完全に中盤を支配され,細かいパスでサイドを切り裂かれていた前半,特に半ばまでの出来からして,後半こんなゴールラッシュを生み出すとは想像できなかった。
やはりサッカーは難しくも,面白いゲームだということを再認識した試合だった。
前半からハイボールの競り合いでは負けていなかった札幌は後半,都倉が落としたり,パウロンが跳ね返したセカンドボールの支配率において,前半とは見違えるような改善を示した。
一人 . . . 本文を読む
一見脈絡のない複数の物語が並行して語られ,それらがやがて縒り合わされてクライマックスを迎える。
「ディス/コネクト」は,ロバート・アルトマンが「ナッシュビル」や「ウェディング」,「ショート・カッツ」で範を示し,ポール・トーマス=アンダーソンの「マグノリア」や,ポール・ハギスの「クラッシュ」などの作品群に受け継がれてきた「マルチ・ストーリー」タイプ(宣材によれば「多層ドラマ」)の歴史に,輝かしき一歩 . . . 本文を読む
近所に住む仲の良い家族の二人の女の子が,突然姿を消す。失踪直前に見かけたキャンピングカーを運転していた男が警察から聴取を受けるが,証拠不十分で釈放される。その男が怪しいと睨んだ少女の父親(ヒュー・ジャックマン)は,男から自白を引き出そうと,独力で男を拉致して拷問にかけるという挙に出る。そんな時,血塗れの少女の衣服を持っていた別の男が逮捕される。
「灼熱の魂」でアカデミー賞外国語映画賞の候補となった . . . 本文を読む
一体何をやりたいのか,そのための選手起用になっているのか。
試合終了後に沸き起こったブーイングは,勝敗や点数以上にサッカーの質の低さに対するものに他ならなかった。
前半は愛媛の速いプレスに押しまくられ,多彩な縦パスへの対応が追い付かずに,一方的な展開となったが,愛媛の足が止まって長い時間5バックで引きこもられた後半も,点を取りに行くチャレンジはほとんど見られなかった。唯一の決定機と言える後半終了 . . . 本文を読む
ジョン・ウェルズ。TVドラマシリーズ「ER」や「ザ・ホワイトハウス」で培った手腕を,スクリーンにフィールドを変えた「カンパニー・メン」でも発揮した俊英が手掛けたのは,ピューリッツァー賞とトニー賞をW受賞した演劇の映画化だった。個人を押しつぶそうとする過酷な社会との距離感に独特のものを持つディレクターは,ここでは大勢の出演者の背景を手際よく描き,役者に振り切れた演技をさせる環境整備に輝きを見せる。マ . . . 本文を読む
前節アウェーの栃木戦に敗れ,とうとう13位にまで順位を下げてホームに戻ってきた札幌は1万2千人を超えるサポーターに,GWの締め括りに相応しい歓喜の瞬間を届けることは出来なかった。
内村の抜けた穴の大きさは既に織り込み済みのはずだが,それ以上に気になるのは若手で構成するDF陣の綻び。この試合でも露呈した,集中力を欠いた不安定さが改善されない限り,昨年よりも遥かに早い段階で,昇格争いから脱落する可能性 . . . 本文を読む
一昨年の秀作「宇宙人ポール」で脚本・主演を務めたニック・フロストとサイモン・ペッグのコンビが帰ってきた。
加えて同作にはスケジュールの都合で参加できなかった彼らの盟友である監督,エドガー・ライトが復帰し,ゾンビ映画の金字塔「ショーン・オブ・ザ・デッド」や彼らの名前を世に知らしめた傑作「ホット・ファズ」をものしたトリオがそろい踏みするとあっては,期待するなと言う方が無理な話だ。
学生時代に成し遂げ . . . 本文を読む
原作者の人気なのか,綾野剛人気なのか,評判の高い作品そのものへの期待や口コミの結果なのか,理由はよく分からないが,とにかく休日のお昼の回は最前列までほぼ満席。
東京のミニシアター観客動員ランキングでも上位となっていたことを裏付けるような入りに,コアな「映画ファン」のアクティヴィティーの高さって凄いと実感する。
早世した悲運の作家,佐藤泰志の原作を,舞台となった函館で映画した作品の第2弾。
採石場 . . . 本文を読む