金魚やコイを川に放流することは、自然保護ではない。自然破壊である。
なぜならそれらの魚は多くの場合ほんらいその場に生息しない生き物で(コイは中国由来のものが多い)、それだけでも問題なのに、彼らは獰猛で、そこでそれなりに暮らしていけるはずのほかの魚たちをみんな食べてしまい、自然のバランスを壊すからである。
けれども、幼稚園児にコイを放流させるイベントは後を絶たない。それをうれしげに報道するマスコミに問題がある。
メダカは獰猛ではないが、川によって結構違いがあるらしく、よその川のメダカを放流すると、本来その川にいる種の特性が失われてしまうことになる。
これはメダカに限らない。
植物でも同じである。
が、魚は植物よりもっと横移動ができない生き物で、植物は種子散布を大々的に行うものが多いが、土岐川の魚は木曽川には自分の力では移動できないのである。
(水鳥の脚に卵がついたりして運ばれるというが)
植物の身近な例では、シデコブシがある。シデコブシは地域によってかなり形態の差がある。これは、植物学者でない私にも、見ただけで分かる。
けれども、中津川市には豊橋のシデコブシの苗木が一時期どしどし入れられていたと聞く。今どうなっているかは知らない。
湿地があると、サギソウやミズバショウが「善意の」誰かによって勝手に植えられていたりする。
ウミガメの「保護」。
ウミガメが生んだ卵を、必要もないのに掘り返し、別の場所に埋め、孵化させて海に返す。
これは保護ではなく、捕獲である。
こうして孵化したウミガメの赤ちゃんは、人間の手を離れると、水際までは一目散に逃げていくが、その後はほとんどが生きられないことが分かっている。
これらは、感傷的かつ勝手な思い込みによって行われる。
要するに、日本人はヒマすぎるのである!
自分がヒマだからといって、ほかの生き物の生き方にとやかく干渉しすぎである。
自分が破壊したものを反省して保全するのはいいが、身勝手な干渉はすべきではない。感傷による干渉。
ウミガメについては、豊橋の表浜ネットワークが問題提起して頑張っている。
ウミガメ協議会とかもリードしているようだ。
そのため、ちょっとずつ、ウミガメの本当の生態を知ろうとする人が増えてきていると思うが、一方で、相変わらずの放流会もますます盛んになっているようだ。
これについては、表浜ネットワークがブログで意見を発表している。
→どうして人工孵化場や放流会がうみがめにとって良くないのか
http://www.omotehama.org/report09/2009/08/post_69.html
上のようなことは、無知から発生していることが大半だろうから、やっている人に理解を求めていくしかないが、
さすがに黙っていられない気分になるニュースがあった。
--- ---
徳島新聞 2009年7月19日より
子ガメを放し安全祈り神事 美波町でうみがめまつり
美波町内で18日、夏恒例の日和佐うみがめまつりが催され、多くの観光客でにぎわった。
祭りは午後3時、県内有数のアカウミガメ産卵地・同町日和佐浦の大浜海岸でスタート。ウミガメの安全を祈る神事の後、乙姫大使の○○さん(18)、○○さん(18)や○○小学校児童ら計15人が、1歳の子ガメ13匹の甲羅に酒を振りかけ、砂浜に放した。
桜町通り周辺では、竜宮城をテーマにした仮装行列「乙姫行列」や、地元連による阿波踊り、大道芸のパフォーマンスなどがあり、フィナーレでは500発の打ち上げ花火が夜空を彩った。
【写真説明】子ガメに酒をかけ、放流する乙姫大使ら=美波町日和佐浦の大浜海岸
--- ---
ウミガメはおもちゃではない。
これは子ども達に生き物をおもちゃにしてもよいと教えるイベントである。
子ガメは早朝海に帰る習性があるので、それ以外の時間に放流すべきではない。
加えて、人間でさえ20歳まではお酒を飲んではいけないというのに、生まれたばかりのカメに酒をかけるとは、カメがかわいそうだとは思わないのだろうか。
もちろん大人のカメにもお酒をかけていいわけではない。
これはもう善意の虐待ではない。故意である。
そんなことをさせられるうら若き娘さんもかわいそうだ。
おじいちゃんたちには逆らえなかっただろう。
さらに、最近のエコ(グリーン)ツーリズムブームの中で、
ウミガメは客寄せパンダならぬ客寄せウミガメにされている。
命をもって一生懸命生きている生き物であることが抜け落ちている。
それなら、ウミガメの模型でも作って流水プールに放してみたらどうだろう。
何度も使えるから経費も節減できるだろう。
→ http://www.parao.co.jp/umigame/index.html
エコツーリズムが究極悪い方に走った例。
こういうものが増えるだろう、カメに限らず。
私はこういったことには絶対に反対です。
多くの人が反対の声を上げることを望みます。
マスコミももっと真剣に取り上げて欲しい。
