9年振り6回目となる日本公演で初めてその姿を観ることが出来たボブ・ディランは,ライヴ・ハウス(Zepp 東京)の宿命で,前に陣取ったお客さんの揺れる頭越しに時折帽子が見える程度の邂逅ではあったが,その「大きさ」は客席との距離に反比例するかのようにずしりと伝わってきた。
60年代の「フォークの神様」は,50年近い活動歴の中であらゆるアメリカ大衆音楽を丸ごと飲み込むことによって,いつの間にかジャンルを . . . 本文を読む
0対3という得点以上に,内容的に見るも無惨な敗戦を喫したホーム開幕の福岡戦から2週間。守備を強く意識した布陣を敷いたことが功を奏し,アウェーの栃木戦で初勝利を挙げ,チームのコンディションとしては登り調子で迎えたホームの2戦目は,期待の新戦力近藤の底力を見せる,本来の意味での「お披露目興行」となった。
細かいパス廻しでも,個人の足元の技術でも上回っていたのは岡山の方だった。私が知っているようなメジ . . . 本文を読む
飛び散る汗とスパイクにめくられて宙を舞う芝。相手の身体に当たる寸前に歯を食いしばる選手の顔のアップとどよめく観客席のカットバック。
クライマックスで繰り広げられるハイ・スピード(スローモーション)のショットが,同様のショットを十八番としていたブライアン・デ・パルマやサム・ペキンパーでさえも,さすがにここまではやらなかったという凄いヴォリュームで迫ってくる。あたかも「キャプテン翼」の大人実写版か,C . . . 本文を読む
J1昇格請負人,石崎監督指揮の2年目。FWの補強が順調に進み,中山という精神的支柱も加入し,昇格ロードまっしぐらとなる開幕スタートを切りたかったコンサドーレ札幌だったが,ホーム開幕戦はチームの成熟度の差がそのままスコアに表れた屈辱の船出となってしまった。
アビスパは,結果的には大久保を中心とする前線の決定力で圧倒したが,DFラインから中盤,そしてトップまでをコンパクトに保った素速いプレスこそが, . . . 本文を読む
結婚相手を探す男と不倫に悩む女が北海道をさすらう,という筋の中国作品が,中国の映画興行史上第1位のヒットを飛ばすなんて,一昔前には一体誰が想像しただろう。しかも映画を観た中国人が,大挙してロケ地を訪れるという,「フェイチェンウーラオ(原題)」ブームを巻き起こすとは。
「エコノミック・アニマル」と揶揄され,「メガネにカメラ」が定番の日本人団体観光客が世界中で話題となった1970年代から早30年,その . . . 本文を読む
いよいよW杯イヤーのJリーグが始まった。ジーコ在籍時以上の勝負強さを見せ続ける鹿島の4連覇がなるのか。それを阻止するとすれば何処か。興味は尽きないが,少なくともW杯本大会のため5月に中断するまでの最大の関心事は,代表チームの選手のコンディションはどうなのかという点と,更なる底上げに資するような新たな選手が出てくるのかどうか,という点に絞られる。
昨日TVで観ることが出来た開幕ゲームの「ガンバVSグ . . . 本文を読む
この作品が公開されるまで「アンヴィル」というグループ名も知らず,彼らがやっている音楽にも殆ど,否,「まったく」興味がなかったにも拘わらず,予告編を観て是非とも本編を観たくなった作品だ。
だがロードショー公開はあっという間に終わってしまい,結局観ることが能わずに地団駄を踏んでいたら,札幌唯一の名画座である「蠍座」が間髪を入れずフォローしてくれた。そのおかげで,映画館の椅子で幸せな81分間を過ごすこと . . . 本文を読む