マスコミが絶対に報じない、猟奇的な「座間事件」が起きた本当の理由

2020年12月23日 23時13分53秒 | 事件・事故

阿部 憲仁

9人が亡くなった凄惨な事件

「はい、わかりました」

判決を聞いた被告人は、あっさりとこう答えたという。


12月15日、東京地裁立川支部で「座間事件」の犯人・白石隆浩被告に死刑判決が下された。2017年の8月から10月にかけて、彼は自殺願望を抱く9人の男女を1人ずつTwitterで勧誘し、神奈川県座間市の自宅アパートに連れ込んだ。うち8人の女性被害者には性的暴行を加えたうえで、全員の首をロープで絞めて殺害。

その後、遺体から小額の金品を盗み、証拠隠滅のためバラバラに解体して近隣のゴミ捨て場に廃棄した。その一方で、被害者たちの頭部は自宅で保管していたという。彼は一体なぜ、このようなむごたらしい殺人事件を起こしたのだろうか。

犯行現場となったアパート[ウィキメディア・コモンズ]
白石被告自身は法廷で、金銭や性交渉、証拠隠滅が目的だったと証言している。しかしこの座間事件は、本人が語ったシンプルな動機だけでは説明がつかないと感じている。金品や性的興奮を目的として起こった他の殺人事件と比較すると、被害者たちの頭部を自宅で保管していたことや、法廷で死刑を受け入れたかのような言動を繰り返したことなど、座間事件には異様な特徴がいくつも見られる。

私はこれまで、アメリカの有名な殺人犯や相模原障碍者施設殺傷事件の植松聖など、数多くの犯罪者たちと直接面談したり、電話や手紙でやり取りするなどコミュニケーションを重ねてきた。その経験から、座間事件の特徴を以下で考察してみたい。

結論を先に述べれば、私はこの事件が典型的な2タイプの殺人を混ぜ合わせた「ハイブリッド」ではないかと考えている。

大量殺人と連続殺人の相違点

自分と直接関係がない複数人を殺害する事件を「無差別殺人」と呼ぶが、その中でもさらに「大量殺人」と「連続殺人」の2種類に分類することができる。まずは有名な殺人犯を挙げながら、この2種類について解説していこう。

前者の「大量殺人」とは、文字通り一度に1ヵ所で多くの人間を殺害する事件のことを指し、アメリカなどでしばしば発生する銃乱射事件や2008年に起きた秋葉原通り魔事件などが該当する。代表的な事件として、2012年にアメリカのコロラド州で発生した「オーロラ銃乱射事件」を挙げておきたい。

犯人であるジェームズ・ホームズは上映中の映画館に銃を持ち込み、映画の銃撃シーンに合わせて拳銃やショットガンを観客に向けて乱射した。死者は12名、負傷者は58名にも上った。このように、一度の犯行で何十人もの人々を無差別に殺害するのが、大量殺人の特徴である。

法廷でのジェームズ・ホームズ[Photo by gettyimages]
そのため、その多くは、逮捕される前に自殺する、あるいは警察官に銃を向けて逆に射殺されるケースがかなり多い。1999年にアメリカの同州で発生したコロンバイン高校銃乱射事件の場合、犯人であるエリック・ハリスとディラン・クレボルドはたった45分間で13名を射殺、24名に重軽傷を負わせた後、自殺している。

彼らのように自ら命を絶つ犯人が一定数見られるのは、犯人が「自分自身の生」に対しても執着が乏しいからだろう。こういったケースを、他人を巻き添えにした「拡大自殺」と解釈する専門家もいる。

一方「連続殺人」は、一般に1人の人間が複数の相手を別々の場所で殺害するような事件の指し、「シリアルキラー」と呼ばれるのはこちらの犯人である。連続殺人の特徴は、犯人が「強い攻撃性」と殺害行為に対する快感を抱いていることだ。それゆえ、被害者を拷問するなど、犯行にサディスティックな特徴を見せるケースも少なくない。

たとえば1974年から1991年にかけてアメリカのカンザス州で10人を殺害したデニス・レイダーは、被害者を縛り上げて自由を奪ってから、拷問を加えて殺害していた。他にもいわゆる「めった刺し」や性的暴行など、被害者に対して過剰なまでの攻撃性を見せることもある。

