松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

自然の流れに順行する

2007-05-08 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
やはり立夏をすぎると
何となく陽射しが強くなってきたような気がする。
連休を前に急に入った仕事も一段落したはずだったのに、
予想外の展開になったりで
当初の連休予定とはだいぶ変わってしまった。
フリーはいつでもこんなもの。

そういえば今年の春は
いつも以上に体調の変動が大きくて、
不調と感じる状態が多かった。
その原因としては
自身の体が変動期にあることもあるが、
天候不順による影響も
少なくなかったのではないかと思う。

過呼吸症候群を改善するために
漢方療法を受けるようになってから
なんとなく興味があった中医学方面。
太極導引を始めてからは
さらに身近になってきたので、
少しずつ本を読んだりしている。


病気になる原因(病因)について、
中医では内因、外因、内外因という分け方を
しているようだ。

内因は主に体の内部に原因があるものだが
内臓疾患などをさしているわけではない。
中医では七情(七つの感情)によると考える。
過度の感情が病気を引き起こすことになる
ということだ。

外因は主として体の外にあって
病気の原因となるもの。
中医では六淫と癘気(れいき)がこれにあたる。

内外因とは、内因外因のどちらにもはいらない
飲食物や疲労、外傷、中毒、遺伝などが
これにあたるとされている。

天候不順などは外因にあたるわけである。

外因にあたる六淫とは六気が変質したもの。
六気とは
自然界で人体を包み込んでいる大気の六つの状態
風・暑・湿・燥・寒・火)をいうもので、
そのままでは人体に害を及ぼすことはない。
しかし、六気に過多もしくは不足の状態が生じたり、
人体が六気に対する抵抗力をひどく失ってしまったときに、
六気は六淫となり病因となってしまう


たとえば冬の寒さが厳しすぎたり(厳冬)、
冬らしい寒さに至らなかったり(暖冬)、
暑いはずの夏が涼しすぎたり(冷夏)するような状況下で、
人体の抵抗力が低下して
自律神経機能が乱れていたりするときに
発病すると考えられる。
中医ではこうした発病原因を「」といい、
六淫はそれぞれ
「風邪」「寒邪」「暑邪」「湿邪」「燥邪」「火邪」といわれる。
このように六淫は
季節との関係が深いともいえるわけだが、
それだけで発病に至るわけではない。
同じ条件下で誰もが発病するというわけではない
ということだ。
そのときの人体の状態もかかわってくるからだ。

六気が六淫(邪気)となる場合とは、
自然のリズムと人体のリズムの相関関係によるといえそうだ。
自然のリズム(流れ)に流されている、
流れに乗っているような協調性のある状態にあるときは
健康状態であり、
自然のリズムに逆らうような協調性が乱れた状態にあるときが
病気になりやすいと考えられる。
つまり自然のリズム(流れ)に素直についていければ
問題はないということは、
仮に問題がある時はその問題を抱えたままでも
とりあえずその流れの中に飛び込んで、
流れについていこうとすることが解決の糸口となる?


練習でも同じかもしれない。
うまくいかないのには必ず理由(原因)がある。
流れを読む、見きわめること。
それができなくても
とりあえず目前の流れについていこう
まかせてみようとすることができるかどうかかな。

実はこの「まかせる」ことが
自分にとっていちばん苦手なものだったりもする。
これから先はなかなか厳しそうな気もするなぁ。
でもココを通過しないと先が見えないこともわかっている。






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