仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

校長の話は、経営ビジョンの具体化のためにある。・・・漢字指導について、次のように話しました。

2021年04月09日 | 学校経営
校長は、学校内で語る機会が多い。

宮崎県では、職員研修会の最後に話をすることが多い。

そのほかにも、職員会議の最後、連絡会の最後、そのほかにも、PTA行事の前か後に話をする。

話をするのが、校長の仕事の一つである。

そして、その話というのは、手段である。

それは、校長の学校経営ビジョンを具体化するための手段である。



例えば、本日の連絡会では次の話をした。

 学力向上を進めるための話である。




 授業を参観させていただいておりますが、どの学級での授業を見ても、学習の進め方の仕組みを作っていることが分かりました。

 1年間のはじめの指導で、学習の進め方の仕組みを指導するというのは、とても重要なことです。

 本日は、すべての学級の国語の授業を見せていただきましたが、漢字指導の仕組みを作り、自分たちでも漢字の学習ができるように指導されていることが分かりました。

 ところで、漢字を学ぶ際には、「指書き」「なぞり書き」「写し書き」「空書き」がありますが、それぞれをどの順番で行うかが、学級によって少しずつ違っていました。

 どの順番で学習するのが、効果的なのでしょうか?

 これは、先生方で話し合って、最も学びやすい順番を考えるのがよいと思います。

 宮崎県では、「授業改善のための4+4のチェックポイント」がありますよね。

 この中には、「職員が相互に授業を気軽に参観する」ことも勧められています。

 それぞれの漢字指導を参観し合うのも、学びが多いと思います。よかったら、お互いに参観し合いながら学んでみて下さい。

 参観する際の自習監督や代わりの授業などには管理職が入りますので、どうぞ言って下さい。 




 スモールステップの視点からいうと、どの順番に学習するのがよいかは、明らかである。

 ただ、こちらから、「この順番で漢字の学習は進めて下さい」と言うのは、あまりよい方法ではない。

 どの順番で漢字の学習をするのが良いのか、児童に定着するのかを自分たちで考える方が、指導力は高まる。






 このように、校長が語るのは、学校の経営ビジョンを具体化するためである。





 ただ、この話でよかったのか、もっと職員の心にグッとくる語りはできないものか、日々試行錯誤中である。

 そのためには、校長こそが一番学んでいなければ、職員の心にも響かないと考えている。
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「黄金の3日間」で一番重視していた事

2021年04月07日 | 学校経営
 「黄金の3日間」といわれる新年度開始の3日間が始まった

 この時期に、自分が一番重視していたのが「聞く」ことの徹底だった。


 教師の話を聞かせる、聞かせた以上は必ず徹底させる。

 たとえば、「教室を移動するときには、静かにしましょうね。」と言ったとする。

 もちろん、静かにする事で、周りの教室の人の迷惑にならないからという趣旨説明をする。

 その上で、徹底させる。


 他の教室にみんなで移動する際は、静かに行くようにさせる。

 もし、静かでない場合はやり直しをさせる。

 優しく、しかし毅然と言う。


 「今、話し声がしましたね。さっき言った通り、静かに移動します。

 もう1回やりなおしましょうね。」



 と言って、やり直しをさせる。


 これを徹底する事で、指示が通りやすくなる。



 もし、「静かに移動しましょうね。」と言っておきながら、児童が喋っていても見過ごすならば、問題である。


 そう言うときに児童が学ぶのは、以下の通りである。


 「この先生は、言っていることを守らなくてもいいんだな。」


 この聞かない状態が続くと、学級崩壊に近づいて行く

 


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管理職として、最悪の事態を想定して備える その1 緊急連絡先を把握する

2021年04月06日 | 学校経営
 以前聞いた話であるが、ある学校の先生が、集会活動の後、具合が悪くなって倒れたことがある。

 すぐに救急車を呼び、処置したお陰で無事ではあった。

 ただ、身内の人に連絡を取ろうとしたが、分からない。

 身内の人の連絡先が分からないのである。

 とても困ったという事である。



 そこで、職員に万が一のことがあった時の為に、緊急連絡先を聞くことにした。

 自分以外の身内の人の連絡先を聞くのである。

 もちろん、個人情報なので、強制ではない。

 ただ、趣旨を話すと、みなさん協力してくださる。

 

