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「池主が手紙に添えて歌三首本当に仲良い友でありたり(越前国の掾大伴宿禰池主が来贈れる歌三首 今月十四日を以ちて、深見の村に到来イタり、彼の北方を望拝す。常に芳徳を思ふこと、何れの日か能く休ヤまむ。兼マタ隣近に以ヨリて、忽ちに恋緒を増す。加以シカノミニアラズ、先の書に云はく、『暮春惜しむべし、膝を促チカヅくることいつとかせむ』と。生別の悲しみ、それ復た何をか言はむ。紙に臨ムカひて悽断す。奏状不備。 )」
「月見れば同じ国なり山こそは君があたりを隔てたりけれ(一 古人の云へらく 歌三首 1/3 #18.4073)」
「月見れば同じ国だと山こそが君との狭間を隔てているか()」
「桜花今そ盛りと人は言へど吾は寂サブしも君としあらねば( 一 物に属ツきて思ひを発(の)ぶ 歌三首 2/3 #18.4074 )」
「桜花今が盛りと人言うがわれは寂サブしいあなたいなくて()」
「相思はずあるらむ君をあやしくも嘆きわたるか人の問ふまで( 一 所心歌 歌三首 3/3 #18.4075 三月の十五日、大伴宿禰池主。)」
「われほどに思はぬあなたをあやしくも嘆きつづける人が問ふまで()」
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「いままでは信じられない世界ありいまもそいつを信じきれない(自分の力不足だとしているけれど)」
「狭間にて耳そばだてて運命とわれの関わり聞いてみるなり()」
「寺山に大きい『私』を持つという課題が出たと認識をせり(決定論者や一元論者では定義できない)」
「運命の中に人類感ぜられるそんな気持ちで歌作れると()」
「血の中にSoulや鬼を養いて自分を越える歌を作ると()」
「一本の樹と卓上の灰皿の関係詠う世界見えくる(そういう目が育ちつつある)」
「いままでは反生活的もこれからは反人生的であらんとすると()」