座間事件が持つ2つの要素

座間事件は、この2パターンの特徴を併せ持ったハイブリッド型の事件だと言えるだろう。連続殺人的な側面は、自殺願望を抱く被害者たちに1人ずつコンタクトを取り、自宅に誘い込んで性的暴行を加えたうえで殺害した点からも明らかであろう。

座間事件の場合、厳密には「スプリー殺人」に分類される。たいていの連続殺人事件の場合、犯行と犯行の間に一定の間隔がある。それら事件の犯人たちは、誰かを殺害した後に「冷却期間」を設けて、しばらくの間は普通の生活を送ることが多い。

やがて日常生活で溜まっていく鬱憤やストレスに我慢できなくなり、次の犯行へと進むことになる。たとえば先述のデニス・レイダーは、最長で7年半も犯行の間隔を空けている。

法廷でのデニス・レイダー[Photo by gettyimages]
一方、座間事件の特徴は、約2ヵ月間で9人を殺害するという驚異的な犯行スピードだった。犯行の間隔は、最短で2日間、長くても18日間しかなかった。このような犯行の展開を見るに、冷却期間を置くことなく、まるで「ひとまとまりの出来事」かのように一連の殺人が行われた座間事件は、典型的なスプリー殺人のケースである。

前述の通り、この事件の異様な特徴の一つが、白石被告が被害者の頭部を自宅に保管していたことだが、それはこのようなスプリー殺人の結果だと考えられる。

白石被告は被害者たちの遺体をバラバラにしてゴミ捨て場に廃棄した一方で、頭部はクーラーボックスに入れて自宅で保管していた。頭部や大きな骨は解体するのに手間がかかるが、不可能ではない。わざわざ見つかるリスクを承知で遺体の一部を手元に置いておいたのは、非常に不可解である。

関連記事
座間事件・10人目の被害者が明かす「私を愛した殺人鬼・白石…

だが、約2ヵ月間に9人を殺害するという、驚異的なスピードで犯行を重ねていた白石被告は、遺体の処理よりも次の犯行へ意識が向いてしまったと考えれば納得がいく。胴体部分は解体できても、手間のかかる頭部が後回しになっていたのであろう。

もっともこの点については、被害者たちの頭部が、白石被告にとって殺人の「記念品」になっていた可能性も捨てきれない。連続殺人犯の中には、犯行現場に戻って自分の殺人行為を確認したり、被害者の所持品を「記念品」として手元に置いておいて犯行を思い出したりする者もいる。彼らにとっては、「殺害=偉業の達成」といった意識があり、「記念品」はそのトロフィーに当たるため大事に保管しておく傾向がある。

たとえば1978年から1991年にかけて、アメリカのオハイオ州やウィスコンシン州で17人の青少年を殺害した「ミルウォーキーの食人鬼」ジェフリー・ダーマーは、頭部や胴体など被害者たちの遺体の一部を意図的に自室に保管し、すでに処分して手元にない遺体についても、写真を撮影して保存していたという。遺体そのものや写真を定期的に見返すことで、犯行の瞬間を思い返していたのだろう。

法廷でのジェフリー・ダーマー[Photo by gettyimages]
警察がアパートに踏み込んだ際、白石被告は「Aさんの頭はここ、Bさんのはここです」といったように、被害者の頭部の場所を正確に説明している。おそらく彼は、頭部の存在を意識しながら生活していたのではないだろうか。

少し話がそれたが、大量殺人と連続殺人に話題を戻そう。ここまで見てきた通り、座間事件には、連続殺人的な特徴が色濃く見られるが、一方で大量殺人的な要素も見られる。そう感じたのは、公判での白石被告の言動がきっかけだ。

「(一審で下された判決が)極刑でも控訴しない」

「すべてを終わらせたい」

このように白石被告はすべてを諦めて、死刑を受け入れているような素振りを見せたという。ほとんどの連続殺人犯はこうした潔い態度を見せない。彼らの多くは司法取引により何とかして死刑を逃れようとするし、たとえ弁護を引き受ける人間がいなくなったとしても、自ら弁護人を務めて法廷で徹底的に闘う。