 管理するのは、管理職と養護教諭である。

 学校で職員に何かあった場合、例えば「倒れた」「何らかの事故に巻き込まれた」というときに、身内の方に連絡を取れる体制を作るのは重要である。

 備えあれば憂いなしである。




 この「備える」というのは、私にとっておまじないとか魔除けのようなものでもある。

 最悪の事態を想定して準備している時は、そうそう最悪の事態は起きないものである。

 油断すると危ない。



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会議を短時間で終わらせる進め方:資料は黙読させる

2021年04月05日 | 学校経営
 会議では、提案者が「資料をよむ」という行為をしない。

 理由は、時間が掛かるからである。


 会議の進め方は、次の通り。


1 提案者が、提案資料のどこをどのように読めば良いかを短く説明する。
 (できれば、この説明もない方が望ましい。読めばわかる資料が望ましい。)

2 参加者は、資料をよむ。(黙読する)

3 資料を読んで質問、意見を聴く。 


 提案者が資料をもとに説明をし出すと、会議時間は長くなる。

 黙読する事で、会議時間は大幅に短くなる。



 ちなみに、会議資料を事前に配布して、「事前に読んでおいてください」ということもしない。

 みんな忙しいに決まっている。

 もし、「事前に読んでいてください」というのならば、そのよむ時間も確保した上で提案すべきだと考えている。



 そして、会議でも研修でも資料だけ印刷して、「後でお読み下さい」というのも効果はかなり薄いと考えている。

 後で読む時間などはないので、ほとんど読まれない。


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教師であれば意識して欲しい「3つのJ」:情熱、授業力、そしてもう1つは

2021年04月04日 | 学校経営
 「2つのJ」といえば、内村鑑三が信仰する「Jesus」すなわちイエス・キリストと「Japan」すなわち日本の二つのことを指す。

 自分は、校長として、年度当初の学校経営方針で、「3つのJ」を大切にして欲しいと職員にお願いした。

 「3つのJ」とは、

 情熱

 授業力

 上機嫌


 である。


 いずれもプロであれば大切にしてほしい。


 情熱無くしていい仕事はできないだろうし、授業力は、教師としての根本の力となる。



 そして、社会人として必要なのは、「上機嫌」だと考えている。

 自分の都合で不機嫌になる人は、やはり周りの人間に気を遣わせてしまう。


 ましてや教室で子供が教師の顔色を見ながら過ごすなどはあってはならないとさえ考えている。

 いつも子供達から見たら、「先生は上機嫌だ、話しかけやすい。」と、思われて欲しい。




 と、書いたが、

 「情熱、授業力、上機嫌」の3つを、最も心がけるべきは、校長の自分自身であると考えている。

 頑張ります。



 なお、この「3つのJ」の考え方は、鈴木健二先生氏に教えて頂いた。


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転勤した直後に感じる違和感は、学校を変えるヒントを与えてくれる。

2021年04月03日 | 学校経営
 新しい学校に転勤すると、当然のことだが、違和感を感じることがある。

 その違和感は、学校を変えるのに役立つことがある。

 例えば、校内での文書の決裁方法についてである。

 新しい学校の校内決裁用紙を見たときに、違和感を感じた。



 下半分は不要ではないかと感じた。

 下半分にある「○○について」の○○には、文書のタイトルを書かなくてはならない。

 いちいち書くことになる。

 この決裁用紙の後には、決裁を受けるための資料が添付される。

 その資料には、タイトルが書かれてあるはずだ。

 それならば、決裁用紙にいちいち書く必要は無い。資料を読み始めれば分かることだ。

 これまでの勤務してきた学校でもそうだった。

 
 「○○について」の、○○の部分を書くのに必要なのは、10秒程度かもしれないが、年間には何十回、何百回と書くことになるだろう。

 その積み重ねは相当なものになる。



 この決裁用紙には、「標題」は書かなくてもよいのではないですか?添付資料には書いてあるはずなので。」

 と、提案したら、「助かります」「有り難いです」という声が返ってきた。

 職員の方々も、そう思っていたようである。

 


 今後は、決裁用紙自体も不要になることだろう。

 効率化が図られれば、それに越したことはない。


 
 転勤したときは、新しい学校のルールに違和感を持つことがある。

 意味があって、大事にしているならば別だが、違和感を感じたら、どんどん改善の提案をした方がよいと考えている。

 転勤した直後は、特にチャンスである。
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都合の悪いことほどすぐに報告してもらうための話・・・トラブルになりそうな事案は ○○ である

