坂元裕二の脚本の下,松たか子,松田龍平,満島ひかり,高橋一生という芸達者な若手4人が結集し,金子文紀,土井裕泰という本編でも実績のある演出家が手掛けるドラマ。
そんな仕立てを聞いただけでも観る前から期待が高まったが,出来上がった(まだ半分だけだけれど)作品は,そんな期待を遙かに上回る出来映え。連続TVドラマの醍醐味を堪能させてくれる一時間こそ,私にとっての「プレミアム・チューズデイ」。
カラオケ . . . 本文を読む
日活ロマンポルノのリブート(再起動)プロジェクト第5作かつ最終作となる「ホワイトリリー」は,かつて異なるジャンルを縦横にカバーする職人として,旧シリーズの屋台骨を支えていた小沼勝に師事していた,中田秀夫の出番となった。「劇場霊」や「リング」で世に出た中田監督だけに,ホラー風味の味付けがあるのではという予感もあったが,出来上がった写真は「品のよい昼メロ」のフレームを守った,むしろ「端正」と言っても良 . . . 本文を読む
シーズンものの連続ドラマが二桁の視聴率を叩き出せば「大ヒット」と言われるこの時代にあって,平均視聴率が20%をキープし続ける,というのはやはりとてつもないことだ。
フジテレビ月9の制作陣からすると信じられないくらい高いそんなハードルを,NHK朝の連続ドラマ平成28年度後期の「べっぴんさん」は,いとも簡単にクリアしているように見える。
視聴率という数字だけを見ると,服飾メーカー「ファミリア」の成功物 . . . 本文を読む
日活が唯一制作した怪獣映画「大怪獣ガッパ」の主役であるガッパのソフビがあるとは驚いた。
終盤,デリヘルで働く母親に,個人で託児業をしている若者に預けられた子供が見上げた空に,若者からもらったガッパのソフトビニール人形のリアルな怪獣を観るシーンがある。
更に主役の女性3人が,そのうちのひとりの客となったお笑い芸人が出演する舞台を観に行った際に,ステージにMCとして白川和子が登場する。言うまでもなく日 . . . 本文を読む
冒頭いきなり,ひしゃくですくった温泉の熱湯を,捕らえられた切支丹にかける拷問の場面が展開される。まるで石井輝男のキッチュな「地獄」を,スケールアップしたようなどぎつさに度肝を抜かれる。
中盤には,断固として信念を貫いた信徒3人を,海岸に満ちる潮と寄せる波によって,時間をかけて溺れさせる処刑のシークエンスも用意されている。文芸大作としての格調を重んじたならば,ここまではやらないだろう,という当方の勝 . . . 本文を読む