「被害者たちは自ら死を望み、白石被告に殺されることを承諾していたかどうか」という点について、公判では検察側と弁護側が議論を戦わせた。白石被告はTwitter上で出会った自殺願望を抱く人々を殺害していたため、弁護側は「被害者も同意したうえでの殺人だった」と主張し減刑を狙った。

しかし白石被告本人は、死刑につながることを理解しながらも「被害者たちの承諾はなかった」とする検察側の起訴事実をすべて認めていて、「(弁護士と)方針が合わず、根に持っています」とも話している。

これらの白石被告の法廷での言動は、彼の「生への執着の乏しさ」を示唆するものと考えられ、大量殺人的な特徴と言える。それゆえ、座間事件は2タイプのバイブリッドではないかと分析している。

「猟奇性の根源」はどこにあるのか

連続殺人犯と大量殺人犯、同じ凄惨な殺人事件であるにもかかわらず、なぜそれぞれ異なる特徴があるのだろうか。その理由として、専門的には、幼少期の家庭環境が影響しているのではないかと考えられる。

「(一審で下された判決が)極刑でも控訴しない」

「すべてを終わらせたい」

このように白石被告はすべてを諦めて、死刑を受け入れているような素振りを見せたという。ほとんどの連続殺人犯はこうした潔い態度を見せない。彼らの多くは司法取引により何とかして死刑を逃れようとするし、たとえ弁護を引き受ける人間がいなくなったとしても、自ら弁護人を務めて法廷で徹底的に闘う。

「被害者たちは自ら死を望み、白石被告に殺されることを承諾していたかどうか」という点について、公判では検察側と弁護側が議論を戦わせた。白石被告はTwitter上で出会った自殺願望を抱く人々を殺害していたため、弁護側は「被害者も同意したうえでの殺人だった」と主張し減刑を狙った。

しかし白石被告本人は、死刑につながることを理解しながらも「被害者たちの承諾はなかった」とする検察側の起訴事実をすべて認めていて、「(弁護士と)方針が合わず、根に持っています」とも話している。

これらの白石被告の法廷での言動は、彼の「生への執着の乏しさ」を示唆するものと考えられ、大量殺人的な特徴と言える。それゆえ、座間事件は2タイプのバイブリッドではないかと分析している。

「猟奇性の根源」はどこにあるのか

連続殺人犯と大量殺人犯、同じ凄惨な殺人事件であるにもかかわらず、なぜそれぞれ異なる特徴があるのだろうか。その理由として、専門的には、幼少期の家庭環境が影響しているのではないかと考えられる。

これまで分析してきた無差別殺人犯たちを振り返ると、0~3歳(特に0.5~1.5歳)の期間である「臨界期」の経験が、犯行に影響を与えているケースがよく見受けられる。脳の形成と感情の発達が進むこの時期にある種の出来事を体験すると、成長してからの行動にも影響が現れることが多い。

連続殺人犯を分析していると、幼少期に家庭内で虐待を受けていた事例が数多く見られる。たとえば33人の青少年を殺害した「キラー・クラウン」ことジョン・ウェイン・ゲイシーは、幼少期に父親からひどい虐待を受けていた。父は「グズ」「間抜け」といった侮蔑的な言葉を投げかけながら、よく息子を革のベルトで叩いたという。

逮捕直後のジョン・ウェイン・ゲイシー[Photo by gettyimages]
このように、幼少期に他者から度々「攻撃性」をぶつけられた経験が、その後の破壊的犯行の一因となったことは否定できない。

一方で、大量殺人犯の幼少期の家庭環境を分析していると、保護者による「ネグレクト」が見られるケースがままある。たとえば、2007年にバージニア工科大学で銃を乱射し33名を射殺、17名に重傷を負わせたチョ・スンヒは、非常に口数が少なかった。幼少期に両親と十分なコミュニケーションを取れず、その後も人間関係がうまく築けなかったという。彼も大学で銃を乱射した後、自ら命を絶っている。

