”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

4ヶ月遅れの・・・

2012-04-24 11:00:03 | 果物

昨年暮れ、変わった名前のキウィが売られていました。

その名も「クリームキウィ」。

果実はこんな感じです。

Img_2651

 

クリームキウィという品種名はないので、

問い合わせてみると、

どうもクリーミーな舌触りなので、

生産者さんがそう名付けて販売していたことが判明。

 

「正式な品種名を教えてください。」

とお願いしてから4ヶ月が経ちました。

 

 

そして、ようやく

アップルキウィに似ています。」

ゴールデンイエローではないかということですが、

 それ以上はわかりません。」

ファーストエンペラーではないかと思います。」

などのお答えをいただきました。

 

キウィは果肉が黄色のものでも、

似たようなものはたくさんあります。

・アップルキウィ

・ゴールデンイエロー

・ファーストエンペラー

専門家がこの3種で迷うということは、

この3種には育種の過程で、

共通する何かがあるに違いない!!

 

そこでキウィの品種改良について調べてみたのですが、

柑橘のように「○○と●●を交配」という資料が見当たらない!!

 

 

これにはキウィの歴史が関係していました。

キウィの原産地は中国。

中国では古くから知られていたのにもかかわらず、

品種改良はほとんど行われませんでした。

それが、20世紀初頭、中国からの旅行者により、

ニュージーランドに種が持ち込まれ、

品種育成が盛んに行われるようになりました。

 

日本には1960年代に、

初めてニュージーランドからキウィの種子が導入されました。

つまり、キウィには中国系のものと

ニュージーランドで育成されたものがあるのです。

 

さて、さきほどの3種のキウィは

いずれも中国系のかなり古い品種です。

導入経緯も育成経過もわかっていないのが実情だそう・・・。

 

もともと経済栽培されていない果物が

原産地とは違う場所で品種改良され、

世界中に広まっていった・・・

その経緯を考えると、

キウィはとてもミステリアスな果物に思えてきます。

 

日本国内での育種事例はまだまだ少ないと言われますが、

静岡県内にはキウィの品種改良に熱心に取り組まれている

生産者さんがたくさんいらっしゃいます。

 

「ジューシーでクリーミーだから、クリームキウイ。」

と思わず名付けてしまったという

ほのぼのとしたエピソードがきっかけで

多くのことを学ぶことができました。

 

 

JA遠州中央営農指導課様

キウイフルーツカントリーJAPAN様

静岡県果樹研究センター 落葉果樹課様

ありがとうございました。

 

コメント (2)
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