2021年04月02日 | 学校経営
 トラブルが大きくなる前には、報告をしてもらう必要がある。
 
 報告がなければ、管理職としては動きようがない。

 報告を重視してほしいということを伝えるために、

 次のような話をした。



 些細なことでも、気になることは報告をしてください。特に、都合の悪い事案、トラブルになりそうな事案ほど早く報告をしてください。

 都合の悪い事案というのは、たとえていうならば、「爆弾」です。

 そのまま持っていたら、いつか爆発します。

 そうなる前に、爆発しなくなる手立てをとらなければなりません。

 報告をするというのは、「爆弾」を管理職にも持ってもらう、つまり責任を共有してもらうということです。

 「爆弾」の解除方法は、管理職の方が詳しいことが多いです。

 経験が多いだけでなく、「爆弾」を解除する他の機関も知っています。

 そして、「爆弾」を爆発させないという義務と責任も持っています。


 トラブルの種という「爆弾」を持つことになった場合、すぐに管理職に報告相談をしてください。

 一人で抱え込むことだけはしないようにお願いします。

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校長と教頭の仕事のリズムは違う。・・・校長としてわきまえるべき配慮

2021年04月01日 | 学校経営
 校長は、ある程度ヒマであるべきだ。

 なぜなら、考える時間、決断する時間が必要だからである。

 事務仕事に追われていては、考えたり決断したりする時間がとれない。

 反対に、教頭は忙しい。

 やるべき事務仕事や外部との連絡調整が次から次にやってくる。



 校長として考えるべきは、次である。

 「教頭の仕事の時間を奪わない」

 教頭に相談をするのはよい。
 
 報告や連絡をしたりするのもよい。

 ただし、わきまえる必要はある。

 それは、

 校長と教頭の仕事のリズムは違うということである。


 教頭としてつらいのは、「時間を奪われること」である。

 もちろん、重要な事案については時間を割く。

 いじめや大けがに関する問題対応には、十分時間をとる。


 しかし、そうではないものについては、なるべく短時間ですむように配慮するのは、校長として大事だろう。
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教師のやる気を引き出してくれた僻地の学校のお出迎え

2021年03月31日 | 学校経営
 僻地の学校に転勤した際に、そこの教頭先生から、次のように尋ねられた。

 「引っ越しは、いつするんですか?いつ、こちらの住宅にいらっしゃいますか?」


 単身赴任だし、荷物もあんまり無いので、土日に少しずつ運び込むつもりだった。

 そのため、特に日時は決めていない事を伝えると、


 「地元の人は引っ越しの手伝いに来ます。子供達も親も地元の人も来ます。それが顔合わせにもなりますので、日時を決めてきてもらえませんか?」

 と言われたので、日時を伝えて、引っ越しをすることにした。。

 

  出迎えるのならば、きっと仕事を休むことになるだろう。

 申し訳ないなあという気持ちで、学校そばの住宅に向かうと、びっくりした。




 その学校の児童数の4~5倍の人が出迎えてくれている。

 子供、保護者、地域の人までいる。

 子供達は、「○○先生、ようこそ」という文字を1文字ずつ手にしている。

 子供の歓迎の挨拶まであった。

 その後には、引っ越しの手伝い。

 荷物下ろしは5分もかからなかった。

 


 歓迎されていることが伝わってきた。

 こんな出迎え方をされたら、もともとあったやる気が更にパワーアップしてしまう。

 「100%の力を出して教育実践をしよう」という気持ちでいたのが、

 120%、いや150%や200%の力さえ出せそうな気がしてくる。

 ありがたい歓迎だった。

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教頭が感激した校長の言葉

2021年03月26日 | 学校経営
 以前、小さな学校で教頭職をしていたときのことである。

 夏の休暇をいつ取るか決めなくてはならないときがあった。

 お盆の辺りは、自分が出勤するつもりだった。

 自分が出勤して、校長をはじめ、職員がゆっくり過ごせればいいなあと思っていた。

 お盆以外の日に休暇を取るように書いて、校長に持って行ったところ、次のように言われた。



「教頭先生、夏の休暇は、教頭先生に、一番ゆっくりしてもらいたい。」

「お盆だけでなく、ほかの日にも、なるべく休暇を取ってゆっくり家族と過ごして下さい。」

「その分私(校長)が出勤しますから、大丈夫ですよ。」



 嬉しかった。

 教頭は仕事量が多いことを十分に理解して下さっていると思った。

 (本当は、精神的なプレッシャーは、校長の方が圧倒的に大きい。校長の方が激務ではないだろうか。)



 自分も校長になったら言ってみたい言葉である。 

「教頭先生、夏の休暇は、教頭先生に、一番ゆっくりしてもらいたい。」と。
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これこそいい意味での「校長先生の話」のお手本・・・校長先生の話って退屈なものですか?

