山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

炭焼きが続いています

2008-01-21 | 山里
今日も坂折棚田の炭焼きを見に行った。朝8時、鈴村直さんはすでに来て火の調節をしていた。
9時に安藤君も合流。名人の柘植強二さんも来られて、ずっと加減していた。
思っていたより火がうまく「つい」てなかったので、昨日小さくした口を大きくして酸素を送る穴を開け、まきをどんどんくべた。火が弱いのでヒノキの葉を入れて炊きつけた。
昨日はただの蒸気だった煙がほんとの煙になりつんとしたにおいがしてきた。
蒸気は煙突から出てすぐに消えてしまうが、「煙」はだんだん薄くなりながらどこまでも漂っていくことを教えてもらった。
しばらくしたら「飾り」という炭材の上に載せている材に火が回った。
煙が黄色くなり勢いよく出てきた。
それはひとときで、また煙は白くなった。
私はお昼で帰ったけど、安藤君は夕方まで見ていてくれて、夕方までそんな感じだったようだ。

火がつくというのがどういうことか、言葉で聞いても全然分からなかったけれど、見れば納得できる。
分からないことというのは、分かるまでは決して分からないものだ。

合間はヒマなので、昔の鳥屋の話を直さんから聞いていた。
でも鳥屋よりも、直さんがニワトリの事業を立ち上げて懸命に闘ったり派手に遊んだりした話の方が面白かった。
直さんはただの田舎の「いいおじさん」ではないと思っていたが、やはりそうだったか、という感じ。オトコギがあるのである。

直さんのファンは多い。直ファンクラブを作れば相当の加入者ができそうだ。

一方の柘植強二さんも、炭窯に向っているときは怖いぐらい無口で厳しい顔をしているけれど、今日火がついてからはほっとされたのか、突然やさしいおじいちゃんに返信してしまった。
山の中にアマゴの池と、しいたけほだぎ千本があり、仕事したくないときは缶ビールを持ってそこですごしているそうだ。ぜひ遊びに来いといってくれた。
強二さんの奥さんはわら細工の名人だそうだ。

山にはタレントが実に多いのである。
一人一芸、みんな何かを持っている。