子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2019年J1リーグ第3節 札幌 VS 清水【5:2】

2019年03月09日 17時43分50秒 | 北海道コンサドーレ札幌
昨シーズンの攻撃の中核を形成していた選手のうち,三好が横浜に去り,駒井が怪我で離脱。ペトロビッチが指向する攻撃的サッカーが1年という時間をかけてチーム全体に浸透し,今年は本気でACL出場を狙うと宣言したチームが迎えたピンチを,新しく加入した選手がどう打開していくか。例年以上に期待と不安に胸を膨らませてホーム開幕戦に駆け付けたであろうサポーターの前で繰り広げられたのは,果たして昨季以上に躍動的で,スリリングなアタックだった。フロントと現場スタッフと選手たちが見せた見事なコラボレーションは,本当に世界基準のクラブへと飛躍していくのではないかという夢を抱かせるものだったと言っても過言ではないだろう。

何と言っても二人のスコアラーが素晴らしかった。鈴木武蔵が見せた先制点のボールの受け方と加速,そしてPKを引き出したドリブルの突進力。札幌で同じようなレヴェルのプレーをした選手と言えば,おそらくエメルソンまで遡らなければならないだろう。勿論,今年のリーグ最初のハットトリックはおろか,「4点」という野球並のスコアを記録したアンデルソン・ロペスの決定力も凄まじかった。特に鋭い切り返しの連発で流し込んだ3点目,ニアの上方という日本人が避けがちなエリアをぶち抜いた4点目は,若手の素晴らしいお手本になるものだった。

そんな思いもよらない大量得点を生み出した原動力は,チーム全体がスペースに走り込む意識を90分間保ちつつ,ボールを前に運ぶプレーを継続したことに尽きる。リベロの宮澤が勢いよくアタッキングサードに走り込んだり,トップを追い越して何度もプレスに行った荒野のフリーランニングがDFを引き付けることによって生まれたスペースを,フリーな選手が上手く使うという,観ていてワクワクするような瞬間が何度もあった。特に今日はルーカス・フェルナンデスの出来が素晴らしく,DFを置き去りにする突破や精度の高いクロスによって,相手の脅威となっていた。その分,オフサイドを取られた幻のゴールに代表されるようにチャナティップの日ではなかったが,アンデルソン・ロペスと武蔵のコンビネーションが確立したという点では,最高のホーム・オープニング・ゲームだった。

せっかくアピールの場を与えられた中野が消極的なプレーでチャンスを台無しにしたことや,福森の守備能力の低さが露わになった(キックも不調だった)りと,修正点も散見されるが,金を取って見せるプロ・スポーツのパフォーマンスという評価軸で見れば,今日の試合は満点を献上しても良いだろう。勿論,アンデルソン・ロペスの危ないゴール・パフォーマンスはいただけなかったが,年俸全部足しても神戸の外国人一人分にも満たないであろう札幌の外国人のコスパの高さは既に間違いなく世界レヴェル。今のコンサを観ないとコンサるぜ,じゃなかった,損するジェイ。


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