2021年03月01日 | 学校経営
 昨日は、「管理職の話は面白くないと言われないためのアドバイス・・・野口流「校長先生のお話」の方針」を書いた。

 ここで野口先生ならではの「校長先生のお話」の方針を5つ紹介した。

 この5つの方針のうち、特に1と2を見事に具体化した校長先生の話がある。
 
1 子供にも、教師にも楽しみにされる話をする。そういう集会にする。

2 担任が話すべき内容は話さない。特に「注意」や「お説教」


 この方針に沿っている「校長先生の話」が詰まっているのだ。

 それが次の本である。

 校長先生の話って退屈なものですか? ← クリック

 著者は段正一郎氏、宮崎県で高校の校長先生をされた方である。

 入学式や始業式、終業式それぞれで話された内容が掲載されている。

 例えば、平成25年7月31日 1学期の終業式での話



 タイトルは、「私の17歳の夏」

 著者は、17歳の夏に、母親ががんで入院していたにもかかわらず、九州一周サイクリングの旅に出かけた話を具体的に書いている。

 母親の病気が治る願掛けもしながらのサイクリングである。

 17歳の夏に感じたであろう心理描写や情景描写も見事である(が、長くなるのでここには書かない)

 17歳の夏の体験談を語ったあと、次のように続ける。



 なぜ、今日皆さんに、このような話をしたのか。

 夏休みだから映画を観なさい、と言いたいわけではありません。

 また、サイクリングに行きなさい、と言いたいわけでもありません。

 私は、三十七歳の夏にお前は何をしていたか、と聞かれてもすぐには答えられません。

 四十七歳の夏はどうだったか、と聞かれても答えられません。

 でも、十七歳の夏はどうだったか、と聞かれれば鮮明に記憶しています。

 高校時代というのは、特別な三年間だと思います。

 青春という言葉で彩られるほど美しくはありません。

 どちらかというと、苦しくて、惨めで、つらい季節だと思います。

 どうか、私がそうであったように皆さんにももがいてほしいと思います。

 その体験が、皆さんの人生の基礎を作ってくれるような気がします。

 さて、明日から、つかの間の夏休みです。

 夏休みとはいっても、皆さんは多忙ですね。

 時間をうまく使って、何か皆さんの心に残るような経験ができることを願っています。






 きっとこの高校の先生や生徒達は、校長先生の話を楽しみにしていたことだろう。

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管理職の話は面白くないと言われないためのアドバイス・・・野口流「校長先生のお話」の方針

2021年02月28日 | 学校経営
 校長や教頭などの管理職になると、職員や子供達の前で話す機会がある。

 校長になると、かなり多い。

 一般の会社でも、管理職が話をする機会というのは多いのではないだろうか。

 「面白い」「また聴きたい」と思わせる話ができる管理職もいるが、多くの場合、「管理職の話は面白い」というのは、あまり多くはないそうだ。



 自分も管理職なので、「面白い」「また聴きたい」「役に立った」と思われるような話がしたい。

 

 野口芳宏先生の「学校づくりの修業」を読んでいたら、参考になるところがたくさんあった。

 その中の一つを紹介したい。


 これまでに私が見聞きしてきた全校集会の校長の話というのは概して退屈であり、子供にとっては迷惑そうに映っていた。

 そこで私は校長になってから、全校集会については次のような原則を立てて自らの戒めとし、子供にとっても、教師にとっても「次が楽しみ」な「校長先生の話」を演出したいと考えた。

 ◆「校長先生のお話」の方針

1 子供にも、教師にも楽しみにされる話をする。そういう集会にする。

2 担任が話すべき内容は話さない。特に「注意」や「お説教」

3 必ず与えられた時間の中で切り上げる。延ばさない。

4 千篇一律、十年一日を廃し、バラエティーに富んだ内容にする。

5 子供に無理や我慢を強いない。

 1、2は、話の内容に関する問題であり、3、4は話し方の技術に関する問題であり、5は集会の形態に関する問題である。
p.206

 

