの対象となる患者に基準を設ける場合は、「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン〜3学会からの提言〜」の「終末期の判断」で示された類型を含む、生存して退院することが不可能であると医療・ケアチームが判断する場合等が考えられる。この基準は、医療状況の逼迫がさらに深刻になった場合は見直されてよい。
救命の可能性がきわめて低いとまでは言えない患者から、人工呼吸器の再配分のために人工呼吸器を取り外す場合には、本人の同意(本人の事前の意思表示や家族等による意思の推定を含む)を前提とすることを原則とする。救命の可能性がきわめて低い患者が対象の場合でも、本人の同意(本人の事前の意思表示や家族等による意思の推定を含む)があることが望ましい。
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7:人工呼吸器の装着を差し控える場合や取り外した後のケア

人工呼吸器の装着を差し控える場合や取り外す場合であっても、医療・ケアチームは、緩和ケアチーム等の協力を得ながら苦痛の緩和を含めたその他の治療を最大限行い、患者の尊厳を尊重した医療・ケアを継続する。
人工呼吸器の取り外しを誰が行うか、感染防止策を前提に家族等の同席を認めるか、集中治療室から一般病室への移動を行うか、移動をするとしたら人工呼吸器の取り外しの前か後か、実際の取り外しの際の苦痛緩和の方法等の具体的な事項については、事前に医療・ケアチームあるいは病院としての方針を定めておくことが望ましい。
医療・ケアチームは、この非常時に次の患者の生命を救うために、人工呼吸器の取り外しを受け入れた家族等の気持ちを理解し、可能であれば感謝の気持ちを率直に伝える。
病院長は、倫理的葛藤を抱えながらCOVID-19診療の最前線に立つ医療・ケアチームが大きな心理的・身体的負担を抱えることを理解し、精神科リエゾンチームや産業保健の専門家等とともに、適切なケアを行う。
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8:その他

この提言では、実際に診療にあたっている医療・ケアチームが判断することを基本に、状況に応じて倫理コンサルテーション等のチーム以外のリソースに相談することとしている。しかしながら、患者の選択や人工呼吸器を取り外す判断は、医療・ケアチームに過大な負担を強いるものとなる可能性があるため、医療・ケアチーム以外の救急・集中治療の専門医と倫理支援部門等からなる合同の委員会や支援チームを組織してこれらの判断にあたらせてもよい。
搬送された病院の人工呼吸器を含む医療資源の制約から、受けられる医療に差が生じないように、患者が救急搬送される段階でのトリアージや病院に対する医療資源の配分が適切に行える公的な仕組みの確立も必要である。
感染爆発の時期が地域で異なる可能性があることから、地域を越えた患者の移送や人工呼吸器の融通について公的機関が仲介する仕組みが望まれる。 また、すでに感染が収束しつつある国外からの援助を求めることも躊躇するべきではない。
生命・医療倫理研究会有志
(作成)
竹下 啓(医師・東海大学)
堂囿俊彦(倫理学者・静岡大学)
神谷惠子(弁護士・神谷法律事務所)
長尾式子(看護師・北里大学)
三浦靖彦(医師・東京慈恵会医科大学)
(査読)
荻野美恵子(医師・国際医療福祉大学)

註:
この提言は生命・医療倫理研究会世話人の有志が作成した試案であり、何らの拘束力もなく、また、法的、倫理的な妥当性を保証するものではない。
有志はそれぞれ個人の立場で提言の作成に関与しており、所属施設の方針等とはまったく関係はない。
誰でもこの提言を自由に利用・参照することができる。個人や団体がこの提言を参照して、よりよいガイドライン等を作成することを歓迎する。
実際の診療上の判断にこの提言を用いる場合は、それぞれの病院の責任において行うこと。生命・医療倫理研究会およびその構成員は一切の責任を負わない。

 

 

 

 


