ラインの押し上げ,中盤における複数選手による囲い込み,スペースへの走り込み。札幌がJ1残留のためにやらなければならないことを,すべて鳥栖にやられた。
札幌は小柏との絶妙のコンビネーションで挙げた興梠の先制点は見事だったものの,今季逆転勝ちのない鳥栖がビハインドにもめげず,決して焦らず,愚直に走り続け,セカンドボールを完全に掌中に収めた後半は,ほぼ一方的な鳥栖の試合だった。
今日の試合内容を見る限り,札幌の降格圏への陥落は残念ながらほぼ確実だろう。黄信号を通り越して赤信号が激しく点滅しているフェーズに突入したようだ。
小柏が早めに交代してしまった一方で,鳥栖は後半開始から出場した垣田が,文字通り札幌の最終ラインを切り裂いてフリーでボールを受け始めた段階で勝負はあったという感じだ。この試合のための遠征メンバー18人のうち,なんと12人が今季からの新メンバーという鳥栖だったが,フリーランニングを怠らないチームカラーを浸透させ,左サイドの攻撃を担ってきた岩崎の不在(契約上の制約から)を感じさせなかった川井監督の手腕は,見事なものだった。
それに引き替え,札幌が劣勢を跳ね返すべく投入した戦力は,鳥栖のようには躍動しなかった。青木はほぼ消えていたし,荒野は相変わらず後ろ向きのパスとミスでチームの空気を沈滞させ,相手のサイドの選手のスピードにまったくついていけなかった宮沢もJ1リーグ200試合の出場という節目を,力の衰えを証明する場にすることしかできなかった。
唯一,チームに加わったばかりのキム・ゴンヒだけは,準備期間の短さを言い訳にせず,ワントップらしい強さと献身的な走りができそうな気配を感じさせて,サポーターの期待を微かに繋ぎ止める役割を果たしてはいたが。
それでもやはりこの日の出来を見る限り,菅を残して小柏を下げるというチョイスはなかったのではないか。案の定,菅は左サイドの守備では決定的なクロスを簡単に上げさせてしまったし,キムが作った決定的なチャンスを逃してしまった。試合の状況に応じて,少ない人材をやり繰りしてペースを変えられない指揮官の責任は大きい。
残りはたった8試合。安全圏と言われる勝ち点42まではあと14。死ぬ気で走りきる気迫がまったく見えなかった試合を観て,不安は募るばかりだ。
札幌は小柏との絶妙のコンビネーションで挙げた興梠の先制点は見事だったものの,今季逆転勝ちのない鳥栖がビハインドにもめげず,決して焦らず,愚直に走り続け,セカンドボールを完全に掌中に収めた後半は,ほぼ一方的な鳥栖の試合だった。
今日の試合内容を見る限り,札幌の降格圏への陥落は残念ながらほぼ確実だろう。黄信号を通り越して赤信号が激しく点滅しているフェーズに突入したようだ。
小柏が早めに交代してしまった一方で,鳥栖は後半開始から出場した垣田が,文字通り札幌の最終ラインを切り裂いてフリーでボールを受け始めた段階で勝負はあったという感じだ。この試合のための遠征メンバー18人のうち,なんと12人が今季からの新メンバーという鳥栖だったが,フリーランニングを怠らないチームカラーを浸透させ,左サイドの攻撃を担ってきた岩崎の不在(契約上の制約から)を感じさせなかった川井監督の手腕は,見事なものだった。
それに引き替え,札幌が劣勢を跳ね返すべく投入した戦力は,鳥栖のようには躍動しなかった。青木はほぼ消えていたし,荒野は相変わらず後ろ向きのパスとミスでチームの空気を沈滞させ,相手のサイドの選手のスピードにまったくついていけなかった宮沢もJ1リーグ200試合の出場という節目を,力の衰えを証明する場にすることしかできなかった。
唯一,チームに加わったばかりのキム・ゴンヒだけは,準備期間の短さを言い訳にせず,ワントップらしい強さと献身的な走りができそうな気配を感じさせて,サポーターの期待を微かに繋ぎ止める役割を果たしてはいたが。
それでもやはりこの日の出来を見る限り,菅を残して小柏を下げるというチョイスはなかったのではないか。案の定,菅は左サイドの守備では決定的なクロスを簡単に上げさせてしまったし,キムが作った決定的なチャンスを逃してしまった。試合の状況に応じて,少ない人材をやり繰りしてペースを変えられない指揮官の責任は大きい。
残りはたった8試合。安全圏と言われる勝ち点42まではあと14。死ぬ気で走りきる気迫がまったく見えなかった試合を観て,不安は募るばかりだ。