今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)と山本七平さん(1921-1991)の対談集から、山本夏彦さんの発言の一節。
「男子は男子一人で全男子の代表ですよ。
女子は女子一人で全女子の特色を兼備していますよ。よく見るとある部分は薄弱であったり、ある部分は濃厚であったりしますが。
たとえば、ケチだとか見え坊だとかありますが、ケチの部分が全くないひとはいないし、虚栄心の全くないひとも同じくいないから、自分のご亭主を、または細君をよく見ればわからないことは一つもない。
すなわち一人の婦人で全婦人を察することができない男が、百人千人の女に接したって何もわかるわけがない。ほんとのことを言うとね。ただ男は(女も)助平だから何かあるんじゃないかと迷うんですよ。」
(山本夏彦・山本七平著「意地悪は死なず」中公文庫 所収)
「男子は男子一人で全男子の代表ですよ。
女子は女子一人で全女子の特色を兼備していますよ。よく見るとある部分は薄弱であったり、ある部分は濃厚であったりしますが。
たとえば、ケチだとか見え坊だとかありますが、ケチの部分が全くないひとはいないし、虚栄心の全くないひとも同じくいないから、自分のご亭主を、または細君をよく見ればわからないことは一つもない。
すなわち一人の婦人で全婦人を察することができない男が、百人千人の女に接したって何もわかるわけがない。ほんとのことを言うとね。ただ男は(女も)助平だから何かあるんじゃないかと迷うんですよ。」
(山本夏彦・山本七平著「意地悪は死なず」中公文庫 所収)