敢闘会の記念文集を編集して

2020年12月04日 10時56分18秒 | 日記・断片

 人間関係の希薄さは、日頃の自分の行動にあったことを、今度ばかりは思い知らされた。
何度か支部の人たちに原稿の協力を求めたのに、ほとんどの人に応じてもらえなかったのである。
一方、河井さんや米田さんが担当したの支部の人たちの大半が要請に応じて原稿を投稿してきていた。
 翻って思うのだが、中田さんの奥さんについて人は「早とちりが多い」「自分中心」と陰で批判している。
でも、誰が何と影で言っても、中田さんの奥さんの実績は高く評価されるべきであった。
人にできないことを成し遂げる-それは愚直な思い(使命感)の表れであったのだ。
 両親を亡くし、子どものころに厄介者として親類宅をたらい回しのようにされて育った経験から、「人に負けまい」との強い思いで生きてきたそうだ。

愚直:「愚か」と評したくなるほどに実直で一本気である、そのような姿勢で物事に取り組む、という意味で用いられる表現。
 適当に省略して楽しようとしたり、道半ばで方法や目標を変えたり、といった余計なことを考える小利口さがなく、あくまでもまっすぐに歩みを続ける、という肯定的な(賞賛の)意味で用いられる表現。


世界がぜんたい幸福にならないうちは

2020年12月04日 10時43分59秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽過去は変えられないが、過去から学ぶことの中から私たちが今直面している現実の方質を知り、新しい未来を創造していくことができる。
▽世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない-宮澤賢治
▽コロナの中に置かれた私たちもまた、自身の健康だけでなく、感染者の平癒と医療従事者の安全を真剣に願っていきたい。
これは自然の発露である。
▽願いとは、現実を見据えていかなる困難をも乗り越えていく力であり、未来を切り開いていく希望である。


ノーベル賞級と評価される中村祐輔さんの研究って? がん医療に貢献

2020年12月04日 06時19分24秒 | 事件・事故

毎日新聞2020年12月2日 13時00分(最終更新 12月2日 13時00分)

資料を用いて記者の質問に答える中村祐輔・東京大名誉教授=東京都千代田区で2020年11月13日、玉城達郎撮影
 個人の遺伝子の特徴に合わせて病気を治療・予防する「個別化医療」の概念を提唱した中村祐輔・東京大名誉教授(67)の研究が、米国の情報会社から「ノーベル賞級」だと評価を受けた。どんな研究を手がけたのか、その歩みと業績をたどった。

 中村さんは、論文引用数などから選出され、後にノーベル賞受賞者を輩出している「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」を9月に受賞した。病気の原因遺伝子の発見に欠かせないマーカー(目印)を開発。近年急速に進む、個々のがん患者の遺伝子の違いに応じた治療(個別化医療)の先駆けになったと評価された。1996年には、この治療を「オーダーメード医療」として提唱している。

 腫瘍外科医だった中村さんは、若い患者の死をみとるうち、「なぜ若いのにがんになるのか」「なぜ抗がん剤の効果や副作用に大きな個人差があるのか」と疑問を抱いた。そこで、「がんの原因にたどり着いて疑問を解き明かしたい」と84年、米ユタ大に留学した。…

 

癌抑制遺伝子の研究

中村祐輔. (財)癌研究会・癌研究所. 1.目的. がんがん遺伝子の変異だけでなく、がん抑制遺伝子の活性が失われることが重要な因. 子となっている ... 域に原因遺伝子が存在することが明かであり、遺伝子を追いつめる目的で、この領域の.

この人に聞く!大腸癌最前線

臨床に根ざしたゲノムサイエンス

~研究の軌跡と応用に向けて~

中村裕輔森正樹

大腸癌FRONTIER Vol.1 No.3, 66-71, 2008


細胞ががん化する仕組み

2020年12月04日 06時10分46秒 | 医科・歯科・介護

国立がん研究センターがん対策情報センター

更新・確認日:2017年12月21日 [ 履歴 

1.がん細胞と正常細胞の違い

人間の体は細胞からできています。がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。

正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、ふえたり、ふえることをやめたりします。例えば皮膚の細胞は、けがをすれば増殖して傷口をふさぎますが、傷が治れば増殖を停止します。一方、がん細胞は、体からの命令を無視してふえ続けます。勝手にふえるので、周囲の大切な組織が壊れたり、本来がんのかたまりがあるはずがない組織で増殖したりします。正常な細胞ではこのようなことはありません。

