今年のお正月映画は凄い。興行収入の年間トップを争うであろうヒット作(「アナと雪の女王2」「S.W.エピソードⅨ」など)がクリスマス・シーズンから年を跨いで上映されていることに加え,「パラサイト 半地下の家族」や「フォードvsフェラーリ」,「ジョジョ・ラビット」など,既に欧米の賞レースを賑わせている秀作が一挙に公開されている。特にアメリカでは,オスカー狙いの芸術路線作が年末に公開されることが多いため . . . 本文を読む
「グエムル 漢江の怪物」や「母なる証明」などの秀作によって,現在アジアNO.1の俊英と呼んでも過言ではないポジションを獲得したポン・ジュノの新作「パラサイト 半地下の家族」は,昨年のカンヌで見事に韓国映画として初めてとなるパルム・ドールを獲得した。隣国の日本ではそれから半年以上が経過し北米での記録的なヒットの報を耳にした後,満を持しての堂々たる「正月映画」としての拡大公開となったが,ポン・ジュノと . . . 本文を読む
同じ「X-MEN」シリーズの2本だけを取っても,かなり波の荒いディレクターという印象のあるジェームズ・マンゴールドだが,本作は主演二人の素晴らしい演技という強力なサポートもあって,見事な大当たりを引き当てた。車離れの著しい昨今,スピードに賭けた男のオイルと汗の匂いがほとばしる物語が,どこまで幅広い層の興味を惹きつけることが出来るか疑問は残るが,かつてウォシャウスキー姉妹が「スピードレーサー」でVF . . . 本文を読む
暮れに公開された「男はつらいよ お帰り寅さん」は,山田洋次監督に新作の構想案を話した横尾忠則氏が,原案者へのリスペクトに欠ける,とクレームを発したことにより,作品そのものの評価とは別次元で話題になっているようだ。その「男はつらいよ」は主演の渥美清さんが存命中,年に2作ずつお盆とお正月に公開されていた。併映にはほぼ小品の喜劇映画がセットされていたこともあり,この松竹の戦略によって「お正月は喜劇」とい . . . 本文を読む
前作の「わたしは,ダニエル・ブレイク」で,グローバルに拡がる格差問題を力強く描いてカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた名匠ケン・ローチの新作が届いた。前作を最後に引退するのでは,という報道も流れていただけに,映画ファンにとっては実に嬉しいお年玉だ。
取り上げたのは前作に続いて,経済のグロ−バル化に伴う歪みの荒波を受ける家族の姿。引退の意志を撤回してまで新作に取り組んだ齢83歳になるケン・ローチの . . . 本文を読む
1977年の第1作の公開から足かけ42年間という,年数だけから言ったらギネスブックに載った「男はつらいよ」シリーズを遙かに上回る長期に亘ってマニアを楽しませてきたシリーズが完結した。
登場人物やコアなストーリーを一新した新シリーズが企画されているというニュースも耳にしたが,ルークやレイア姫,アナキンにレイ,レンといったキャラクターにまつわるエピソードや彼らの間の関係性こそが「スター・ウォーズ」とい . . . 本文を読む