子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
キリンチャレンジカップ 日本代表VSアルゼンチン代表【1:0】祝,ザック,GOOD LUCK!
TVで観ている間中ずっと,日本が初めて出場したフランスW杯大会におけるアルゼンチン戦を思い出していた。自陣ゴール前に人の壁を築き,次から次に飛んでくるシュートを川口が必死に弾いて守り続けたあの90分間から12年。後半は,世界一のスペインを圧倒したばかりの絢爛豪華な攻撃に押されたとは言え,アルゼンチンを相手に日本が90分を通してここまでしっかりとゲームを作ることが出来るようになるとは思わなかった。
南アフリカにおける4試合が,日本サッカー界にもたらしたものは,あの瞬間に感じた以上に,とてつもなく大きなものだったようだ。
攻撃陣の一角を担うアグエロは来日出来なかったが,スターティング・ラインナップの圧力は凄かった。南アフリカに呼ぶべきだったと言われたカンビアッソが復帰し,テベスとメッシとD.ミリトを支える。どこから見ても世界トップの攻撃力だ。
時差や疲れはあったかもしれないが,前線から中盤まで隙なく連携を保って繰り出されたプレスの圧力は,その名前以上に凄かった。
開始直後の栗原のミスは,正にその圧力をまともに受けてしまった結果だろう。
しかし日本は,その圧力に怯むことはなかった。個人のテクニックやセカンドボールに対する嗅覚で劣る分を,献身的な走りと,期待以上に的確だったマークの受け渡し,そしてシュートに対する最後のブロックによって,見事に補って見せた。
長友や長谷部,そして香川ら,欧州経験組が精神的に対等なスタンスで,いつも通りのプレーを見せることにより,国内組を落ち着かせたのも大きかった。解説者は「長友は足が速くなった」と語っていたが,たかだか1~2ヶ月で飛躍的にプレーの質やスピードが向上する筈はないことを考慮すると,やはり名前負けしない,という部分で,海外に出て行く効果は絶大なものがあるのかもしれない。
ノーベル化学賞を取った鈴木さんや根岸さんが,異口同音に「外国へ行け」と語っていたが,それはあらゆる分野に通じる真実なのだろう。
決勝点を奪ったのは,長谷部のミドルシュートのこぼれ球に詰めた岡崎だったが,岡崎はその前の内田のクロスに合わせたシュートを決めなければならなかった。
攻撃の核になるはずだった本田圭は,少し下がった位置での「溜め」は良かったが,シュートを含めた攻撃のタイミングはズレていたようだ。
長友,香川は期待通りの活躍を見せてくれたと思う。
サプライズだったのは,前田のプレーだった。くさびの位置で反転してから相手をかわして打ったシュートも,カウンターから抜け出し,独走して放ったシュートも,どちらも素晴らしかった。これで森本とのトップ争いが,俄然熱を帯びてきたのではないだろうか。
そんな中で,遠藤のゆったりとした間合いと共に,内田のクロスの殆どが,アジア・レヴェルに見えてしまった。腐らずシャルケで精進して欲しい。
初陣となるザック・ジャパンが「大金星」を挙げた試合となったが,それでもやはり観客のため息を誘ったのはメッシのプレーだった。ドリブルの上手さ,振り幅が少なく速いキックの巧みさ,そしてピッチ全体を見渡して予測出来ないタイミングで放たれるラスト・パスのパースペクティブ。やはり世界最高の選手という称号は伊達ではなかった。今宵,生であのプレーを観ることが出来た人たちは,その感激を孫子の代まで語って聞かせることだろう。
アルゼンチンのバティスタ暫定監督にとっては,「暫定」という形容詞をなくすために極めて重要だったはずのこの試合,マラドーナは地球の裏側でどんな気持ちで観ていたのだろうか。
アグエロの奥さん,つまり実の娘と共に,監督復帰に向けて祝杯を挙げている姿が一瞬脳裏に浮かんだのだが,さて真実は?
南アフリカにおける4試合が,日本サッカー界にもたらしたものは,あの瞬間に感じた以上に,とてつもなく大きなものだったようだ。
攻撃陣の一角を担うアグエロは来日出来なかったが,スターティング・ラインナップの圧力は凄かった。南アフリカに呼ぶべきだったと言われたカンビアッソが復帰し,テベスとメッシとD.ミリトを支える。どこから見ても世界トップの攻撃力だ。
時差や疲れはあったかもしれないが,前線から中盤まで隙なく連携を保って繰り出されたプレスの圧力は,その名前以上に凄かった。
開始直後の栗原のミスは,正にその圧力をまともに受けてしまった結果だろう。
しかし日本は,その圧力に怯むことはなかった。個人のテクニックやセカンドボールに対する嗅覚で劣る分を,献身的な走りと,期待以上に的確だったマークの受け渡し,そしてシュートに対する最後のブロックによって,見事に補って見せた。
長友や長谷部,そして香川ら,欧州経験組が精神的に対等なスタンスで,いつも通りのプレーを見せることにより,国内組を落ち着かせたのも大きかった。解説者は「長友は足が速くなった」と語っていたが,たかだか1~2ヶ月で飛躍的にプレーの質やスピードが向上する筈はないことを考慮すると,やはり名前負けしない,という部分で,海外に出て行く効果は絶大なものがあるのかもしれない。
ノーベル化学賞を取った鈴木さんや根岸さんが,異口同音に「外国へ行け」と語っていたが,それはあらゆる分野に通じる真実なのだろう。
決勝点を奪ったのは,長谷部のミドルシュートのこぼれ球に詰めた岡崎だったが,岡崎はその前の内田のクロスに合わせたシュートを決めなければならなかった。
攻撃の核になるはずだった本田圭は,少し下がった位置での「溜め」は良かったが,シュートを含めた攻撃のタイミングはズレていたようだ。
長友,香川は期待通りの活躍を見せてくれたと思う。
サプライズだったのは,前田のプレーだった。くさびの位置で反転してから相手をかわして打ったシュートも,カウンターから抜け出し,独走して放ったシュートも,どちらも素晴らしかった。これで森本とのトップ争いが,俄然熱を帯びてきたのではないだろうか。
そんな中で,遠藤のゆったりとした間合いと共に,内田のクロスの殆どが,アジア・レヴェルに見えてしまった。腐らずシャルケで精進して欲しい。
初陣となるザック・ジャパンが「大金星」を挙げた試合となったが,それでもやはり観客のため息を誘ったのはメッシのプレーだった。ドリブルの上手さ,振り幅が少なく速いキックの巧みさ,そしてピッチ全体を見渡して予測出来ないタイミングで放たれるラスト・パスのパースペクティブ。やはり世界最高の選手という称号は伊達ではなかった。今宵,生であのプレーを観ることが出来た人たちは,その感激を孫子の代まで語って聞かせることだろう。
アルゼンチンのバティスタ暫定監督にとっては,「暫定」という形容詞をなくすために極めて重要だったはずのこの試合,マラドーナは地球の裏側でどんな気持ちで観ていたのだろうか。
アグエロの奥さん,つまり実の娘と共に,監督復帰に向けて祝杯を挙げている姿が一瞬脳裏に浮かんだのだが,さて真実は?
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