出世作「ER」のダグラス・ロス先生役から早18年近く。どこをどう切り取って撮っても,絵になる男ばかりを演じて来たジョージ・クルーニーが,妻が浮気をしていたことを知って慌てふためき,サンダル履きでドタドタと走る。アレクサンダー・ペインの新作「ファミリー・ツリー」は,クルーニーが初めて年齢相応の普通のおじさん役(と言ってもカメハメハ大王の子孫で,広大な土地を受け継ぐ弁護士なのだが…)を演じた作品として . . . 本文を読む
コンサドーレはここまでの14試合で30失点と,完全に崩壊状態にある守備陣を立て直すための特効薬を見つけられない試合が続く中,今日の試合は監督交代後も調子が上がらず依然として17位に沈むガンバとの「最下位争い」となった。
ホームでの連敗阻止という一縷の望みを携えて来場した観客も多かったかもしれないが,その願いは今日も叶えられることなく,サポーターは実力差がそのままスコアとなって現れた試合を,声もなく . . . 本文を読む
ジョン・ル=カレの長大な原作を読んだのは,もう4半世紀も前。まさかこの時期に,「スマイリーもの」の決定版といわれる作品の映画化が観られるとは思わなかった。それもゲーリー・オールドマンという,一見スマイリー的重量感とは趣を異にすると感じさせる役者を核に据え,スウェーデン出身の新鋭監督のメガホンという誂えで。
そんな新たな装いで現れた「裏切りのサーカス」は,言語と論理と演技と映像感覚とが,これ以上ない . . . 本文を読む
まるでレース開催直後の競馬場のような芝。ペナルティエリアの中に入り込んでも,決してシュートを放とうとしない香川。どこがファウルなのか分からなかった,内田が与えたPK。選手を替えないザックの采配。極めつけは,本田がFKを蹴る直前に吹かれた試合終了の笛。見どころ満載の試合は,結局FIFAランキング(日本23位,オーストラリア24位)をそのまま反映したような結果となった。後半の早い時間帯に相手が退場者を . . . 本文を読む
アメリカがかつて「悪の枢軸」と呼んだ国,そのイランの映画に,自国で最も権威のある映画賞(アカデミー賞外国語映画賞)を贈った。それだけでも充分に大ニュースと言える出来事だが,作品の内容はそれ以上に数多くの驚きと謎に満ちている。劇中,音楽はほとんど流れないのに,感情を揺さぶるヴィヴィッドなメロディと難解なコードを組み合わせた複雑な構成が同居する,よく出来た室内楽を聴いたような気分になれる。けっして観客 . . . 本文を読む
ドーハの悲劇でイランに敗れた試合から連続して4大会,W杯最終予選の第2戦に勝ったことがないというジンクスに加え,第1戦でのボランチの不調が気にかかる中で行われたヨルダン戦だったが,きっちりと修正して来た遠藤に率いられた日本は,これ以上は望めないという結果を出した。まだ課題はあるものの,前半戦最大のヤマ場となるオーストラリア戦に向けて,攻撃陣が良いリズムになってきたことは,実に良いニュースだ。
ヨ . . . 本文を読む
とうとう迎えた最終予選を前に不安要素は幾つかあった。
ひとつは,所属するウォルフスブルクでほとんど試合に出ていなかった長谷部と,出てはいるがチームの不調を引きずっているように見える今野という,守備においてセンターラインを形成する選手のコンディションがどうか,という点。
もうひとつは,ドルトムントで見せている素晴らしいパフォーマンスをいまだ代表で発揮しきれていない香川が,初挑戦となるW杯予選で,これ . . . 本文を読む