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「薫には冷泉院がことに眼をかけて後には後見さえも()」
「元服も院の御殿でなされたり位階も急きて出世をなさる(秋には中将)」
「ご自分の素性のことは幼き日ぼんやり聞きて今も気にする()」
「ラーフラは釈迦牟尼の子だが出家して六年後にできた子である()」
「ラーフラはわが身に問うて悟りたるその知恵自分も得たいものだと()」
「おぼつかな誰に問はましいかにしてはじめもはても知らぬわが身ぞ(#89)」
「ものかなしことを考え気は沈む母や柏木の身を推し量る()」
「今上帝母とのゆかりで目をかける中宮なども遊び仲間で(幼少期)」
「この薫気位が高くて近づけぬ何かが人の器に宿る()」
「不思議だが体に香気みちていて立居につれてあやしく薫る()」
「匂ふ香のおもほゆる花なれば折れる雫にけさぞぬれぬる(古今六帖)」
「ぬし知らぬ香こそ匂へれ秋の野に誰がぬぎかけし藤袴ぞも(古今集)」
「梅の花たちよるばかりありしより人のとがむる香にぞしみける(古今集)」
「皆人の老をわするといふ菊は百年をやる花にぞありける(古今六帖)」
「中将は匂宮を伺って管弦などで音色競えり()」
「世の人は二人のことをとりざたし『匂う兵部卿、薫る中将』と()」
「その頃にみめよい娘を持つ親は胸ときめかし申し入れする()」
「兵部卿あっちこっちに言い寄りて人の気配を探っていたり()」
「今すぐにこれという人いないけど冷泉院の姫を妻にと(一宮の姫)」
「中将は世をつまらなく思いてかうるさい絆作るを避ける()」
「中将は19歳で三位の宰相におなりになりて中将かねる()」
「若けれどすべて控えめ落ち着いて老成したると人に知られる()」
「三宮心を砕く院の姫同じ御所にてともに住みたり()」
「たいていは院も隔てはされないが遠ざけたまうただ姫宮のこと()」
「女等は思いを寄せる三条の宮に奉公するもの多し()」
「薫には冷泉院がことに眼をかけて後には後見さえも()」
「元服も院の御殿でなされたり位階も急きて出世をなさる(秋には中将)」
「ご自分の素性のことは幼き日ぼんやり聞きて今も気にする()」
「ラーフラは釈迦牟尼の子だが出家して六年後にできた子である()」
「ラーフラはわが身に問うて悟りたるその知恵自分も得たいものだと()」
「おぼつかな誰に問はましいかにしてはじめもはても知らぬわが身ぞ(#89)」
「ものかなしことを考え気は沈む母や柏木の身を推し量る()」
「今上帝母とのゆかりで目をかける中宮なども遊び仲間で(幼少期)」
「この薫気位が高くて近づけぬ何かが人の器に宿る()」
「不思議だが体に香気みちていて立居につれてあやしく薫る()」
「匂ふ香のおもほゆる花なれば折れる雫にけさぞぬれぬる(古今六帖)」
「ぬし知らぬ香こそ匂へれ秋の野に誰がぬぎかけし藤袴ぞも(古今集)」
「梅の花たちよるばかりありしより人のとがむる香にぞしみける(古今集)」
「皆人の老をわするといふ菊は百年をやる花にぞありける(古今六帖)」
「中将は匂宮を伺って管弦などで音色競えり()」
「世の人は二人のことをとりざたし『匂う兵部卿、薫る中将』と()」
「その頃にみめよい娘を持つ親は胸ときめかし申し入れする()」
「兵部卿あっちこっちに言い寄りて人の気配を探っていたり()」
「今すぐにこれという人いないけど冷泉院の姫を妻にと(一宮の姫)」
「中将は世をつまらなく思いてかうるさい絆作るを避ける()」
「中将は19歳で三位の宰相におなりになりて中将かねる()」
「若けれどすべて控えめ落ち着いて老成したると人に知られる()」
「三宮心を砕く院の姫同じ御所にてともに住みたり()」
「たいていは院も隔てはされないが遠ざけたまうただ姫宮のこと()」
「女等は思いを寄せる三条の宮に奉公するもの多し()」