がじゅまるの樹の下で。

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鬼鷲-琉球王尚巴志伝-東京公演(※長文)

2010年08月13日 | ・現代版組踊レポ

はい。

本日深夜に東京から沖縄に無事戻ってきました。

旅日記も兼ねて、ケータイからずっとUPしてましたが、
今日からまたPCからの、通常のブログスタイルに戻しますね



さて、では早速。

忘れぬうちに昨日、東京よみうりホールで昼・夜と行われた
鬼鷲-琉球王尚巴志伝-の感想を書きます!



※かなり長いです!



まず、満足した舞台だったことはケータイから前述したとおり。

多少台詞を噛もうが、
間違えようが、
マイクトラブルがあろうが
「やっちゃった」場面があろうが、

そんなん、どーでもいいっ!!
NO PROBREM !!!


ってくらいの圧倒的な迫力がありました。
(やっぱり特に夜公演、だね。メンバーも最後は涙涙…)


今回は沖縄の小・中・高校生からなる
いつもの「チーム尚巴志」メンバーだけでなく、
尚巴志舞台や肝高の阿麻和利など、
平田ファミリーの卒業生(U-25)も参加。

そして、八重山からオヤケアカハチのメンバーも参戦!!

そして、今度平田大一さんが手がける、
南会津のコドモタチも参加。

総勢80名~90名くらいいたのでは

会場のよみうりホールは2階構造のホールでしたが、
それほど馬鹿でかいというわけではなく、
那覇市民会館大ホールと同じか…やや小さいか…という感じ。

なので、演出は客席も通路も使って、会場いっぱいにコドモタチがはじける
平田舞台の醍醐味を味わえました





さて、舞台について。

これまで公演を重ねてきた「翔べ!尚巴志」の舞台ですが、
今回のタイトルは「鬼鷲-琉球王尚巴志伝-」
とタイトルが変更。

また、単なる「現代版組踊」ではなく、
「現代版組踊絵巻」とより壮大なイメージに。

卒業生であるハタチ前後のメンバーも参加する
ということもあり、
これまでの「翔べ!尚巴志」の舞台をベースにしつつ、
構成を変えた舞台なのか?
と予想してましたが、「翔べ!尚巴志」の舞台と一緒でした

(ワタシの予想では、「大琉球浪漫」みたいなダイジェストというか、
演技をだいぶシンプルにして伝統芸能や演舞を全面に押し出した構成か!?
と妄想(笑)していたのですが…)


でも、ここはもちろん常に進化し続ける平田舞台。
同じ「翔べ!尚巴志」の舞台でも、
まったく同じ「翔べ!尚巴志」ではありませんよ。

第一回目の初演から見続けてきて、
そのつどレビュー(というか注文?(笑))を書いてて
後から見ると面白いので、今回もちょっと詳しくレビュー書きます




【1】効果音・音楽面のバージョンアップ

前回(4月)のシュガー尚巴志で大変革を遂げた「第3回 翔べ!尚巴志」。
それでも要望をつける辛口なワタシ
そのときの要望は主に「音響面」についてでした。

それがまぁ~、見事にバージョンアップ!!

冒頭の「出発の朝」も冒頭からとんでもなく派手に(笑)
(個人的には平田さんの歌声と銅鑼というシンプルで原始的なスタイルも捨てがたいですが。
これは個々人の好みかな~)


それから、初演からずっと思ってた、村人の大地の踊り(前半)
女サンによる囃子が入って単調さがすっ飛んでいきました!

北山戦での歓声の効果音もよく出てたし
迫力と華やかさと派手さがUPしてたと思います!

そうそう、それから今回の歌姫は東浜夏希さんじゃなくて、
肝高の阿麻和利卒業生でアーティスト活動をしている
「愛~かなさ~」の京子さんでした。

バッチグッ!!!
透き通った伸びやかな声がなんとも。いやはや…。




【2】 ヒロインきよらの立ち位置

同じヒロインでも、肝高の阿麻和利の百十踏揚と比べると
どうもその必要性というか、立ち位置というか、
なんとなく釈然としないものがあったりもしたんですが、
(なので4月のシュガーではだいぶばっさりとカットされててすっきりしてましたネ)

今回は、海の民の姉御的存在の「あまみ」と「きよら」が
同一人物という新設定。

少しずつ、ヒロイン「きよら」の存在意義が立ってきたかな。

でも、たぶんこの設定、
これからももうちょっと整理・発展されていくんだはず…(予想)。

きよら役もこれまでの子と変わりまして、
物腰の柔らかい、おしとやかではかなげな「姫・きよら」から
強い芯を持った「琉球の女・きよら」へと印象もガラリ。
(なんせ、姉御のあまみと同一人物ですからネ

彼女の目力が好き。

そういえば衣装も若干変わってますねー。

素朴な疑問だが、「きよら」って実在の人物?
尚巴志の妻って、はっきり分かってるのかしら。
(宿題)



【3】 新しい演舞

オヤケアカハチメンバーが参戦してたゆえか(?)
新しい演舞が1つ入ってました!

あれは…「まみどーま」かな?
(まみどーまっていう歌詞があったので)

琉舞の雑踊りに見られる、農民スタイルで
鍬やざるを持っての演舞。

もちろん、現代風にアレンジもされて。
これは今回の東京公演特別バージョンなのかな~?



