「笑う故郷」で主演のオスカル・マルティネスにベルリン国際映画祭の主演男優賞をもたらしたガストン・ドゥプラットとマリアーノ・コーンというアルゼンチン人の監督コンビニよる新作「コンペティション」を観ながら、何故か「1スジ2ヌケ3動作」という牧野省三が語った映画の極意を思い出していた。「スジ」プロット・脚本がしっかりしていて、「ヌケ」映像が美しく、「動作」俳優の所作が決まっている。ペネロペ・クルスとアン . . . 本文を読む
「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」
ボウイが生前に残した演奏フッテージや本人のインタビューなどから,ロック・ミュージック史に大きな足跡を残した異型のスターの全貌を描き出そうとする壮大な試み。けれども冒頭に配置され,その後も何度か繰り返して使用される,どこかの異星に取り残された宇宙飛行士のショットが映し出された瞬間に,そのトライは脆くも崩壊する。本作品での言及はないが,一般にボウイと . . . 本文を読む
「フェイブルマンズ」:スティーヴン・スピルバーグ
自伝的要素が強いという作品だが,主人公が愛する母親の秘密を,偶然撮影したフィルムの中に見つけてしまったというエピソードは実話だ,という監督の話にはのけぞった。特にアクション映画において,明るく屈託がないという印象が強いスピルバーグ監督作品の幾つかに潜んでいた得体の知れない「暗さ」の発信源を見たような思いだ。終盤のヤマ場となる高校卒業記念フィルムに映 . . . 本文を読む