2005年から、その名前は知っていましたが、
17年経って初めて出会った野菜があります。
それは、こちら。
「普通の黄玉ねぎじゃないの!?」と思われるかもしれませんが、
こちらは、「幻の玉ねぎ」と呼ばれる「札幌黄」なのです。
この札幌黄について説明する前に、
日本で最初に玉ねぎ栽培が始まったのが札幌であるということに
触れなくては!!
●日本の玉ねぎ栽培のルーツは札幌
日本の玉ねぎ栽培は、明治4年、欧米から輸入した種子を、
札幌官園で試作したことから始まりました。
その後、札幌農学校で教鞭を取ったウィリアム・P・ブルックス博士が、
農学校周辺の農家に栽培指導を行ったところ、
特に玉ねぎ栽培に向いていた札幌村(現在の札幌市東区)の多くの農家が
玉ねぎ栽培を始めました。
札幌村は、肥沃で風が強く乾燥しやすいという
玉ねぎ栽培に向いている環境だったこともあり、有数の玉ねぎ産地になっていきます。
●札幌黄の誕生
ブルックス博士が故郷のマサチューセッツ州から持ち込んだのが
「イエロー・グローブ・ダンバース」という品種です。
それが改良され、「札幌黄」が生まれました。
●札幌黄はなぜ「幻の玉ねぎ」なのか?
明治時代の後半、札幌黄の栽培は北海道中に広まり、
第二次世界大戦前にはロシアやフィリピンに輸出するほどの生産量がありました。
しかし、札幌黄には、次のような欠点がありました。
・病気に弱い。
・遺伝子に多様性があるため形が不揃いのものが多い。
・他の玉ねぎに比べると日持ちがしない。
そこで、昭和50年頃から栽培の難しい札幌黄に変わり、
病気に強く、品質が安定したF1種を育てる農家が増え、
作付面積が減少していきました。
なかなか市場には流通していません。
ここで、札幌黄の特徴を見てみましょう。
・肉厚で軟らか
・味が濃い。
・加熱後の甘みが強い。
この特徴を見たら、根強いファンが多いのも事実!!
この特徴的な味と、入手のしにくさが相まって
「幻の玉ねぎ」と言われているのです。
さて、この「幻の玉ねぎ」の特徴を生かすシンプルな食べ方は、
やっぱり玉ねぎステーキではないかと思います。
いやぁ~、びっくりしました!!
本当に甘いんですよ。
そして、調理した後も、キッチンに甘い匂いがずっと続いています。
このステーキは、ほんの数分で出来ますが、
まるで長時間かけて「あめ色玉ねぎ」を作った後のような
甘い匂いがずっと続いていました。
残りの「札幌黄」は、どんな風に使おうか?
この甘みを存分に活かしたいと思います。(^-^)
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