バレエ・ダンサーになりたい男の子の成長を描いたスティーヴン・ダルドリーのデビュー作「ビリー・エリオット(邦題:リトル・ダンサー)」は、同じく男の子をもつ親として、図らずも親子どちらにも感情移入してしまい、決して容量は多くはないはずの涙腺が決壊する、という私としては稀有な体験をさせて貰った素晴らしい作品だった。マッチョな世界観が支配的な社会で、男の子がバレエを目指すという時点で、自動的に高く立ち上が . . . 本文を読む
前半,進藤の見事なヘディングシュートが決まるまで,試合は完全に湘南ペースだった。前線からのチェイシングに圧倒され,少なくとも開始直後の15分は,前節の決勝点の起点となってしまったミンテのミスのようなプレーが間違いなく再発する,と誰もが確信していた試合だったのだが,終わってみれば5得点を奪っての完勝。試合の流れをひっくり返したのは,進藤と白井とジェイが体現した闘う意志と高い技術だった。
セットプレ . . . 本文を読む
フルCGアニメーションの先駆けとなった第1作以降,過去に制作された3作すべてがいずれ劣らぬ秀作だったが,それらで描かれた数多くのエピソ−ドを踏まえて作られた新作「トイ・ストーリー4」は,期待を遥かに上回る大傑作だ。字幕版のためか時折場内に響いた子供たちが質問する声や歓声もBGMにして,ウッディとボーの冒険はスカンクの暴走トレーラーに乗って,100分間フルスロットルで駆け抜ける。この作品が内包する楽 . . . 本文を読む
アイヒマン裁判に関するひとりの哲学者のコミットを通じて,「考えること」の大切さを説いた「ハンナ・アーレント」は,2013年に日本でも大ヒットした。その後,「アイヒマンショー/歴史を写した男たち」や「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」など,アイヒマンを取り上げた作品が相次いで公開されたが,作品の評価はともかく「きまじめさ」という点では,圧倒的に「ハンナ・アーレント」に軍配が上がることは間違 . . . 本文を読む
ホームではいいようにやられた札幌だったが,雪辱を期したアウェイ戦も尻すぼみの内容で,最後は放り込み戦法に賭けたもののいいところなく逆転負け。ACL出場を狙うと広言したチームが,昇格チームに2連敗というのは相当の屈辱だという認識がチームに浸透してくれればよいのだが。
前半,先行するまでは完全に札幌のペースだった。前からのチェイシングが功を奏し,大分の苦し紛れのフィードを何度もボランチとDFの積極的 . . . 本文を読む
札幌は前半と後半でまったく別のチームのようだった。後半に何度もあったチャンスを決められていれば,という思いが強い一方で,前半で逆転されなくてよかったという安堵も沸いてくる展開。シュート数も終わってみればどちらも14本と同数。勝ち点1を分け合ったというのは,妥当な結果だったかもしれない。
高さを活かした放り込みから先制した後は,札幌が一方的にボールを支配される展開になるとは,まったく予想していなか . . . 本文を読む
資格試験を受ける息子に付き添ってきて学校の中まで入り込み,自宅で行うプロム!で踊る相手は自分。コンドームを渡して,装着するまでの時間を計らせる。自宅で勉強を教え,反抗期が訪れたとみるや「十代の反抗期にやるべきこと」を息子と一緒に考える。こんな母親がいたら,間違いなく息子はグレる。ところが本作の主人公リアム16歳は,そんな母親と二人だけの暮らし(時として母親の母,つまり祖母がいつの間にか同席している . . . 本文を読む