山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

黄色くなるオギと赤くなるススキ

2006-11-22 | 植物
興味のない人にはどうでもいいのでしょうが、オギとススキは似ているけれど、見慣れると全然違います。

草ならたいていのものはよく見ているつもりでしたが、中津川にはオギはほとんどないと思いこんでいたので、今までオギというものを、しっかり認識したことがありませんでした。

今年の植生調査で愛知県の平野部で、オギと懇意になりました。
その結果、うちのすぐ近くの川原にあるのはオギだったことを、はずかしながら今頃知ったのです。驚きました。

そうしてみてみると、オギの多いこと、多いこと。
今日は中央線で名古屋まででかけましたが、線路沿い、川沿い、休耕田に生えているのはオギばかりです。
写真は、オギです。

今まで全然見えていませんでした。
「そろっている」感じがするのがオギです。
ドミノの駒(というのか?)みたいに、みんなまっすぐに並んで立っています。

ススキの方が乾いたところにあるし、オギが河川堤防に多いのは、砂質のところによく生えるせいです。
ススキは刈り込みに強いのですがオギは年1度刈るとかなりやせてしまう、と岡山理科大のホームページに書いてありました。

秋になると、草も紅葉します。草もみじです。
今年気づいたのは、オギは黄色くなりますが、ススキは赤っぽくなるものが多くあります。オギほど黄色くなりません。オギは黄色を通りこしてオレンジ色がかることがありますが、ススキは赤系でも、オレンジというよりピンク系です。
カリヤスも黄色です。染色の色と多少関係あるのでしょうか。

イネ科の草紅葉は目立ちます。メリケンカルカヤは特にいち早く赤くなります。


今日は山々のタカノツメが真黄色になっていました。



※ところで、前回のカシノナガキクイムシの記事に突然トラックバックが6件も入っていたので、やはりカシナガへの世間の興味はすごいのね、と思ったら、全部H系のでした。どこにヒットするのでしょうね。不思議です。

カシノナガキクイムシ

2006-11-22 | めぐる季節と自然
カシノナガキクイムシは昨年話題になり、岐阜県では、まだ事例は少なかったのです。新潟の高根村に行ったとき、山が色の悪い紅葉のように変色していて、それがカシノナガキクイムシの大被害だと知りました。
岐阜県へは、北からと南からとせまってきたようです。
そのうち被害が出るのかしら、と思っていたら、先日の岩崎山で、あちこちに被害木があり、その進行の早さにびっくりしました。
コナラ、ミズナラがよくやられると聞いていましたが、岩崎山ではアベマキが多くやられていました。

カシノナガキクイムシは、松食い虫(マツノザイセンチュウ)と違い、在来種で、ある程度樹齢が高くなったナラを食害するそうです。
昔はナラ類は雑木として、10年~20年ぐらいで伐採していましたから、被害が出ることは少なかったのです。
今、放置され老齢化した雑木林がどんどんこの虫に食べられているというわけです。被害の広まるスピードは、今年と去年を見れば、松食い虫よりはるかに早いようです。

虫に食べられる前に、木を切って利用した方が得策です。
雑木林丸刈り大作戦です。
しかし、誰が切るのでしょう。
人工林も切る人がいなくて困っているのに。
でも、とにかく切って薪にしたもの勝ちです。
コナラやアベマキの使える材がなくなったら、よい薪はとれなくなってしまいます。

スギ・ヒノキでは枝虫とよばれるカミキリムシの被害が広まっているようです。

12月10日に愛知県で開催される雑木林研究会のセミナーのテーマは、カシノナガキクイムシです。