あれはなんだったんだ?@新宿ロフト(その後の経過を追記)

2018年11月12日 08時44分27秒 | コメディのかけら

※下記の件に関して、
 ある方から情報を頂きました。
 男がやっていたのは・・・「禁止されている録音」でした。
 彼女の行動は、正義の行動だったんですね。

※※という真相を知ってから、
  下記の文章を読み返すと、
  当の女性に対しいささか失礼な表現もありますが、
  事情を知らぬ現場ではそう思ってしまったことは事実ですので、
  削除や訂正はせず、このままにしておきます。

※※※冒頭に真相を記しますことで、ご勘弁下さい。
  







新宿ロフトのフロアの後ろの方に、
手すりがあって一段高くなっている場所がある。

ある意味そこは、特等席だ。

昨夜、僕はその手すりの一つ後ろの列にいた。
オールスタンディングのライブだった。

バンドの入れ替え中、
僕の隣にいた女性が座り込んでいた。
他にも腰をおろしている人はいたので、
特に不思議にも思わなかった。

ライブ再会までまだ少しかかりそうだったので、
トイレに行き、
同じ場所に戻ってみると、
先ほどの女性が、目の前の男性の傍らに寄り添うように立っていた。
背後から見ると、それはどう見ても恋人どうしだった。

なぜ最初から、2人並んで見ていなかったんだろう、
と思ったが、何か事情があるに違いない。

すると、

「そんなにくっつくなよ」と男。

え、赤の他人だったの?
と驚いた次の瞬間、
女性がストンと床に倒れ込んだ。
まるで何かの発作を起こしたような危険な倒れ方だった。

心配した周囲の女性客が助けの手を伸ばす。
倒れた彼女は「大丈夫です」と応え、
再び元いた場所である僕の隣に立った。

そしてライブが始まった。

気がつくと、
その女性は手を伸ばして、
僕の前の手すりをつかんでいた。

やはり体調がよくないのかと思い、
僕が体をずらすと、
手すり席の隙間に少しずつ入り込み、
いつの間にか、
僕の真ん前でライブを見ていた。

なかなか大胆な移動だったので、
内心「え~」と思ったものの、
文句を言う筋合いのものでもない。

そしてライブが1時間ほど進んだ時、
突然、彼女がその場を離れた。
倒れた時に声をかけてくれた女性客に、
「よろしければここどうぞ」
と自分のいた場所を譲って。

やはり体調が悪かったのかもしれない。
思えば、ライブの最中もずっとじっとしていた。

だが、事件はここから始まる。

しばらくすると帰ったと思った女性が戻ってきた。
しかもロフトのスタッフを連れて。

そして先ほど「そんなにくっつくなよ」と言った男に関し、
何かを訴え始めた。

爆音で演奏中なので、
何を言っているのかわからなかったが、
男の方は憤然としている様子だった。

それに対して、反論する彼女。
表情だけでもわかる。

するとスタッフが男に、
肩からかけているカバンの中を見せるように言った。

え?
なぜカバンの中を?
考えられる可能性は、
 ・スリ
 ・盗撮
 ・録音(禁止されているので)

正直、邪魔だった。
今はライブの真っ最中なのだ。
揉め事があるなら向こうでやってくれ。

男自身も同じ思いだったようだ。
「終わったら行きますよ」とキレ気味に告げた。

それで彼女も納得したようだ。
再び僕の前の手すり席につき、
ライブを観始めた。

よく見ると、
今度は少しだけ音楽に合わせて体を動かしていた。

僕が目撃したのはここまでだ。

ライブの後に本当に何かの確認がなされたどうかはわからない。
ただ、終演後、比較的遅めにフロアを出ようとすると、
彼女が1人で立っているのを見かけた。

結局あの騒ぎはなんだったんだろうか。