2.多段階発がん

がん細胞は、正常な細胞の遺伝子に2個から10個程度の傷がつくことにより、発生します。これらの遺伝子の傷は一度に誘発されるわけではなく、長い間に徐々に誘発されるということもわかっています。正常からがんに向かってだんだんと進むことから、「多段階発がん」といわれています。

傷がつく遺伝子の種類として、細胞を増殖させるアクセルの役割をする遺伝子が、必要ではないときにも踏まれたままになるような場合(がん遺伝子の活性化)と、細胞増殖を停止させるブレーキとなる遺伝子がかからなくなる場合(がん抑制遺伝子の不活化)があることもわかっています。

傷の種類として、DNAの暗号に異常が生じる突然変異と、暗号自体は変わらなくても使われ方が変わってしまう、エピジェネティック変異とがあることがわかってきています。

正常な細胞に決まった異常が起こると、その細胞は増殖します。そこに第二の異常が起こると、さらに早く増殖するようになります。この異常の積み重ねにより、がん細胞が完成すると考えられます。
図1 多段階発がん
図1 多段階発がんの図

3.がん遺伝子

ある遺伝子に傷がついたときに、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になる場合があることが知られています。このような遺伝子は、がん遺伝子と呼ばれています。多くの場合、がん遺伝子によってつくられるタンパク質は、正常細胞も増殖をコントロールしていますが、その働きが異常に強くなることにより、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になります。

例えば、「myc」と呼ばれるがん遺伝子の場合、1個の細胞あたりの遺伝子の数が増えることにより、「myc遺伝子」によりつくられるタンパク質が増えすぎて、際限ない細胞増殖を引き起こすことがわかっています。また、「ras」と呼ばれる一群のがん遺伝子は、特定の場所に傷がつくと働きが過剰な状態になり、やはり際限ない細胞増殖を引き起こすと考えられています。

このようにがん遺伝子の変化は、特定のタンパク質の働きを異常に強めることにより、がんにつながる増殖異常を引き起こします。したがって、そのタンパク質の作用をうまく抑えるような薬を見つければ、細胞ががん化することを防いだり、すでにできているがんの増殖を抑えたりすることができます。
図2 がん遺伝子の作用
図2 がん遺伝子の作用の図

4.がん抑制遺伝子

がん遺伝子が車のアクセルとすると、そのブレーキにあたる遺伝子が、がん抑制遺伝子です。がん抑制遺伝子は細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをします。DNAの傷が蓄積するとがん化に結びつくので、修復が必要です。異常細胞が無限に増殖しないように、異常を感知して、その細胞に細胞死を誘導することも必要です。このように、がん抑制遺伝子はブレーキの働きをしていると考えられます。

これまでの研究から、いくつかのがん抑制遺伝子が発見されましたが、代表的なものは「p53遺伝子」、「RB遺伝子」、「MLH1遺伝子」等が知られています。それぞれ細胞死の誘導、細胞増殖の抑制、DNAの修復に重要な働きを持つことがわかっています。
図3 がん抑制遺伝子の働き
図3 がん抑制遺伝子の働きの図
 
図4 がん抑制遺伝子の不活性化
図4 がん抑制遺伝子の不活性化の図

5.遺伝子突然変異

遺伝子の傷はDNAの傷を意味します。ヒトの細胞の中にはDNAが存在し、そこにわれわれの遺伝子が暗号として記録されています。遺伝子突然変異とは、この遺伝子の暗号に間違いが生じることを意味しています。タバコ、食物の焦げ、紫外線等、さまざまな外的要因(発がん要因)が遺伝子突然変異を引き起こすことがわかっています。

もう少し詳しく説明すると、DNAはG、A、T、Cの4種類の文字の組み合わせでできています。さまざまな発がん要因により、これらの文字に間違いが生じると突然変異が起こります。がん遺伝子やがん抑制遺伝子を記録したDNAに間違いが生じた場合、がん遺伝子の活性化やがん抑制遺伝子の不活性化が起こります。

