幸福感を高めるための「7つの能力」。
幸せは “とても簡単な習慣” でつくり出せる!
みなさんは、最近幸せを感じられていますか?
ポジティブ心理学を専門とするショーン・エイカー氏は、幸福度が高ければ、知能・創造性・エネルギーも向上すると述べています。
つまり、“幸せである” という状態が、あなたの仕事や勉強を成功に導いてくれるというのです。
今回の記事では、もっと幸せを感じたい、物事を上向かせたいあなたのために、幸福感を高めるための「7つの能力」をお伝えします。
1. 新しい体験をして「探求力」を高めよう
旅行に出かけて、楽しい気分になった経験をもつ人は多いでしょう。
じつは、新しい場所へ行くと幸福感がもたらされることが明らかになっています。
マイアミ大学の研究で、GPSで被験者132名の追跡調査を実施。
その間、被験者に心理状態を報告させ、MRIで脳の分析を行ないました。その結果、身体的な移動によりポジティブ感情が増加したのだそう。
そして、より多く新しい場所へ行って幸せを感じた人の脳では、記憶と意欲に関わる部位の結びつきが強まっていたのだとか。
研究に携わったマイアミ大学のアーロン・ヘラー氏によれば、「“遠い場所” ではなく “多様な場所、新しい場所” へ行くこと」が重要だとのこと。
普段とは違う店に行き、珍しい品物を見たり、触ったり、新しい情報を聞いたり……。五感を活用しながら、さまざまな体験をしてみてはいかがでしょう。
2. スリー・グッド・シングスを書いて「発見力」を高めよう
日頃どういう情報にさらされやすいかによって、幸福感は左右されます。
日常のなかに、よい情報を見つける力を鍛えておきましょう。
オハイオ州立大学は研究で、被験者に下記3つの写真を見せました。
- ポジティブな画像
- ネガティブな画像
- なんの感情も起こらない中立的な画像
その結果、被験者はネガティブな画像に最も強く反応を示したのだそう。
人間は本来、ネガティブな情報に注目しやすいのです。
そこでおすすめなのが、“今日のよかったこと” を3つ書く「スリー・グッド・シングス」。
心理カウンセラーの中島輝氏は、「よいこと」を書く習慣により、脳が勝手に肯定的なことを探し、期待感をもてるようになると言います。これがポジティブ思考を維持する秘訣なのだそう。
笑顔で挨拶ができた、同僚と楽しい会話ができた、電車から見える景色がきれいだった——日常的に “いいこと” を探す習慣が、幸福を見つける感度を高めてくれるでしょう。
3. 親切なことをして「与える力」を高めよう
「情けは人の為ならず」という言葉があるように、親切な行為はめぐりめぐってあなたによい影響をもたらすようです。
香港大学の研究者らは、のべ198,213名を対象とした201件の研究をメタ分析し、社会的な活動と個人の幸福感に関連があることを明らかにしました。
さらに掘り下げたところ、社会奉仕活動よりも、「高齢者の荷物を持ってあげる」などの小さな親切のほうが幸福感と強い関連があったのだとか。
なお、カリフォルニア大学の心理学教授ソニア・リボムスキー氏によれば、親切な行為は「週に1回」がちょうどよいとのこと。コーヒーを淹れてあげる、後輩の相談に乗るなど、週に1度は人に優しくすることを心がけてみてはいかがでしょうか。
4. 自己受容の日記を書いて「受容力」を高めよう
幸福感を得るためには、周囲だけでなく、自分に対しても優しくあることが大切。ありのままの自分を受け入れる力を身につけましょう。
「幸福学」の第一人者・慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏は、「自己受容の度合いが高い人ほど人生満足度が高い」と述べています。
なぜなら、ありのままの自分を受け入れる力は、深い自己肯定感に関連しているため。どんな自分でも肯定できるようになるには、「いまの自分でいい」と許すことが大切なのです。
自分を受け入れられるようになるために、精神科医の樺沢紫苑氏が推奨するのは、「自己受容の4行日記」。その日のネガティブなことを1行書いたら、フィードバックを1行。そのあと、3行ポジティブなことを書き、一日を締めくくるフィードバックを書いて完成です。
【例】
- 【ネガティブ1行】上司の指示とは違うことをしてしまった。
- 【フィードバック1行】誰でも誤解することはある。次はよく確認すれば大丈夫!
- 【ポジティブ3行】同僚から差し入れをもらった。ランチがおいしかった。仕事がスムーズに進み、定時で帰れた。
- 【フィードバック1行】以前より立ち直りが早い。少しは成長しているかも!
一日を振り返りながら、自己受容を高めていく習慣を始めてはいかがでしょうか。
5. 感情ジャーナリングで「感情コントロール力」を高めよう
日々をよい気分で過ごすには、感情に振り回されないことが重要。
それには “日記” が有効のようです。
カリフォルニア大学教授の心理学者マシュー・リバーマン氏が行なった研究では、感情的な体験を書く行為により、脳の感情をつかさどる部位である扁桃体の活動を抑えられ、感情をコントロールできることが明らかになったのだそう。
そこでおすすめなのが、戦略デザインファームの株式会社BIOTOPE代表で、思考法に関する著書をもつ佐宗邦威氏が紹介する「感情ジャーナリング」。
嬉しかったことや後悔していることなど、自分の心の奥底にある気持ちに焦点を充て、ありのままに書いていくというものです。
ポイントは、最後にポジティブな言葉で締めくくることだそう。
たとえ否定的な言葉を書いても、最後の締めで充足感を高められると言います。
毎日決まった時間にノートを開き、自分のありのままの気持ちと向き合う習慣をつけてはいかがでしょうか。
6. 感謝の日記を書いて「感謝力」を高めよう
「ありがとう」と言葉にして不快に感じる人は少ないでしょう。
研究からも、感謝の気持ちをもつことは幸福度に寄与すると証明されています。
カリフォルニア大学の心理学部教授ロバート・エモンズ氏が行なった研究では、10週間にわたり、被験者に感謝したことを毎週5つ書かせたところ、幸福度が25%上がり、運動する時間が30%増え、健康に関する悩みも改善されたと明らかにされています。
脳科学者の細田千尋氏によれば、「感謝しやすい人」は、よいことをされると「自分のためにこんなにもしてくれた」とその行為を特別視しやすいのだそう。
この “よい思い込み” が、楽観性を生み出し、幸福感につながるのだと言います。
細田氏によれば、感謝は毎日書き出すほうが、より効果は高いとのこと。
ですが、上の研究のように、週1回の感謝を10週間続けても効果は見られます。
一日の終わり、あるいは一週間の終わりに、“ありがとう” と思えることを5つ書きとめてみませんか?
7. クリエイティブ活動をして「創造力」を高めよう
有名なアーティストが自己表現を通して心を保っているように、クリエイティブな活動は私たちの気分によい影響を与えてくれるようです。
ニュージーランドのオタゴ大学の研究者らは、658人の被験者に13日間、彼らの体験と気分の状態を日記につけるよう指示しました。
すると、クリエイティブな活動を行なった翌日に、被験者らの幸福度が大きく高まっていることが示されたのです。
研究で被験者が実際に行なった活動は、作詞・作曲、創作料理、編み物など。
これらに限らず、あなたが楽しめるクリエイティブな活動にぜひ勤しんでみてください。
創作活動を通して心が癒され、日々の幸福感を高めてくれるでしょう。
***
ぜひ、自分に必要な能力を磨いて幸福感を高め、人生を上向かせていきましょう。
(参考)
TED|ショーン・エイカー「幸福と成功の意外な関係」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます