昨年の最終節,もしも1点を取れていればプレーオフに進出できていた,あの因縁の試合の対戦相手に対して,札幌は鬱憤を晴らすようなゴールラッシュを見せて快勝した,ように見える。スコアだけを見ればの話。
だが,前後半をピッチで見守ったサポーターの,今の胸中は穏やかではないに違いない。
攻撃陣が沈黙し,ひたすら耐えるだけだった後半の戦い振りは,まさに昨季を通して明らかになった「一度躓いたら簡単には戻れない」 . . . 本文を読む
ウェブのHPを見て有料の乱交パーティーに集まってきた8人の男女(プラス・カップルひと組)が,深夜の12時から早朝5時までの5時間の間に,セックスと会話によって次第に心理的に丸裸になっていく。
作品のフレームはまさに「真夜中のパーティー」なのだが,登場人物の一部はまるで立花隆のノンフィクション「宇宙からの帰還」に出てくる,宇宙空間に出ていったことで人生観が変わってしまった宇宙飛行士たちのように見える . . . 本文を読む
昨年同様に開幕戦をアウェーでものにし,意気の上がった状態で迎えたホームでの開幕戦だったが,コンサドーレ札幌は1万6千人を超えるサポーターの前でふがいない試合を繰り広げ,珍しくゴール裏に陣取ったサポーターから強烈なブーイングを浴びることとなった。
菊岡と前田の華麗な個人技で先制した札幌だったが,試合の実質は終始山形の支配下に置かれていた。山形の前線陣は札幌の両サイドバックが穴だらけとみるや,的確な . . . 本文を読む
松竹B級コメディの職人から,いつの間にやら京都と大船の両撮影所の伝統を引き継ぐ「マエストロ」という場所に立たされてしまったという印象を受ける86歳の森崎東が撮った新しい「シャシン」は,笑わせて泣かせて,とにかく楽しませる精神に満ちた秀作だ。
113分という尺を「プログラム・ピクチャー」と呼ぶことはさすがに憚られるのだが,肩の力の抜け具合と,それに反して必要なショットが正確な構図で用意される収まり具 . . . 本文を読む