少し前の朝日新聞に,東京藝大卒の映画監督を取り上げた記事が載っていた。その中で「エンタメ系」の代表監督として名前が挙げられていたのが最新作「響HIBIKI」や「センセイ君主」,更には「君の膵臓を食べたい」などヒット作を量産する月川翔で,「芸術系」の代表格が本作のディレクターである濱口竜介だった。
話題の「ハッピーアワー」も含め,これまでの諸作はいずれも未見のため,今回が濱口作品との初めての対面とな . . . 本文を読む
世を挙げての「安室奈美恵引退」ブームではあるが,彼女の歌に特に強い思い入れはなく,それよりも「離婚経験者が唄った歌『CAN YOU CEBRATE?』を結婚式に使ったカップルの離婚率はどうなのだろう?」と案じる人間にとって,小室哲哉氏が音楽を担当し,安室ソングが大々的にフィーチャーされた本作のハードルは高かった。しかしそんな「全然ノレなかったらどうしよう」という危惧は,冒頭の女子高生「ラ・ラ・ラン . . . 本文を読む
胆振東部地震発生後初めてのホームゲーム。試合開始前に犠牲者を追悼して黙祷を捧げ,スポンサーのJALが「北海道応援マッチ」と銘打った試合だったが,残念ながらコンサドーレは,サポーター,そして道民に勝利を届けることは出来なかった。まるで昨年までのチームに逆戻りしてしまったかのような戦い振りは,ACL進出どころか,空前の大混戦となりつつある残留争いに巻き込まれる危険性をも予感させるものだった。
現実に . . . 本文を読む
「ラ・ラ・ランド」で名実共にハリウッドのトップスターとなったエマ・ストーンが次に選んだ作品は,彼女の眩いばかりの美しさにフォーカスした企画ではなく,「# Me too」運動のオリジンのひとつと言ってもよい「ビリー・ジーン・キング夫人VS.ボビー・リッグスの対決」の再現だった。45年前に行われた「世紀の対決」物語は,緻密に描き込まれた社会背景が,実はほとんど現代のそれと変わりがないことを炙り出して, . . . 本文を読む
イニエスタとポドルスキが札幌に来る。まだACLに出場したことも,ましてや世界クラブW杯に出たこともないチームが,文字通り世界のトップ選手と,この札幌の地で相見える。東アジアの更に東の端の片田舎に住むサッカーファンにとって,この日は2002年のW杯の予選リーグで,イングランドが宿敵アルゼンチンをベッカムのPKによって破った日と並んで,忘れられない日になるはずだった。
けれども,そんな大事な一戦は,ポ . . . 本文を読む