2年位前から、近くで、突然ガーデニングに目覚めた?と思われる家がある。
近くとはいっても、散歩でもしない限り通る場所ではない。
広い屋敷で、背後に雑木林があって、瓦ぶきの純和風の立派な家が建っていて
お庭は松だの段々になったイチイだの椿だのジャノヒゲだの石だのあって、
垣根がパラパラしている、純和風庭園。
昔からずっとここに住んでいるらしき人の、
いいたたずまいの、しずかな家。
その広いお庭の、一番道路に面したところが、とつぜんきれいに耕され
球根がいっぱい埋め込まれたのだ。
チューリップだということは分かっていた。
昨年の春、花を見逃したので、今年こそ見に行こうと思って
行ったのでした。
こんな花壇を造る人は、40代ぐらいの奥さんだと勝手に決めつけていたら
70歳ぐらいのおじさんでした(笑)。びっくり。
ちょうど行ったとき庭仕事中で、お話をした。
写真撮らしてくださいと言うと、笑いながら
「今年は色が混ざっちゃってダメだ」と言われる。
え……?(しばし絶句)混ざるんですか?
「うん、去年はよかったけど、色が変わっちゃってねぇ」
え……?
球根の植物の色が混ざるというのは
どういうわけなのか?????
それはたとえば人間で言えば
花子さんと太郎さんが結婚して生まれた子供は、花子さんとも太郎さんとも血がつながって、
両者の特徴の混ざった子になるわけだが
他人であった花子さんと太郎さんまで
いつのまにか血がつながって特徴が混ざってしまうということではないか。
夫婦は長年一緒にいると似てくるというが、いや、
血がつながらなくても後天的な特徴が混ざることは往々にしてあるかもしれないが、
そういう問題ではないでしょう。
その日、非常に仕事が切羽つまっていたにもかかわらず
この問題で頭の中が??????だらけになってパンクしそうになってしまったのでした。
世間では細胞がどうの遺伝子がどうのという
緻密な研究をしているというのに、こんな初歩的な問題で揉めている自分。
しかし。夫婦は絶対血はつながらない!
(続く)