子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2019年J1リーグ第13節 札幌 VS ガンバ大阪【0:0】

2019年05月25日 17時04分37秒 | 北海道コンサドーレ札幌
菅と鈴木武蔵,二人の日本代表を擁し,更にク・ソンユン,チャナティップという外国人選手の母国での代表も加えると,4人がフル代表に選出されているという,かつてない状況にある札幌だったが,下位に低迷するガンバとの試合はそんな「豪華な」メンツからは想像も出来ないような,中途半端な内容に終始する結果となった。 前節は首位を走るF東相手に,最後まで攻撃のリズムを掴めないまま,久保建英ショウの引き立て役に甘ん . . . 本文を読む

映画「アメリカン・アニマルズ」:実録ものの概念をひっくり返す笑いのパワー

2019年05月25日 12時06分18秒 | 映画(新作レヴュー)
実際にあった犯罪を,忠実に再現した作品は数々あれど,犯人を筆頭にその犯罪に巻き込まれた人々が画面に登場してきて,事件に関する自分の意見や感想を述べる。再現ものとしては,その構成自体が画期的とは言えないにも拘わらず,ドキュメンタリー映画出身だというバート・レイトン監督の「アメリカン・アニマルズ」は,何層にも折り畳まれた青春に対する悔悟の熱量とばかばかしい程のエネルギーによって,観客を金縛りにする。青 . . . 本文を読む

映画「オーヴァーロード」:J.J.エイブラムスの印籠鮮やかな戦争ホラー

2019年05月18日 22時47分46秒 | 映画(新作レヴュー)
「スター・トレック」の新作シリーズで実績を上げ,新たな「スター・ウォーズ」三部作のクリエイターに指名されたことによって,往時のスティーヴン・スピルバーグと並ぶ,世界中で最も忙しいフィルム・メイカーの一人となったJ.J.エイブラムス。正直,相性という点では,決して良いとは言えない監督なのだが,彼が関わった新作「オーヴァーロード」に,今ではすっかり廃れてしまった2本立て興行の添え物として,一時は需要が . . . 本文を読む

映画「シャザム!」:相手に聞こえない大見得に腹を抱える

2019年05月12日 12時41分34秒 | 映画(新作レヴュー)
「アベンジャーズ/エンドゲーム」が世界中で凄いことになっているらしい。数えてみたら札幌のユナイテッド・シネマでは4つのフォーマットで合計13回上映されている。3時間超えの作品だから,効率だけを考えたら決してうまみのある興行ではないのかもしれないが,それでもこれだけの回数上映するということは,それだけの観客が押し寄せているということの証左なのだろう。MCU(マーベル・シネマティック・ユニヴァース,と . . . 本文を読む

映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」:ロブ・ライナーの職人技が凝縮された91分

2019年05月03日 16時17分09秒 | 映画(新作レヴュー)
「バイス」が湾岸戦争を主導した為政者たちを主人公に据えた「表」の顔だとすれば,ロブ・ライナーの新作「記者たち 衝撃と畏怖の真実」は,マスコミが担うべき責任を自覚し,その実態をスクープしようと奔走した現場の記者たちの姿を描いた「裏」湾岸戦争作品と言える。複数の異なる視座から現代史を検証する試みを立て続けに鑑賞できる幸せと,「腐っても鯛」ではないが,国のトップが一万回を超える「嘘」を並べ立てながら,一 . . . 本文を読む

映画「バイス」:空虚な権力志向の完全コピー

2019年05月01日 19時36分36秒 | 映画(新作レヴュー)
クリスチャン・ベイルの役へのなり切り度は,既に「レイジング・ブル」のロバート・デ・ニーロの域に達していると言えるだろう。妻の願いに応じて,ただひたすらに権力を追い求め,アメリカを窮地に追い込んでしまった副大統領ディック・チェイニーという空虚な器に,一分の隙もなく入り込んでしまった「バイス」での演技は,「レイジング・ブル」でのデ・ニーロを彷彿とさせる。こちらも驚くべき完成度のサム・ロックウェル扮する . . . 本文を読む