図5では、一塩基置換型、一塩基欠失型、染色体欠失による遺伝子突然変異の例を示します。通常DNAの暗号は、G、A、T、Cの中の3文字の組み合わせで決まります。したがって、赤字で示した「C」という文字が、ほかの文字に置き換わったり、失われたりした場合、まったく意味不明な暗号が伝達されることになります。また、染色体欠失がおきた場合には、暗号自体がなくなってしまうことになります。
図5 遺伝子突然変異の例
図5 遺伝子突然変異の例の図

6.遺伝子のエピジェネティックな変異

遺伝子の傷は、その突然変異によるものばかりであると思われてきました。しかし、遺伝子突然変異以外にも、細胞が分裂しても薄まることなく、新しくできた細胞に伝達される異常があることがわかってきました。それがエピジェネティックな変異で、具体的には、「DNAメチル化」と「ヒストン修飾」の変化です。特に、DNAメチル化の変化はヒトがんの多くで認められ、多段階発がんのステップとして関与している場合もあることが知られています。

遺伝子の暗号のもとであるG、A、T、Cの4つの文字は、細胞が分裂するときには、その通りに新しい細胞に受け継がれます。DNAメチル化(図6のうち、ピンク色の丸印)も、塩基配列と同じように、もとの通りに受け継がれます。
図6 遺伝子のエピジェネティックな変異の例
図6 遺伝子のエピジェネティックな変異の例の図

7.遺伝子異常の診断

遺伝子の異常は、正常細胞をがん細胞へと変化させる大変都合の悪い現象ですが、別の見方をすれば、正常細胞とがん細胞を見分けるための決定的な証拠にもなります。したがって、遺伝子異常を応用して、がんの診断や治療ができないかという研究が進んでいます。

例えば大腸がんの早期発見のために、便中に存在する微量のがん細胞の異常DNAや、血中を流れている微量のがん細胞の異常DNAを検出する試みです。がん細胞である決定的証拠の遺伝子突然変異やエピジェネティックな変異を検出することで、がん細胞を見つけようとするものです。

8.遺伝子異常の治療への応用

がん細胞に生じた遺伝子異常によってがん細胞の表面にでき上がる異常タンパク質を標的とした治療法の開発も進んでいます。異常タンパク質のみを認識したり抑制したりすることで、正常細胞に影響を及ぼさず、がん細胞だけを攻撃できる薬(分子標的薬)の開発が行われています。

例えば、イマチニブ(グリベック)という薬は、がん細胞に生じた異常タンパク質のみを抑制することで、白血病を治療することができます(図7)。また、トラスツズマブ(ハーセプチン)は、がん細胞の表面にできる異常タンパク質であるHER2受容体のみを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。そのため、HER2受容体が過剰に発現するタイプの乳がんにおいて治療に使われます。
図7 分子標的薬の作用の例
図7 分子標的薬の作用の例の図
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【速報】“通常医療圧迫”に強い危機感 東京都モニタリング会議

2020年12月04日 00時54分23秒 | 医科・歯科・介護

12/3(木) 17:09配信

東京都の専門家会議では、新型コロナウイルスの治療と、それ以外の通常の医療現場との「両立が困難な状況が生じ始めている」との強い危機感が示された。

3日のモニタリング会議では、都内の感染状況について、新規感染者数の平均が過去最多で、重症化リスクの高い高齢の感染者が増加しているとの分析が出され、警戒レベルは最も深刻な「感染が拡大している」が維持された。

一方、医療提供体制については、先週と同じ、深刻度が上から2番目の「体制強化が必要」に据え置かれた。

しかし、会議では、「通常医療の病床を新型コロナウイルス患者用に転用している」などの意見が出され、新型コロナウイルスの影響で、それ以外の通常医療の現場が圧迫されていることへの強い危機感が示された。

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池袋暴走事故、直前に何があったのか。目撃者3人が証言。元院長は無罪主張【第2回公判】

2020年12月04日 00時52分20秒 | 事件・事故

12/3(木) 17:42配信

ハフポスト日本版

池袋事故/横転したごみ収集車(2019年4月)

東京・池袋で2019年4月、車を暴走させて母子2人を死亡させ、他9人に重軽傷を負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告の第2回公判が12月3日、東京地裁であった。(浜田理央 / ハフポスト日本版)

