山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

セイタカアワダチソウは変幻自在

2006-11-10 | 植物
よく知っていると思っている植物でも、実は何にも見てなかったりします。
たとえば、セイタカアワダチソウの茎の10cmの間に、葉は何枚ぐらいついているのかとか。

セイタカアワダチソウは、ほかの植物と競争しているわけじゃない場所でも、ときどき唐突に3メートルぐらいの高さになっていたりします。

ほかのものに寄りかからずに、そんな高さまでまっすぐ伸びていられるというのは
たいしたものです。ほかの草にはなかなかまねのできない芸当です。

今の時期には、緑の葉は上の方の80センチぐらいしかなくて、下の方は枯れあがっています。

ある程度の高さまで伸びて、その後は葉が枯れながらも花が咲くまで伸び続けるというのは、ある意味無駄に思える期間だ、
こういうことは在来の植物にはない、
と本に書かれていました。
なるほど。

別の見方をすれば、花が咲く時期について、おそろしく律儀なひとです。
同じキク科でも、コスモスや百日草やヒマワリなどは、早く芽が出て早く大きくなったら、早く咲き始めます。もちろん限界はありますが。
セイタカアワダチソウは、自分の決めた花の時期が来るまで、じっと待って、ひたすら伸び続けている。
その間地下茎を太らるという仕事はしていますが。

反対に、秋口に刈り取られたセイタカアワダチソウは、たとえ草丈が30センチしかなくても、その時期がきたら忙しく花を咲かせます。
そんなちっちゃいのに花をつけることができる、というのも、これまたただものではありません。

セイタカアワダチソウは、ちっちゃくても一生、大きくても一生、光さえ当たればどっちでもOK。そう見ると融通性があります。

しかし、何があろうと、決めたことは絶対にやる!という生き方。
すごいやつなのか、頑固なのか、けなげなのか。
いずれにしても私にはまねできません。