ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

トリモチ

2012-01-18 14:28:40 | 日記・エッセイ・コラム

知人のブログにアオジが載っていた。
中学生のとき飼ったことのある懐かしい野鳥。

夜明け前の未だ暗い山に入り
清水の溜まる傍にトリモチを仕掛け じっと待つ。
やがて森の中が朧に明けてくると
いろいろな種類の小鳥たちが水を飲みにやってくる。
トリモチの枝にとまった瞬間 捕えるのだが
急がないとトリモチが羽にくっ付いて厄介なことになる。

少し大型のウソやイカルも魅力的な鳥だが
こちらは捕るのが難しく
知り合いの鳥名人から譲ってもらう。
中学生の小遣いからなので
一羽二百円か三百円で譲ってくれた。

当時はどんな野鳥を飼っても罰せられることはなく
今ではなかなか見られないような
貴重な野鳥に囲まれて愉しむことができた。

高校に通うようになってから
一羽残らず放してやったが
いちばん囀りの良いメジロだけが籠から出ようとしない。
手でつかんで空に放ってもしばらくは近くの
柿の梢で鳴いていた。
その声は今も耳の奥に残っている。

 *アオジ=スズメ目ホオジロ科ホオジロ属

  冬うらら枯枝に刺すさつま芋