『カポディモンテ美術館展』
京都府京都文化博物館
『カポディモンテ美術館展』を楽しむ。
『ブリューゲル版画の世界展』や簡単なお食事を楽しんだ後、四時前に京都府京都文化博物館に到着。
まずは中庭でコーヒーを楽しみ、ゆっくりとしたときをすごす。
子どもから『カポディモンテ美術館展』はそつなく楽しめると聞いていたので気楽に会場に入った。
だが、いい方向に思いは外れた。
素晴らしい作品が多く、見たい絵も多く、素晴らしい空間に実をおくことができた。
保存状態は非情に厳しく、絵は復元、後から置かれた油絵の具が恨めしい。
夫や息子にその旨を伝えたが、遺跡などはわかりやすいが 絵画の場合は見分けがつかないと顔を曇らせた。
中学の頃から京都の岡崎にある美術館に一人で行くくらいには美術が好きだったので、その副作用かとあきらめる。
その割に美術史を知らない わたし。
わたくしは歴史が大の苦手。困ったものだ。
絵の内容も興味ある絵が多い。
覚えきれない部分はノートをとりながら鑑賞。相当量のメモとふたつの美術館を梯子のため、手が疲れる。
「マグダラのマリア」(左写真はティツィアーノ・ヴェチェッリオ)は3、4点。「アタランテとヒッポメネス」は 首を切る瞬間と直後。
「聖アガタ」はまさに乳房を切りとられようとする瞬間。そして、きられ包帯を巻き 乳房が再生する前の絵といった具合で、話の経過が違う画家によって楽しめる。。
絵は時代別に並び 離れてはいるが、話の流れが絵でつかめ、とてもわかりやすい。
こういった点においても、今回の『カポディモンテ美術館展』はおもしろかった。
今回は二人で絵を見たが、勿論会場では思い思いに好きな絵をゆっくりと楽しんでいた。
いつものように時々合流しては、絵の感想をお互いにのべて遊ぶ。
一人見るのも好きだが、二人もいいものだ。
金曜日は7時30分まで開場。
会場入りの頃はあたりは明るかったのに、一通り絵を楽しむと、外はすっかり夜。真っ暗な冬空の元、京の懐かしい道を歩いた。
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最後までおつきあい下さいまして、ありがとうございます。
みなさまに、心より感謝申し上げます。
今回は詳細は省かせていただき、記録のみにて失礼申し上げます。
2010年11月5日
京都府京都文化博物館にて
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《マグダラのマリア》 カポディモンテ美術館
グイド・レーニ 《アタランテとヒッポメネス》 カポディモンテ美術館
アルテミジア・ジェンティレスキ 《ユディトとホロフェルネス》 カポディモンテ美術館
パルミジャニーノ 《貴婦人の肖像(アンテア)》 カポディモンテ美術館
I イタリアのルネサンス・バロック美術
・アンドレア・マンテーニャ
《ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像》1470年頃
・パルミジャニーノ
《貴婦人の肖像(アンテア)》1535-37年
・ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
《マグダラのマリア》1567年
・エル・グレコ
《燃え木でロウソクを灯す少年》1570-72年
・アンニーバレ・カラッチ
《リナルドとアルミーダ》1601-02年
・グイド・レーニ
《アタランテとヒッポメネス》1622年頃
II 素描
・パルミジャニーノ《矢を射るキューピッド》1527-31年頃
・グイド・レーニ
《マントを纏った人物の習作》1618-19年頃
・ジョヴァンニ・ランフランコ
《福音書記者ヨハネの習作》1634-35年
・ルカ・ジョルダーノ
《マグダラのマリアの被昇天》1660-65年頃
III ナポリのバロック絵画
・アルテミジア・ジェンティレスキ
《ユディトとホロフェルネス》1612-13年
・マティアス・ストーメル
《羊飼いの礼拝》1637年頃
・ベルナルド・カヴァッリーノ
《歌手》1645年頃
・アントニオ・デ・ベリス
《善きサマリア人》1640-45年
・ルカ・ジョルダーノ
《眠るヴィーナス、キューピッドとサテュロス》1663年
本展はイタリアを代表する美術館のひとつであるナポリ・カポディモンテ美術館の名品によって、ルネサンスからバロックまでのイタリア美術を概観します。
展示される作品は主に、ファルネーゼ家が蒐集したルネサンスおよびバロック美術の作品と、ブルボン家が蒐集したナポリ・バロック美術の作品です。パルミジャニーノ《貴婦人の肖像(アンテア)》、ティツィアーノ《マグダラのマリア》、グイド・レーニ《アタランテとヒッポメネス》、ジェンティレスキ《ユディトとホロフェルネス》といった至極の名品を含む80点をお楽しみいただけます。
ルネサンスからバロックまでのイタリアを代表する貴族のひとつであるファルネーゼ家は、過去の美術作品を蒐集すると同時に、同時代の芸術家にも積極的に作品を注文し、この時代の美術の牽引役を果たしました。相続によってファルネーゼ家の膨大な財産を受け継いだブルボン家は、自らが統治したナポリの美術を蒐集しました。つまり本展は、芸術の庇護者であった大貴族がどのような鑑識眼で美術品を蒐集し、そして宮殿に飾ったのか、あるいはイタリアの大美術館がどのようにして出来上がったのかということも垣間見ることができる構成となっています。
会 期
2010年10月9日(土)-12月5日(日)
月曜日休館(祝日は開館、翌日休館)