座間事件の根源を探る

先述の通り、座間事件は連続殺人と大量殺人の側面を併せ持った「ハイブリッド」だった。白石被告の場合も、幼少期の家庭環境が犯行に何らかの影響を与えたことは否定できないだろう。では、白石家はどのような家庭だったのか。白石被告は幼少期の家庭についてあまり話したがらないという。これは、彼が幼少期を「負の歴史」として認識している可能性が高い。殺人犯の中には、殺人を犯すことで「過去の弱い自分」を乗り越えたと感じる者もいる。

白石被告の場合も、殺人によって過去の自分を乗り越えて、殺人犯としての「強いイメージ」を打ち立てることができたと考えているのではないだろうか。家庭環境や幼少期の経験を明らかにすると、せっかく一新した自分のイメージに傷がつくため、口を閉ざしていると推測できる。

彼の家庭については断片的な情報しか漏れ聞こえてこない。白石被告の父親は大手自動車メーカーの下請け企業で部品設計の仕事についており、「仕事中心で、子育ての時間はなかった」という。一方で、母親については、このように話している。

「母はとても優しく料理が上手な方でした。親からの愛情という意味では恵まれたと思います。歯の矯正をしてくれましたし、視力矯正で病院に通わせてくれました。お母さんの料理も美味しかったです」

他にも「完璧」「きれい」「パチスロにハマった時お金を貸してくれた」など、一見温かい母親を思わせる発言が多い。しかしそのどれも、表面的あるいは物質的な話ばかりなのが気にかかる。なお白石被告が20歳の頃、母親は彼の妹と一緒に家を出て、それ以来彼とは別居している。

確かに、これだけの情報から過去の白石被告に何が起こったのか断定するのは難しい。しかし、他にも報道されている白石家の家庭環境の情報から推察するに、白石被告がまだ非常に幼い時期に、家庭内で何らかの「大きな変化」が生じたと考えられる。

これは決して「白石家に虐待とネグレクトの両方があった」と断言するものではない。しかし幼少期に家庭内での人間関係やコミュニケーションのあり方が「AからB」へと正反対の方向へ劇的に変化し、それが虐待と類比できるような影響をもたらした結果、異なる2つの要素をあわせ持った凄惨な殺人事件へとつながったのではないだろうか。

 

 


ある「大事件」の重要参考人? 「硫黄を45kg所持」で身柄を拘束された茨城県の男の正体

2020年12月23日 23時05分32秒 | 事件・事故

12/23(水) 16:01配信

現代ビジネス
特殊部隊の隊員も出動

「11月19日の朝6時ごろ、Aさんの家の前には規制線が張られ、何台もの警察の車両が停まっていました。捜査員の数は何十人という単位です。上空には、警察のものと見られるヘリも飛んでいました」(近隣住民)

【写真】マスコミが絶対に報じない、猟奇的な「座間事件」が起きた本当の理由

 ある「珍事件」が注目を集めている。

 11月20日、埼玉、茨城の両県警は埼玉県三郷市に住む25歳の男性、A容疑者を三郷市火災予防条例違反の疑いで逮捕した。容疑は「硫黄を45kg所持していた」という聞き慣れないものだ。

 全国紙記者が語る。

 「確かに硫黄は危険物ですが、爆発物を製造していた形跡もない。普通なら身柄を拘束されるような案件ではありません。にもかかわらず、現場には多数の捜査員が投入され、防煙マスクを着用した特殊部隊の隊員6名も配備されていました」

 自宅にいたA容疑者は確保され、埼玉県警の所轄署に移送。以降、勾留されたままになっている(12月8日時点)。前出・住民が語る。

 「19日以降、警察は1週間ほどずっとAさんの家を調べていましたね。毎朝、パトカー1台と捜査車両2~3台がやってきていました。Aさんの弟さんも警察から聴取を受けたと聞きました」

 A容疑者は無職で、近所でも「ほとんど出歩く姿を見かけなかった」(住民)という。微罪にもかかわらず、当局がここまで大掛かりな捜査をする「真相」は何なのか。

 「実は両県警は、A容疑者を、昨年、茨城で起きたある重大殺傷事件の重要参考人と見ているのです。

 当局は、A容疑者が事件当日に現場周辺にいたというGPS記録を持っているようですが、犯行に繋がる直接証拠がない。それで別件で逮捕し、自供を引き出そうとしたのです」(前出・記者)

