ミュージック・ヴィデオのルーティンを題材にした岡崎体育の「MUSIC VIDEO」には,大笑いさせて貰った。実際にはそこで取り上げられている,決まり切った演出だけで構成されたプロモーション・ヴィデオは存在しないにも拘わらず,こうすればウケルはず,という作り手側の思い込みを整理してそれを曲にしてしまうというアイデアには脱帽した。
ミュージック・ヴィデオありきでバンドを結成しようとする若者たちを描いた . . . 本文を読む
震災の影響で延期されていた第12節。サッカーが出来る歓びを全身で表現していたのは,厳しいスケジュールとコンディションで試合を続ける熊本の方だった。
前線のプレスは最後まで止まることがなく,ルーズボールに対する執念もスピードも,首位を走る札幌を圧倒し続けた。バイタルエリア内で突き抜けるアイデアや技術に欠けたため,ゴール前での決定的なチャンスを数多く作ることは出来なかったが,それでもボールを動かして躍 . . . 本文を読む
市川由衣が「海を感じる時」で脱ぐと聞いた時,真っ先に思ったのが「いつの小説だったっけ?」ということだった。原作者の中沢けいは1959年生まれで,確か大学生作家のデビュー作と騒がれた記憶があるから,あれから優に35年は経っているはず。このタイミングで映画化を考え,更に主演に「NANA2」で躓いてから鳴かず飛ばずと言っても良い状態だった市川を据える。企画のタイムリー度合いという尺度で見ると,非常に判定 . . . 本文を読む
首位を走るチームのホームゲーム。相手は直近7試合で勝ち星なしの16位。後半途中で3対0。どこから見ても楽勝の試合だったが,内容はまったく違っていた。
先取点こそ,スペースを見付けて放り込んだ上里のアイデアと呼吸を合わせた内村の飛び出しによって得たPKだったが,2点目はオウンゴール。3点目も内村のスピードが生んだものとは言え,都倉のすぐれた身体能力があったればこそのヘッドによるもので,パスワークや . . . 本文を読む
ユルマズ・ギュネイやファティ・アキン,最近ではセミフ・カプランオールやヌリ・=ビルゲ=ジェイランといった「とりわけ国際映画祭に強い」俊英を輩出してきたトルコ映画界に,新たに有力なメンバーが加わった。
その名はデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン。38歳の女性監督が初めてメガホンを取った「裸足の季節」は,フライヤーに「各国で33の賞を獲得!」という見出しが躍るとおり,先達に負けじと世界中で映画通の話題をさ . . . 本文を読む
マッチデイ・プログラムの表紙を飾った都倉をヒーローにするため,あえてこういう展開を選択しました,と言わんばかりに劇的な幕切れだった。後半は一方的な劣勢でまったく見所がないまま2点差をひっくり返されてしまうのだとばかり思っていただけに,相手GKとDFの連携の悪さがあったとは言え,最後まで諦めなかった都倉のプレーは賞賛に値するものだった。
勝ち点ゼロから3へ。今日の後半を見ても明らかなように,底力は計 . . . 本文を読む
「ドルトン・トランボとの仕事を打ち切れ!」と圧力をかけてきた男に対して,B級映画の制作会社のオーナーであるフランク・キングが,自分の仕事部屋にも拘わらずバットを滅茶苦茶に振り回して追い払ってしまうシーンがある。そのキングを,かつて「夢を生きた男/ザ・ベイブ」で,伝説のホームラン王ベーブ・ルースに扮したジョン・グッドマンが演じる。もうこれだけでOKという気持になってしまう。
赤狩りで映画界を追われた . . . 本文を読む