昨日、愛知県の渥美半島にある泉福寺に行ってきた。文化センターの講座の仕事で。
泉福寺の寺叢林は、愛知県でも有数の照葉樹林の見られる場所である。高木層はほとんどがシイ、それにヤマモモが混じる。
その下で、イヌガシが満開だった。花が咲いていないときには目立たない木なのだが、咲いている時期に見てそこらじゅうにイヌガシがあるのが分かった。珍しい赤い花であるから、もっとハナノキなみにもてはやされてもいいのではないかと思う。
そんなにたくさんあるのだが、知り合いのあちこちの山を歩き回っている植物の先生が、イヌガシを見たことがないのだという。そんなに珍しいとは思わなかった。
こんなに花に特徴があるのだから、イヌガシなんて名前ではなく、もっと花に由来する名前がつけられていてもよさそうなものである。また、この木はカシという名があってもカシの木ではなく、クスノキ科である。
クスノキ科にはこの木によく似たアオガシとかシロダモとかヤブニッケイというのがあって困ってしまう。イヌガシの名前は、ハナダモとかハナニッケイにしたらどうだろう。
今日はそれ以外に、そそとした風情でヤブツバキがたくさん咲いていた。日なたにある植栽された椿は見事にいっぱい花をつけてそれなりにきれいだが、半日陰にひっそりさく椿もきれいで、参加者の皆さんは大変よろこんでくれた。
昨日から今日にかけ花粉症で目がひどい。渥美半島から帰ってきたら20時半。それから編集の仕事をしていたらこんな時間になってしまった。よく働いた。目とのたたかいで大変だった。十和田湖から帰って数日呆然としていたツケが回ってきて今週末まで大変忙しいのである。
イヌガシは、普段は目立たない木で、シロダモに似ていますが葉の裏は白くない木ですね。
でも、年に1回、早春の今の時季だけは赤い綺麗な花を咲かせてて、存在を主張します。
房総半島が東限となっている照葉樹のひとつですが、あまり見かけません。清澄山にあります。潮風にはあまり強くなく、スダジイのあるような場所で見られるようです。
房総半島には、多くの「東限植物」があります。
ハナミズキもアメリカではDogwoodと呼ばれていて、自生しているDogwoodが大切にされていました。
なぜハナミズキは犬の木なのかご存知でしたら教えてください。
イヌナシってヤマナシと似ているんですよね? どう見分けるのでしょうか。
非常に硬い木で、昔は"textile mill machinery, turnery handles and forms"に使われていたと言う記述が別のところにあったので、犬とは関係ないのかもしれませんね。
日本のWikipediaには”ハナミズキの皮の煮汁で犬のノミ退治を行ったことによる。”とありましたが、これはどうなんでしょう?
実が付いているところをみれば判るのでしょうが。
イヌナシと聞いて一瞬マメナシを思い浮かべた直感の方が正しかったようです。マメナシっていかにもイヌナシといわれてしまいそうなナシですよね。でも花はヤマナシより大きい気がします。
マメナシは去年初めて小牧で見ました。平和公園にもあったんですね。今もあるんでしょうか。あの辺は丘陵地だから、きっと昔はあちこちから水が染み出して、小幡緑地みたいな湿地をつくり、トウカイコモウセンゴケやシラタマホシクサなんかが生えていたのかも。イヌナシが中津川近辺にないか捜してみたいものです。
さっきこけし屋さんのことを書きかけたところですが、こけし屋さんの材木ではミズキが多いようでした。硬いでしょう、といったら、硬いねーと言ってました。(でも私はミズキが硬いことを知っていたわけではなくて、ミズメとこんがらがって……)。同じミズキ科ですね。ハンドルというのも興味深い。
カケヤとは、杭などを打ち込む、木のハンマーです。山の測量でずいぶん杭を打ちましたが、固くて粘りのある木なので、カケヤが割れたのを見たことはありません。