医科学など専門家を配置
「国策強化の行方」
共同通信社 2016年4月8日 配信
スポーツ庁が五輪でのメダル量産に向けた施策として中核に据えるのが、有望競技を情報・医科学面から支える「ハイパフォーマンスサポート事業(旧マルチサポート事業)」だ。2009年秋に本格的に始まり、16年度予算は過去最多の35億円。スポーツ強国に倣い、支援の「高度化、専門化」(鈴木大地長官)に取り組む。
対象は夏季五輪では18競技。日本スポーツ振興センター(JSC)が国費で情報分析やトレーナーなど約50人のスペシャリストを雇用し、各競技に配置している。日本独自の用具開発は筑波大が企業と組んで進めており、12年ロンドン五輪ではフェンシングの剣のグリップや、前傾姿勢を取りやすいレスリングのウエアをつくった。リオデジャネイロ五輪に向けても「秘密兵器」の準備を進めている。
五輪で現地の支援拠点となる「ハイパフォーマンスサポート・センター」もJSCがこの事業で設置する。4年前のロンドンでは和食や、疲労回復効果のある炭酸泉のプールなどを選手に提供し、史上最多38個のメダル獲得を後押しした。
JSCによると、五輪前年の世界選手権で8位以内に入った選手の五輪でのメダル獲得率は北京大会では19・7%だったが、ロンドン大会では32・1%と大きく伸びた。和久貴洋(わく・たかひろ)情報・国際部部長は「最後の調整の環境が整ったことで成功率が上がった」と自負する。
競技団体が独自に実施するのは難しい、多角的な支援。より現場のニーズに合った取り組みを実現するため「研究のための研究になっては駄目」(スポーツ庁関係者)「サポートする側も進化しないといけない」(JSC担当者)と、模索が続く。
(長谷川)
「国策強化の行方」
共同通信社 2016年4月8日 配信
スポーツ庁が五輪でのメダル量産に向けた施策として中核に据えるのが、有望競技を情報・医科学面から支える「ハイパフォーマンスサポート事業(旧マルチサポート事業)」だ。2009年秋に本格的に始まり、16年度予算は過去最多の35億円。スポーツ強国に倣い、支援の「高度化、専門化」(鈴木大地長官)に取り組む。
対象は夏季五輪では18競技。日本スポーツ振興センター(JSC)が国費で情報分析やトレーナーなど約50人のスペシャリストを雇用し、各競技に配置している。日本独自の用具開発は筑波大が企業と組んで進めており、12年ロンドン五輪ではフェンシングの剣のグリップや、前傾姿勢を取りやすいレスリングのウエアをつくった。リオデジャネイロ五輪に向けても「秘密兵器」の準備を進めている。
五輪で現地の支援拠点となる「ハイパフォーマンスサポート・センター」もJSCがこの事業で設置する。4年前のロンドンでは和食や、疲労回復効果のある炭酸泉のプールなどを選手に提供し、史上最多38個のメダル獲得を後押しした。
JSCによると、五輪前年の世界選手権で8位以内に入った選手の五輪でのメダル獲得率は北京大会では19・7%だったが、ロンドン大会では32・1%と大きく伸びた。和久貴洋(わく・たかひろ)情報・国際部部長は「最後の調整の環境が整ったことで成功率が上がった」と自負する。
競技団体が独自に実施するのは難しい、多角的な支援。より現場のニーズに合った取り組みを実現するため「研究のための研究になっては駄目」(スポーツ庁関係者)「サポートする側も進化しないといけない」(JSC担当者)と、模索が続く。
(長谷川)