【動画】法廷内での被告の印象について語る遺族

時事通信が報じた起訴状の内容によると、飯塚被告は2019年4月19日、ブレーキと間違えてアクセルペダルを踏み続け加速。赤信号を無視して横断歩道に進入し、松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(同3)をはねて死亡させたほか、9人に重軽傷を負わせたとされる。

産経新聞によると、飯塚被告は10月の初公判で「アクセルペダルを踏み続けた記憶はない、車に何らかの異常が起きたと思います」と述べ、無罪を主張している。

第2回公判では、事故当時に車やバイクで現場付近を走行していた3人の目撃者に対する証人尋問があった。

3人とも、検察側の尋問に対して、事故の最中に「飯塚被告の車のブレーキランプは点灯していなかった」と証言した。

3人の証言から、事故当時や直前の様子を振り返る。

▽クリーニングの集配で車を運転していた男性
男性は、交差点を左折して事故が起きた道路に進行。前方の交差点が赤信号で停止しようと減速すると、左側から飯塚被告が運転する車に追い抜かれたという。

その時の様子を問われて「ビューとすごい音が聞こえた」「暴走車かと思った」と説明。速度については「相当出ていた」と証言した。

その後、飯塚被告の車が赤信号の交差点を進入し、横断歩道を渡っていた自転車をはねたのを目撃したという。

様子を問われると「(乗っていた人は)上に上がって、地面に叩きつけられた。自転車はどこに飛んだか分からなかった」と述べた。

その間、ブレーキランプが点灯していたかについては「一度もなかった」と答えた。

▽バイクを運転していた男性A
バイクを運転していた男性は、前述の集配車の男性の後方を走行していた。現場近くを走行中、飯塚被告の車に左側から追い抜かれ、前方に車線変更してきたという。

様子について問われると「違反して逃げているのではないかと思った」と印象を説明。自身が時速50キロ前後で走行していたと触れ、「けっこうなスピードで割り込んできた」と述べた。

飯塚被告の車が、前方の集配車をよけるため左側に車線変更した後、道路の縁石とタイヤが当たった音が聞こえたという。

その時のスピードについて問われると「縁石に当たっても速度が落ちず、アクセルを踏んでいると思った」と証言。そのまま、赤信号の交差点に進入したという。ブレーキランプの点灯については「なかった」と述べた。

男性は続いて、事故現場となった2つ目の交差点の様子についても証言。

飯塚被告の車は進行を続け、交差点内で「左側から進行してきたゴミ収集車にぶつかり、見えなくなった」と説明。男性は一つ目の交差点で停止しており、100メートルほど離れた距離からでも、事故の様子は目視で確認できたという。

▽バイクを運転していた男性B
バイクを運転していた別の男性も、同じ道路を走行中に飯塚被告の車に追い抜かれた。

「前方に割り込むような形で煽り運転のようだった。自分を止めようとしているかのような印象があった」と説明。飯塚被告の車が一つ目の交差点で自転車をはねた後、「止まる気配がなく、加速していた」と述べた。

2つ目の交差点の様子について「何かが飛んだのを見た直後、左から来たゴミ収集車とぶつかった」と語った。減速する様子やブレーキランプ点灯は「なかった」と証言した。

3人の証人尋問が終わり、この日は閉廷。次回期日では、弁護側の主張などが審理される予定。

松永さん遺族も審理参加。語った被告の印象。
亡くなった松永真菜さんの夫拓也さんらは、被害者参加制度を利用し、初公判に続いて審理に参加。公判終了後、報道陣の取材に応じた。車いすで出廷し、終始うつむき加減だった飯塚被告の様子について、次のように語った。

 「初公判で私の調書が読み上げられた時、一度も顔をあげなかったのに、(法廷内のモニターに)事件の見取り図が出た時だけ顔を上げる人なんだと思いました。おそらく自分が事故を有利になるためにはということを頭にめぐらせていたのではという印象を受けました」

松永さんの父親、上原義教さんは、証言を聞いて「娘は痛い思いをしただろう。辛かっただろう」と無念を訴えた。

浜田理央 / ハフポスト日本版

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