このあとに、野口流の集会の話も紹介してある。

 例えば、浦島太郎の話をした後、次のように問う。

 「あんなに幸せで、楽しくて、大切にされて、おいしい物を食べて、何不自由ない夢のような竜宮城の生活を、いったいなぜ太郎は捨ててしまったのでしょうか。」

 「竜宮城での生活を捨てて、この暮らしにくい、人間の世の中に、なぜ太郎はわざわざ帰ってきたのでしょうか。」

 「さあ、自分、自分で考えて、作文に書いてきてみて下さい。私はこう思う、僕はこう思う、という考えをできるだけ詳しく作文に書いてみるのです。」

 「宿題ではありません。書いてみたい人だけが書けばいいのです。考えに考える、と言うことは、意外に面白く、楽しいものですよ。では、楽しみに待っています。」

 書いてくる子はいないと思っていたのに、この反響は大変に大きいものになった。p.219


 野口先生の話によって、浦島太郎が人間世界に戻った理由を考えることになり、人間の生き方についても考える機会になったのではないだろうか。




 ちなみに、この話を野口先生が思いついたのは、有田一正先生(社会科授業の名人)から、浦島太郎に関する次の感想を聞いたのがきっかけのようだ。

 「私(有田)の思うには、竜宮城の生活は、やはり与えられた世界であって、そこではやはり本当の自己表現ができなかったのではないか。やはり人間は、汗水垂らして苦労しながら働くところに本物の生きがいが生まれるのではないでしょうかねえ。」
p.218


 与えられるだけの人生、何不自由のない生き方というのは、つらいものなのかもしれない。

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教員に必要な「3つのJ」

2020年12月06日 | 学校経営
「2つのJ」と言えば、内村鑑三氏が信仰の対象とした「Jesus」すなわちイエス・キリストと「Japan」すなわち日本の二つのことを指す。

 自分が尊敬する、ある校長先生が提唱したのが 「3つのJ」である。

 子供の前に立つ教職員であれば、この「3つのJ」を大切にしてほしいと語っていた。

 「3つのJ」とは、

 情熱

 授業力

 上機嫌

 である。

 どれも重要であるが、3つめの「上機嫌」が素晴らしい。

 子供の前に立つ教職員であるならば、「上機嫌」であるほうがいいに決まっている。

 教育環境の中で、子供に大きな影響を与えるのは、目の前の教師だからである。

 目の前にいる学級担任が上機嫌でいてくれれば、子供達は安心して学級で過ごせる。

 学級担任が不機嫌そうにしていたら、子供達は安心して学級での生活ができないであろう。




 個人的には、子供の前では「上機嫌」でいてほしいと思う。

 ただ、管理職の前では、上機嫌でいてくれなくても構わない。

 弱音を吐いてほしい。

 その方が管理職としてはいろいろと手助けができる。

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「勉強の大切さを子供に伝えると思って、1分間話して下さい。」と言われたら

2020年12月05日 | 学校経営
 「勉強の大切さを子供に伝えると思って、1分間話して下さい。」
 
 これは、実際に小学校の管理職試験(面接)で聞かれたそうである。

 ネットで少し調べた中では、次の答えが心に残った。


 勉強をなぜするのか親に訊いたときに、コップを指して

「国語なら『透明なコップに入った濁ったお茶』、

 算数なら『200mlのコップに半分以下残っているお茶』、

 社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』

と色々な視点が持てる。

多様な視点や価値観は心を自由にする」

というようなことを返された


 これは、Twitterで話題になった、あるお母さんの言葉である。



 分かりやすい。


 自分だったら、どう話すか。



(高学年バージョンでは)

 あなたのおうちの人は、あなたを大切に育てているでしょう?

 あなたが大切だからです。

 あなたにも、きっと大切な人ができます。

 お父さん、お母さん、兄弟姉妹、お爺ちゃんやお婆ちゃん以外にも、大切な人が現れてきます。

 それは恋人かもしれないし、自分の子供かもしれません。

 あなたは、今のままで、恋人や自分の子供を守れますか?幸せにできますか?

 きっと難しいでしょう。

 それは、知識も無いし、考える力や判断力がまだ不十分だからです。

 勉強をすると、知識が増えて、考える力が付きます。

 それは、自分と、あなたが大切に思っている人を幸せにする大きな力になります。

 自分が幸せになり、自分の大切な人を幸せにするために、勉強してほしいです。





 伝わるかなあ・・・。
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リーダーに必要なのは決断力か、判断力か

2020年12月01日 | 学校経営
 リーダーに必要なのは決断力か、判断力か

 判断力と決断力は、何が違うのか。



 会議で、AとBの2つの案が出されたとする。

 多数決では、Aに賛成が6、Bに賛成が4である。



 ここで、賛成が多かったAという案を採用するのが判断力である。



 多数決ではB案が少ないにもかかわらず、広く深い視野で総合的に考え、B案を採用するのは決断力である。



 そこで、リーダーに必要なのは、決断力となる。

(判断力ももちろん必要である。)

 もし、決断力が無いリーダーがいたとする。

 その人は、リーダーではなく「意志を持たない調整役」と言えるだろう。



「10人の役員のうち、9人までが反対したとしても、あくまでもそれは決断するための1つの判断材料にすぎない。」

というリーダーもいる。
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