【4】 新キャラ

まさかの新キャラですよ(笑)
ストーリーテーラーの「アカインコ」の弟子、「おもろ」
今回はこの2人のやり取りでストーリーテーラーをこなしていました。

もちろん、笑える場面はこの2人による。

「カラブリサンシン!」「座れーっ!(怒)」には笑いました(笑)
サンシン引き比べも。
会場も大うけ。あっはっは

アカインコ役のT君もかなり芸達者よねー。
(そういえば彼は舞台俳優目指してるんだよね
開演5分前に出てきての一人芝居(?)も、
夜公演でのハプニング(笑)のかわしも見事でした

個人的にはウチナーグチ「ベストハウス」も好きですが(笑)


【5】 新演出

首里城建設の場面はコレまでで1番よかった!
アカインコの前振りから入って、
男衆による国頭さばくいの演舞と演技、
尚巴志&きよらの語りが同時進行で入ってきて。

場面が間延びすることなく、
首里城建設大事業のにぎやかさや
民の誇りなどが伝わってきました

背景の首里城が下からうわーっと上がっていく様もよかった!

あと、回想シーンの使い方も良かった~。


そしていうまでもなく、
クライマックス、テーマ曲「鬼鷲」での演舞、
そして「ダイナミック琉球」での一体感、パワー、迫力。

何度見てもしびれます。




大満足の舞台でしたが、
やっぱり個人的に惜しかったがあるの~

なんと、北山戦場面半減…

まさかの北山戦での中山軍の空手演舞カット。
すごーいかっこよかったのに~~~~

で、若き護佐丸もカット


でもね、プログラムにはちゃんと「護佐丸」ってあるし、
攀安知の死に際の台詞にも、

「裏切れば、裏切られる。読谷の若虎(護佐丸)も、中山の鬼鷲(尚巴志)も、いずれは同じ運命だ」

という台詞もあったのに~~~
(実際に言ってたので護佐丸出てないのに「あれっ?」って思いました)

これが、肝高の阿麻和利へのリンクっぽくて
個人的にすごくツボだったんですが…。
(初演のときからこれは印象的な台詞の1つでした)

※護佐丸は「護佐丸・阿麻和利の乱」で謀反人の咎をかぶせられ自害する。
※尚巴志の孫、第7代王・尚徳の死後、クーデターが起こって第一尚氏滅亡。


公演時間とかいろいろ制約があってのことだったのかなー。
それともやんごとなき事情がったのか?

秋公演では、是非!!!!!
空手演舞と護佐丸の復活を!!!!(切望)

他の場面でも演舞もいくつかカットになってたような?
(新演舞が入ったぶん、何か削らないといけなかったのかな?)

北山戦といえば、
攀安知かっこいいッス!!
死に際の演技の迫力たるや!!とにかくすごすぎ。
本部もかっこいい!!!!
目がいい!ダークな笑い声もいい!!

というわけで、北山の見せ場をGive me more please!

第2回公演のレビューでは「北山討伐のシーンもなー。尚巴志あまり出てこないし」と書いてますが、
ゆえに、4月のシュガー尚巴志のときみたいに護佐丸の復活だけでなく、
主人公・尚巴志を含む空手の演舞が必要不可欠だと思うのですよ。



それから、これもたぶん色々考えがあってのことだと思いますが、
4月の大変革以前に戻った(カットされてた場面が復活)所もいくつかありました。

鮫退治とかきよらとの出会い云々が完全復活でした…。
まー、「あまみ=きよら」の新設定で必要だったとは思いますが…。
(記憶違いでなければ、4月公演は「あまみ」場面カットで存在してないはず…)

それから冒頭のクーデターの場面も(これは賛成)。

で、鮫退治がなー。
4月は和太鼓+銅鑼+笛の和風でしたが、
4月以前のエレキベースの音楽に変わってました(バージョンアップはしてましたが)。
これは好みかもしれませんが、今度は和風のバージョンアップで見たいです。

むー。

鮫退治がなー。

鮫退治なー。

かっこいいのよ。
特に鮫役の男性アンサンブル。

でも「人食いざめ討ち取ったりー!」の後、会場の拍手がイマイチ盛り上がりに欠けるよね。毎回。
なんでかな????総踊りじゃないから?舞台に一人しかいないから?
それとも音楽?効果音?(ひと時無音になる)



って、一応、書いとく。

どんどん進化していく、これからの尚巴志の舞台のために
(けっこうね、舞台ごとに書いてるレビューでの注文、次の舞台に反映されてるのよ



ながーいレビューになってしまいました。

ここまで読んでくださった方(いるのか?)、
ありがとうございます


次の公演は秋にコンベンションセンター&読谷の鳳ホールです!!!

おおっと!その前に、
明日は肝高の阿麻和利夏公演だーい!


※尚巴志についての過去記事
佐敷グスク  尚巴志の墓  平田之子と屋比久之子

※「翔べ!尚巴志」についての過去レビュー記事
第2回   第3回1日目  第3回2日目
…第1回公演も行ってますが記事にしていません


ついでにデジブック☆

 『琉球国王・尚巴志』



 『肝高の勝連グスク』



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コメント (6)
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帰沖

2010年08月13日 | ☆夏の東京小旅行'10
沖縄、帰ってきましたー。


眠い~


深夜便にもかかわらず、飛行機は満席、
子供連れの家族も結構います。


さ、今からまた一時間ほどかけて自宅に戻ります

コメント下さってるみなさま、
お返事は、寝て、起きてからしますね
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