私は行ったことがないのだけれど,IKEAのレストランで食事をした北海道生まれの人が「自分も北国生まれだが,北欧は寒さの程度が違うのか,全般に味付けが甘くて大味で自分には駄目だった」と話すのを聞いたことがある。勿論「北欧の料理」と一口で片付けるのは乱暴なのかもしれないが,風土に根差した食材や食べる人の嗜好に左右される要素の強い郷土料理において「おおよその傾向」といったものは存在して当然なのだろう,と . . . 本文を読む
過ちを犯した人間の出所後を描いた作品と言えば、日本では「幸福の黄色いハンカチ」が有名だが、原作はニューヨーク・ポストに掲載されたピート・ハミルのエッセイ「Going Home」だった。常にオリジナルの脚本で勝負してきた西川美和が、同様に原作を佐木隆三のノンフィクション「身分帳」に求めた新作「すばらしき世界」は、山田洋次が作り上げたハートウォーミングな物語とは異なる、痛みと救済に満ちた傑作をものした . . . 本文を読む
「カルテット」が素晴らしい出来だった人気脚本家の坂元裕二と,その「カルテット」で坂元と組み,「罪の声」によりキネマ旬報ベストテンにも入選して映画の世界でも着実に地歩を築きつつある土井裕泰のチームが,有村架純と菅田将暉という当代きっての人気俳優を起用して作り上げたど真ん中の「恋愛映画」。そんな豪華なコラボレーションは,数多の有力なアニメーション作品を抑えての興行収入第1位(公開週)という栄冠に結びつ . . . 本文を読む
映画の冒頭,スタジオ機器のメンテナンスを担当するエンジニアが「職場」である「音響ハウス」に「出勤」してくる姿が映し出される。毎日同じ時間に仕事を始め,同じ時間に帰る。日々クリエイティブな作品を産み出す現場を支えているのは,こうしたプロフェッショナルである,と最初に宣言することで,映画「音響ハウス」は「お仕事ムービー」としての性格をどーんと打ち出す。アーティストの頭や心に浮かんだアイデアやインスピレ . . . 本文を読む
日本語がおかしい。インド映画「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画」のサブタイトルを見て最初に思ったのは,「火星を打ち上げることは出来ないだろう」ということだった。フライヤーの見出しには「火星探査機打ち上げを成功させた奇跡の実話」とちゃんと書いてあるのに,どうしてこんなやっつけ仕事をしたのだろう。この国で国語に携わる何人いるか分からないけれども,おそらく相当数いるであろう職業人に . . . 本文を読む