 両県警はA容疑者を別容疑で再逮捕する方針だ。「当局はA容疑者の勾留期間を延長し、聴取の『仕上げ』に入ろうとしている」(同前)という。

 年の瀬に、大事件の真相が明らかになる可能性は十分にある。

 『週刊現代』2020年12月12・19日号より

【関連記事】


コロナ禍、届かなかった10万円 路上で聞いた諦めの声

2020年12月23日 23時02分16秒 | 社会・文化・政治・経済

12/23(水) 15:29配信

朝日新聞デジタル

横浜市西区にある公園のベンチ。中央に仕切りが設けられ、人が横たわれないようになっている=2020年12月18日午前9時24分、横浜市西区、土屋香乃子撮影

 街の様子を一変させた、新型コロナウイルスの感染拡大。神奈川県の路上で暮らす人々にどんな影響を与えたのか、春から取材を続けてきた。

【写真】「もう元には戻れない」コロナ感染、住吉美紀アナが流した涙

 緊急事態宣言が出された4月、生活困窮者を支援する団体の横浜市内でのパトロールに同行した。駅の地下街や公園、高架下などで路上生活者と話をした。炊き出しがなくなったり、図書館などが閉鎖されて日中の居場所がなくなったりと、影響は様々なところに及んでいた。

 ネットカフェで生活していたが、休業要請による閉店で行き場を失い、路上をさまよった男性もいた。5月に川崎市内で行われたパトロールに同行した際、出会った男性は、集めて現金化するアルミ缶の値段が下がったと話していた。

■「誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」

 「住民登録がないから、10万円が受け取れない」。1人10万円の特別定額給付金の支給期間中、取材で出会った路上生活者の多くが抱えていた悩みだ。給付金を受け取るためには、住民登録をしている自治体から住所地に届いた書類で申請する必要があるが、路上生活者は住民登録をしている自治体を離れて生活していたり、そもそも登録地がなかったりする場合が多い。

 「仕方ないよ」「元々もらえると思ってない」。聞こえてくるのは怒りよりも、諦めの声だった。最も支援を必要とする人々に支援が届かない実態が、コロナ禍で浮き彫りになった。

 横浜市によると、今年1月時点で、約380人が市内の路上で生活。コロナ禍を経ても、その数が大きく増えたわけではないという。一方、家賃を補助する住居確保給付金の申請件数は4月以降激増した。目に見えないだけで、路上生活の手前で踏みとどまっている人は少なくないのだ。

 取材を重ねると、街の見え方が少し変わった。ひじかけを設置して人が横たわれないようになっているベンチや、フェンスで囲われた高架下のスペースなどが目に付くようになった。どれも、路上生活者を排除する役割を果たしている。ベンチで寝ることも許さないという街のあり方が、「10万円をもらえるわけがない」という諦めにつながっているようにみえる。

 今月上旬、藤沢市内の路上生活者の「クリスマス会」に参加した。教会の一室に15人ほどが集まり、カレーに舌鼓を打ったり、歌を歌ったり。ビンゴの景品として用意されたのは、保温効果のある下着やレギンス、靴下、カイロなどだ。銀色の保温シートをうれしそうに抱いて帰って行く男性の姿が印象的だった。

 「彼らはこういう季節のイベントからも排除される。でも、誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」。支援団体の男性の言葉がずしりと響いた。彼らのために何ができるか、自問しながら取材を続けたい。(土屋香乃子)


■住む場所に困ったら相談を 横浜市が大みそかまで窓口

 新型コロナ感染拡大による経済不安が広がる中、年末にかけて失業したり住居を失ったりする人が出る恐れがあるとして、横浜市は初めて、通常の役所の窓口が閉じている年末の29~31日に、住居相談などに応じる臨時窓口を開く。住居がない人のために、年を越せる宿泊場所(約60室)と食事も用意する。

 市によると、窓口は新型コロナの影響などで生活に困窮し、住む場所に困っている人が対象で、中区の市寿福祉プラザ1階に開設する。3日間限定で、午前9時半~午後2時。各日5~7人の市職員が対応し、生活保護や住居確保給付金を含む、生活困窮者自立支援制度などを案内する。住居確保給付金に関する相談では、申請書類の提出も受け付け、市役所が開く来年1月4日以降に審査できるよう手続きする。

