今日の「お気に入り」。
「ヴァージニア・ウルフの小説に登場する、わたしの大好きなある男は、中年になった自分について次のように告白する。
いろいろなものが、わたしから抜け落ちていく。わたしはある種の欲望をもう感じなくなっている。……わたしには、以前思っていたほど才能がないこともわかった。わたしの力の及ばない物事があることもわかった。哲学的な問題は、わたしには難しすぎるし、わたしの旅行の限界はローマまでだ。……わたしは、タヒチで原住民が燃えあがる松明(たいまつ)の明かりの下、槍で魚を突くのを見ることはない。ジャングルでライオンが飛びかかってきたり、裸の男が生肉を食べるのを見ることも決してないだろう、と。
そうしてその後で、『ありがたいことさ……』と、この男がつけ加えるのが聞こえてくるようだ。」
(アン・モロウ・リンドバーグ著 落合恵子訳「海からの贈りもの」学習研究社刊 所収)
他人(ひと)の手柄を横取りしてはいけません、いくら言い訳やクレジットを「あとがき」に書き並べても、横取りは横取りです。
「ヴァージニア・ウルフの小説に登場する、わたしの大好きなある男は、中年になった自分について次のように告白する。
いろいろなものが、わたしから抜け落ちていく。わたしはある種の欲望をもう感じなくなっている。……わたしには、以前思っていたほど才能がないこともわかった。わたしの力の及ばない物事があることもわかった。哲学的な問題は、わたしには難しすぎるし、わたしの旅行の限界はローマまでだ。……わたしは、タヒチで原住民が燃えあがる松明(たいまつ)の明かりの下、槍で魚を突くのを見ることはない。ジャングルでライオンが飛びかかってきたり、裸の男が生肉を食べるのを見ることも決してないだろう、と。
そうしてその後で、『ありがたいことさ……』と、この男がつけ加えるのが聞こえてくるようだ。」
(アン・モロウ・リンドバーグ著 落合恵子訳「海からの贈りもの」学習研究社刊 所収)
他人(ひと)の手柄を横取りしてはいけません、いくら言い訳やクレジットを「あとがき」に書き並べても、横取りは横取りです。