山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

裸の王様がいっぱい~偽装と味覚

2007-10-24 | なんとなく報告
赤福と比内地鶏のことで騒ぎが起きている。

偽装したのは悪いと思うが、きのうまで赤福をおいしいおいしいと言って食べていたのに、偽装が分かった途端けしからんという消費者って、何なんだろう。だまされてたことがくやしいということか。潔く、日付違っててもおいしいからいいです、って言えないんだろうか。

要するに冷凍技術がそれだけ発達してるってことじゃないの。なんせマイナス350度とか言ってたっけ。冷凍庫も高いことでしょう。
そういって赤福の味方してあげようと思っていたけど、その偽装のやり方があまりにも計画的で大々的なので、確かにそれはイカンことだとは思う。

マスコミはたとえば何人もの人にインタビューしても、そのうちの自分たちが一番伝えたいことを言った2人ぐらいのを報道するのだろうから、そうであれば完全に情報が操作されている。あんなインタビューをみんなの意見だと思って、うなずきながら観てはいけない。

冷凍だけでなく、売れ残り品を「まきなおし」て売っていたというが、これは表面が乾燥したり、できたてとは違ってくるから、それを疑わず食べている消費者がいるとしたら、その人は鈍感なのか、あるいはできたての赤福を知らないのである(私自身知っているかどうかあやしい)。

そもそも、冷凍したものを解凍して出荷するとき、どういう日付を表示するのかというガイドラインがちゃんとできてないってことで、みんな悩んでるんじゃないのか。

比内地鶏のほうは、
Yahoo!で10月23日22時26分配信 産経新聞の記事をみたところによると
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コスト削減のため、仕入れ値が1羽約2000円の比内地鶏に代わり、20~30円の「廃鶏」と呼ぶ、卵を産まなくなった親鳥を使った。
(中略)比内地鶏と銘打っただんご、つみれ、おでん、うどんセット…。同業他社は「加工品なら、味はほとんど変わらなかった」という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071023-00000962-san-soci
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ということで、これは廃鶏でもうまく加工すればおいしく食べられるということである。その会社が存続していたということは、それなりに売れていた、喜んで買う人がたくさんいたということでしょう。それが事実なのである。

20円の鶏が2000円の鶏なみに変身するなんて、すばらしいじゃありませんか。
桜井社長には、廃鶏を加工しておいしく食べる料理教室でも開いてもらいたい。
廃鶏も浮かばれるし主婦(主夫)たちも家計が助かり腕もふるえる。
比内地鶏1羽の予算で100羽の比内地鶏的鶏が食べられるわけで。

つまり消費者の浅はかなブランド志向が、あざ笑われただけのことである。
ブランドの名前がつくと少々高くても買う。消費者は比内地鶏のその会社に目くじらを立てる前に、自らのあさはかさを省みたほうがよい。
おいしければそれに見合った対価で買い、おいしくなければ買わない。それでいいではないか。

行政や公的機関の監視ができてないとか、表示が違ってるとか、そんなことに頼った生き方自体が「生きる力」の衰退の象徴である。
自分の味覚を頼りに食べ、自分の見たものや聞いたものを一番信じていればいいのである。

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こんなふうに、世の中には、現実とか実体とかから離れた言葉だけの論争が多いことに気づく。エネルギーの無駄遣い。
どうしてそんなことが起こってしまうのだろう。
建前とか、意地とか、いきすぎたプライドとか、怒りとか憎しみとか、ガラクタがいっぱいあると、人間の良心と愛という基本に立ち返ることができなくなるのである。
そんな人はかわいそうで、一緒にいるとこちらも虚しくエネルギーを吸収される。

恵那市の中野方へふらりと

2007-10-24 | 山里
ふらりと、というとぶらぶらしているようだが、
今日は仕事で、恵那市役所の農業振興課で棚田のことなど話した後、坂折棚田に近い中野方に久しぶりに行った。夕方納入の仕事があり時間はタイトで、本当はそんなことしてる場合じゃないわけなのだが、天気がよく、ぶらぶらとドライブには最適で、おかげでいい時間をすごせた。

全体的に、やっぱり田舎はのんびりしてるなー、という感じです。

途中、不動滝味菜でお弁当を買った。ここは地元産食材で、奥さんやおばあちゃんたちが作ったお弁当を売っていて、とってもおいしい。お昼に通りかかるとよく買っている。500円。

夜は突然中野方の人から電話があり、中野方づいた一日でした。

知らないこと~アケボノソウについて

2007-10-24 | めぐる季節と自然
ちょっときのうの続き。

たとえば、アケボノソウの花弁には緑色の点があって、そこに蜜があるようだ。
私はなめていないから甘いかどうか知らないが、アリがなめていた。

普通花の蜜はポリネーターという花粉運び屋さんのためのごほうびで、蜜を求めてやってきた昆虫や鳥やコウモリに花粉がくっついて、別の花のメシベに受粉される。

でもアケボノソウのこの構造では、アリに花粉がつくようには思えない。
ほかのもっと大型の虫がやってきて花粉運びをするのだろうか。
アリは盗蜜してるだけなんだろうか。

どうみても、蜜を盗まれやすい花の構造である。
なぜか。
そんなことを私は知らない。