NETFLIXのシリーズ「ザ・クラウン」が面白いらしい。当たり外れの少ないクリエイターであるピーター・モーガンがプロデュースしているというだけでも信頼度は高く,いずれチャレンジしたいと思ってはいたのだが,既に4シーズン40話もあると知り,まだ「再生する」をクリックできずにいた。視聴中のミニシリーズ,バリー・ジェンキンスの「地下鉄道」を完走したら,と考えていたら,「プロミシング・ヤング・ウーマン」の . . . 本文を読む
東宝製のオリジナル「ゴジラ」と同一のモンスターとは思えない頭部の小さなハリウッド製の「ゴッズイラー」が「移籍」してきた「モンスター・ヴァース」シリーズは,これまでメガヒットとまでは行かないまでも,シリーズを継続させ得る程度の興収は着実に挙げてきたようだ。しかしCOVID-19禍において大作の劇場公開が見送られる間隙を縫ってリリースされた本作「ゴジラVS.コング」は,派手な絵を劇場で観たいという潜在 . . . 本文を読む
白黒スタンダード。嵐で孤立した灯台。物語の通奏低音として不気味に響く霧笛。灯台守しか入れない最上階にある光源の部屋。居室と灯台をつなぐ廊下。怪しげな貯水タンク。網にかかった人魚。行く手を阻む悪意に満ちたカモメ。登場人物はいわくありげな二人の男。ホラー作品の愛好者なら,テーブル一杯に広げられたこんな豪華な食材を目にしただけで,胸が一杯になることは間違いないだろう。
闇を照らす灯台というモチーフが,そ . . . 本文を読む
車椅子を使う主人公,という設定からはヒッチコックの「裏窓」を。身動きできない主人公に対して,彼(本作では彼女)を溺愛する人間の恐ろしさが横溢するという点でスティーヴン・キングの原作をロブ・ライナーが映画化した「ミザリー」を。更にショッキングなオープニングをラスト近くで主人公の正体が明かされるクライマックスが覆す物語というフレームは「シックス・センス」を。「search/サーチ」の監督・制作チームが . . . 本文を読む
学生時代に青森出身の同級生が帰郷する際に,ツーリングがてら札幌から青森までバイクで同行したことがある。その途中でひとり暮らしをしていた同級生の祖母の家に泊めて貰ったのだが,そのおばあちゃんが何を言っているのか,まったく分からなかった。身振り手振りで「遠いところ,よく来てくれました。疲れたでしょう」というニュアンスだけは伝わってくるのだが,単語一つ一つは勿論のこと,それが連なってしまうと誇張ではなく . . . 本文を読む