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「その頃の按察大納言とはなくなった致仕の大臣の次朗の君だ()」
「要するに左衛門督柏木のすぐ下にいた弟なりき()」
「この人は幼い頃から発明で出世に連れて羽振りもよけれ()」
「北の方二人おいでになりまして一人目の方既になくなる()」
「今の妻髭黒大将のお子であり『真木の柱』を詠んだ方なり()」
「この姫は蛍兵部の妻となり卿がなくなり按察がかよう()」
「前の妻腹には二人の姫がいて今の妻にも男の御子を()」
「北の方兵部卿との間にも忘れ形見の姫がおられる()」
「内裏とか春宮からも御内意があるにはあるが難しくあり()」
「大納言自分の姫を尋人の妻にするのはもったいないと()」
「あれこれと思案廻らし兵部卿望まないかと考えており()」
「『弟と仲良くしても物足りぬ』父に伝えよと宮は言いたり()」
「それも聞き父大納言ニコニコと願いしことの甲斐があったと()」
「まず最初春宮に嫁す一姫の支度を急ぎ準備をなさる()」
「一姫入内をしては御殿内急にひっそりしたようになる()」
「西の姫、東の姫もむつましく頼りにされた一姫のこと()」