子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2013年J2リーグ第2節 コンサドーレ札幌 VS  栃木SC【0:1】

2013年03月10日 23時07分20秒 | サッカーあれこれ
シーズンの開幕戦で格上の千葉にまさかの勝利。石崎前監督が昨シーズン終盤に執念を燃やしてトライしていた3バックをあっさりと捨てて,再び4枚で組んだ新しい守備網も無失点と結果を出し,上々の滑り出しで迎えたホームの開幕戦は,しかし昨シーズンとは違った意味でサポーターを失望させる試合となってしまった。

ここでJ1とJ2の試合のレヴェルの差を云々する気はない。だが新入団選手がスタートに4人(試合出場の叶わなかったテレも入れれば5人)入っても,ポゼッション,シュート数共に相手を上回る展開になるということは,少なくともJ1ではあり得なかっただろう。中盤でのパス廻しの質は明らかに札幌より上にも拘わらず,あえて選手を後ろに余すことでアタッカーへのブロックを優先させるという今日の栃木のような戦術を取るチームは,J1には見当たらないからだ。
だがどんなに内容で相手を押し込んでも決められない状況で,カウンター1発によって仕留められるという展開もまたJ2ならではの怖さだ。選手交替で入ったばかりの俊足MFを抑えるだけのスピードを持ったDFは,残念ながら札幌にはいなかった。

しかし攻撃の引き出しは間違いなく昨年よりも増えていると感じられた。
前半の左サイドから放った神田の思い切りの良いシュートは,観ていて気持ちの良いものだった。最前線での動きを見ていても,先輩に混じっても臆することなくボールに絡んでいこうとする強い意図が伺えて,昨年の前以上に頼もしい新人が現れたという印象を受けた。
また,前半に上里が右サイドのオープンスペースに入れた低い弾道のクロスは,武者修行の成果が如実に表れた素晴らしいものだった。運動量も増えており,精度は低いけれども距離は出るロングボールの河合と組むボランチ・コンビは,それなりの安定感を感じさせた。
スイスへの移籍がならなかった古田も,シュートの意識は間違いなく高まっている。惜しむらくは,くさびを受けてターンし,ミドルレンジからのシュートを蹴った脚が,いずれも相手にとって脅威とは言えない右足だったことだ。

テレはチェイシング以外に観るべきものはなかったし,先制されてからの攻撃が,岡本や前田といった上背のない選手の投入と最後方からの放り込み一辺倒という,矛盾だらけの采配によって行われたことは残念ではあった。
でも幸いJ2の残り試合は40試合もある。勝ち点は奪えなかったけれども,長丁場のどこかで何かが起きるかもしれない,という微かな予感を感じ取ったサポーターは,1万3千人余の中に何人かいたはずだ。そのうちの一人として,エールを送りたい。「もっと走ってくれぇ!そしたら良いことがあるかもしれないぞぉ!」と。


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