松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

養生の考え方

2007-05-22 | 養生の栞-食・眠・動-
中医学でいう養生の考え方は、
健康であるときもあれば
そうでないときもあるのが自然
というのが大前提となっています。
つまり健康とは
病気にならないこと
そして
病気になっても健やかに暮らせる体の状態
をいいます。

中医の考える健康な状態は
言わば一点のシミもないことをいうのではなく、
多少のシミやそばかすがあっても
ニッコリできればOKみたいな
大らかなところがあるといえるかもしれません。

実はこうした汲々としない鷹揚さも
健康を考える上では大切な要素となります。

中医では病気になる要因のひとつとして
内因(七情)をあげているほどです。
心のあり方は体の状態に大きく影響する
と考えているのです。

養生に興味を持ったのは
自分が比較的長期にわたり
不健康な状態にあったことが影響しています。
最初は何とかして早く治そう、
良くなろうと考えていたのですが、
病気とのつき合いがしだいに長くなるにつれて
(病気と対抗することに)精神的に疲れてきました。
できることならば
病気と折り合うようなつき合い方のほうがいいのかなぁと、
自然に思い始めたのです。

日々変わる体調に
一喜一憂するのも疲れるものです。
いたずらに体力気力を消耗させるだけです。
でも、病気というものは
いとも容易く不安定にさせるものなのですよね。

そのような環境で養生という
いのちに対する見方、考え方に
触れていったわけですが、
目新しいものは特にありませんでした。
どこかで見聞きしたことのあるものが
ほとんどでした。
ただ、それらの根底にある理論までは
知りませんでしたから
その原理・根拠がわかってくれば、
なるほどそういうことかと腑に落ちることばかりでした。
古人が長い時間をかけて
自然観察をくり返しながら見出した法則が
智恵として伝わってきているわけです。
養生もまた、
いのちを通して健やかなときもそうでない時も
穏やかに愉快に暮らしていくための智恵なのかも。



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