8月11日(日)、晴れ。
真夏なんだから暑いことは仕方がない。耐えるしかない。という今日この頃です。
映像は、新作「源兵衛清安」。材は御蔵ツゲ柾目。すっきりした柾目の玄人好み、あるいプロ好みというか、問題なくタイトル戦にも使っていただけそうな、こんな感じです。
8月11日(日)、晴れ。
真夏なんだから暑いことは仕方がない。耐えるしかない。という今日この頃です。
映像は、新作「源兵衛清安」。材は御蔵ツゲ柾目。すっきりした柾目の玄人好み、あるいプロ好みというか、問題なくタイトル戦にも使っていただけそうな、こんな感じです。
「昔と今とでは修業が違うんだよ。
俺たちはな、名物拝見なんか滅多に出来ねぇ。
万一見られる幸福があるとな、うがい手水の上、
畳一帖隔てて双の手をついて、うやうやしく拝見する。
一生に一度と思うから覚悟が違う。
本当に拝んで見た。
間道の本歌などになれば逢ったが幸い、
青何本、白何本という風に糸数を詳しく読んで
暗記してしまったものさ」。
近年は写真や印刷に研究が頼り、
実物に接した際の眼力が無くなってしまう傾向にあるそうで、私もそれを痛感しています。
他のお客様の鑑賞の邪魔にならぬよう
時折脇に避けながら、3時間ほど
碁盤と将棋盤を観察してきました。
●星は制作当時は無くて、
まるで後世の誰かが赤紫のマジックで
悪戯で描き加えたような質感で
私には漆が赤っぽく見えたとかいう感じには見えませんでした。
●目盛りについて。
1)目盛り線が取れて、その剥離した跡が
白く残っているように見える箇所があり、
そこは明らかに彫ってはいませんでした。
その観察ポイントから想像するに
目盛り線は彫られていると断言するには
不可解であり、ガラス越しに遠目で単眼鏡で
見ていることから、目の錯覚で彫っているように
見える可能性も否定できないと感じました。
2)プリンターの印字不良の「白スジ」みたいに
目盛りは縞々のカスレ部分がありました。
薬研彫りで浅く彫ったところに漆を入れようとして
そんな風になるのか分かりませんでした。
3)目盛りの彫り跡に全く漆が塗れていないように
見える箇所も見受けられました。
4)現代の太刀盛りの目盛りをカメラで
撮影すると凹みに漆を入れているように
写る箇所もあることが分かりました。
だから目の錯覚の可能性もあると思います。
しかし、全く漆が入っていない箇所も
浅い薬研彫りに見えたのでよく分かりませんでした。
5)後に訪問した大久保碁盤店さんにお聞きしたところ、
現物は見て無いものの、
a)江戸の蒔絵盤は碁盤師が作るまでも無かったのではないか
b)江戸の蒔絵盤なら目盛りは彫ってるかもしれない
c)当時は目盛りの彫り跡に漆が入らない箇所があっても気にしなったのではないか
d)墨ではなく、漆ではないだろうか
との、お話でした。
京都大徳寺様の秀吉&家康さんの対局碁盤も見てきました。
後世のお父さんがマジックペンで
日曜大工で施したような目盛りに見えました。
美術品の目盛りには見えなくて驚きでした。