”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

葉わさびの下準備には意味がある!

2011-03-31 09:02:59 | 野菜

3月28日のブログで葉わさびについて書かせていただきました。

生産者さんによく言われることは

「葉わさびはそのまま食べてもおいしくないよ。

 イジメないと辛さが出てこないからね。しっかり、下準備してよ。」

 

葉わさびの下準備というと、適当な長さに切った葉わさびに

70℃くらいのお湯を回しかけ、塩もみするというのが一般的ですが、

なぜこのような下準備が必要なのでしょうか?

 

●70℃のお湯をかける理由

わさびや葉わさびの辛味は、シニグリンという苦味成分が

酵素(ミロシナーゼ)によって分解されることによって発生します。

この酵素が一番元気よく、活動してくれる温度は40℃前後。

しかし、40℃ではシニグリンの苦味は消えません。

熱湯を使えば、苦味は消えますが、今度は酵素が働かなくなってしまいます。

そこで、酵素が元気に動いてくれる上限70℃のお湯だったら、

同時に苦味も消すことができ、ベスト!ということになりました。

 

●なぜ塩もみをするの?

苦味成分シニグリン酵素(ミロシナーゼ)は、別々の細胞の中に入っています。

この2つの成分が細胞から出て、辛味を作り出すためには

細胞を傷つける必要があります。

塩でもむというのは、この細胞を傷つけるための作業です。

 

さて、今回は葉わさびの茎と葉を分けて、別々に下処理をしました。

●葉の方は、塩昆布で和えました。

Img_1230

●茎の方は牛肉と炒めものに。

味付けは、同量の酒、醤油、オイスターソースです。

Img_1236

どちらもピリッとして、食が進みます。

 

当たり前のようにやっている料理の下準備にも意味があります。

栄養成分や機能性成分のことなど全くわかっていなかった時代に、

経験から生み出された知恵って素晴らしいですね。

コメント
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