NHKはよく番組を作ってくれています。
なぜならそれらの魚は多くの場合ほんらいその場に生息しない生き物で(コイは中国由来のものが多い)、それだけでも問題なのに、彼らは獰猛で、そこでそれなりに暮らしていけるはずのほかの魚たちをみんな食べてしまい、自然のバランスを壊すからである。
けれども、幼稚園児にコイを放流させるイベントは後を絶たない。それをうれしげに報道するマスコミに問題がある。
メダカは獰猛ではないが、川によって結構違いがあるらしく、よその川のメダカを放流すると、本来その川にいる種の特性が失われてしまうことになる。
これはメダカに限らない。
植物でも同じである。
が、魚は植物よりもっと横移動ができない生き物で、植物は種子散布を大々的に行うものが多いが、土岐川の魚は木曽川には自分の力では移動できないのである。
(水鳥の脚に卵がついたりして運ばれるというが)
植物の身近な例では、シデコブシがある。シデコブシは地域によってかなり形態の差がある。これは、植物学者でない私にも、見ただけで分かる。
けれども、中津川市には豊橋のシデコブシの苗木が一時期どしどし入れられていたと聞く。今どうなっているかは知らない。
湿地があると、サギソウやミズバショウが「善意の」誰かによって勝手に植えられていたりする。
ウミガメの「保護」。
ウミガメが生んだ卵を、必要もないのに掘り返し、別の場所に埋め、孵化させて海に返す。
これは保護ではなく、捕獲である。
こうして孵化したウミガメの赤ちゃんは、人間の手を離れると、水際までは一目散に逃げていくが、その後はほとんどが生きられないことが分かっている。
これらは、感傷的かつ勝手な思い込みによって行われる。
要するに、日本人はヒマすぎるのである!
自分がヒマだからといって、ほかの生き物の生き方にとやかく干渉しすぎである。
自分が破壊したものを反省して保全するのはいいが、身勝手な干渉はすべきではない。感傷による干渉。
ウミガメについては、豊橋の表浜ネットワークが問題提起して頑張っている。
ウミガメ協議会とかもリードしているようだ。
そのため、ちょっとずつ、ウミガメの本当の生態を知ろうとする人が増えてきていると思うが、一方で、相変わらずの放流会もますます盛んになっているようだ。
これについては、表浜ネットワークがブログで意見を発表している。
→どうして人工孵化場や放流会がうみがめにとって良くないのか
http://www.omotehama.org/report09/2009/08/post_69.html
上のようなことは、無知から発生していることが大半だろうから、やっている人に理解を求めていくしかないが、
さすがに黙っていられない気分になるニュースがあった。
--- ---
徳島新聞 2009年7月19日より
子ガメを放し安全祈り神事 美波町でうみがめまつり
美波町内で18日、夏恒例の日和佐うみがめまつりが催され、多くの観光客でにぎわった。
祭りは午後3時、県内有数のアカウミガメ産卵地・同町日和佐浦の大浜海岸でスタート。ウミガメの安全を祈る神事の後、乙姫大使の○○さん(18)、○○さん(18)や○○小学校児童ら計15人が、1歳の子ガメ13匹の甲羅に酒を振りかけ、砂浜に放した。
桜町通り周辺では、竜宮城をテーマにした仮装行列「乙姫行列」や、地元連による阿波踊り、大道芸のパフォーマンスなどがあり、フィナーレでは500発の打ち上げ花火が夜空を彩った。
【写真説明】子ガメに酒をかけ、放流する乙姫大使ら=美波町日和佐浦の大浜海岸
--- ---
ウミガメはおもちゃではない。
これは子ども達に生き物をおもちゃにしてもよいと教えるイベントである。
子ガメは早朝海に帰る習性があるので、それ以外の時間に放流すべきではない。
加えて、人間でさえ20歳まではお酒を飲んではいけないというのに、生まれたばかりのカメに酒をかけるとは、カメがかわいそうだとは思わないのだろうか。
もちろん大人のカメにもお酒をかけていいわけではない。
これはもう善意の虐待ではない。故意である。
そんなことをさせられるうら若き娘さんもかわいそうだ。
おじいちゃんたちには逆らえなかっただろう。
さらに、最近のエコ(グリーン)ツーリズムブームの中で、
ウミガメは客寄せパンダならぬ客寄せウミガメにされている。
命をもって一生懸命生きている生き物であることが抜け落ちている。
それなら、ウミガメの模型でも作って流水プールに放してみたらどうだろう。
何度も使えるから経費も節減できるだろう。
→ http://www.parao.co.jp/umigame/index.html
エコツーリズムが究極悪い方に走った例。
こういうものが増えるだろう、カメに限らず。
私はこういったことには絶対に反対です。
多くの人が反対の声を上げることを望みます。
マスコミももっと真剣に取り上げて欲しい。
NHKはよく番組を作ってくれています。