 すでに住居を失い、寝泊まりする場所がない人には、宿泊場所と食事も提供する。

 市によると、今年5月の大型連休中にも臨時窓口を設置し、76件の相談を受け付けた。年末の閉庁期間中に大みそかまで対応する窓口を設けるのは初めてという。例年、年末が近づくとこうした相談は増えるが、担当者は「今年はいつも以上に多く、危機感がある。感染拡大が止まらない中、失業したり会社の寮から退出させられたりする人がいるのではないか。役所が閉まる年末も相談先を残しておくべきだと考えた」と話す。

 相談は電話やメールでも受け付ける。電話は045・641・0383、メールはkf-seikatsusodan@city.yokohama.jpへ。いずれも開設時間内の対応になる。(松沢奈々子)

【関連記事】


早朝の散歩の道程の風景

2020年12月23日 15時27分55秒 | 日記・断片

早朝の散歩、鈴木さんは井野団地前の井野公民館から元井野小学校、元取手第一中学、本願寺、ビッグAを経て、ヤオコウへ午前4時50分前後に到着して、体操をしている。
約10分後に西田さんと当方が東6丁目からやってくる。
3人が合流してから、以前ならガソリンスタンド、農協前を通り、水路沿いの道の吉田地区を経て吉田保育所から利根川堤防まで行っていた。
その後、ホンダ自動車の営業所の道へ出て、ミスターマックスの前から東6丁目のグリーンベルト(通称)を通り、西田さんの家の前で、猫のタマの出迎えを受けていた。
鈴木さんは猫のタマに声をかけて満足する様子だった。
現在は、散歩の道程を短縮して、ヤオコウ前から右折してカスミ方面、郵便局を経てミスターマックスから東6丁目のグリーンベルトのコースになったので30分以上散歩が短くなった。
真っ暗な道で星と月しか見えないが、曇っていたら何も見えない散歩道なのだ。

参考のための、昼間の風景を掲載する。

 


15年前に生徒と性行為、教諭を免職 昨年に女性が通告

2020年12月23日 15時02分17秒 | 事件・事故

12/23(水) 7:33配信

朝日新聞デジタル

兵庫県教育委員会がある兵庫県庁=神戸市中央区

 兵庫県教育委員会は22日、15年前に教え子の女子生徒とわいせつな行為をした男性教諭ら計4人を免職とするなど、あわせて11人を懲戒処分し、発表した。

【写真】別の事件で、担任から性暴力を受けた娘の被害について語る母親

 県教委によると、神戸地区にある県立高校の50代男性教諭は2005年4~12月、当時の赴任先だった高校の女子生徒と複数回、性行為をしたという。昨年10月、この女性から「わいせつ行為がこれ以上増えないように」という趣旨のメールが県教委に寄せられた。男性教諭は聞き取りに「(女性が)不快に感じたなら謝罪したい」と話している。県教委は「懲戒処分に時効はない」としている。

朝日新聞社

【関連記事】


袴田さん再審 高裁へ差し戻し

2020年12月23日 14時59分17秒 | 事件・事故

12/23(水) 14:10

静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で、最高裁は袴田巌さんの再審(=裁判のやり直し)の審理を、東京高裁に差し戻す決定をしました。

死刑が確定していた袴田巌さんは、2014年に静岡地裁で再審の開始が認められ、48年ぶりに釈放されていました。この決定に検察側は不服を申し立て、2018年、東京高裁は一転して再審の開始を認めない決定をしました。弁護側は最高裁に特別抗告していましたが、最高裁は22日、東京高裁に審理を差し戻す決定をしました。再審請求ではみそタンクの中から見つかったみそづけの衣類に付着した血液の色合いが、不自然かどうかが争点の一つになっていました。

最高裁は決定の中で「血液の色合いに影響を及ぼす要因である、みそと血液の化学反応に関する専門的知見について審理を尽くしていない」と指摘。「専門的知見等を調査するなどした上で、付着した血液の色合いが1年以上みそづけされていたとの事実に合理的な疑いを差し挟むか否かについて判断させる」として審理を差し戻しました。

袴田さんの死刑の執行停止と、釈放も継続されます。

【関連記事】